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国が違えば、ことわざも違う!国民性の違いを探ってみよう

「逃げるは恥だが役に立つ」というドラマが大ヒットしましたが、このフレーズはハンガリーのことわざだということをご存じでしたか?
日本語でいうと「逃げるが勝ち」に似た言葉のようですが、ちょっとニュアンスに違いがありますね。これはやはり、国民性の違いが関係しているのでしょう。

アメリカにはこのようなことわざがあるそうです。「The squeaky wheel gets the grease.(きしむ車輪は油をさしてもらえる)」。文句や不満など思っていることがあるなら、声に出して言わないと気付いてもらえない、という意味です。アメリカでは民族的にも宗教的にも様々な背景の人々が混在していて、価値観も多種多様なので、口で伝えることの重要度が高いのでしょう。

これと対極なのが「出る杭は打たれる」という日本語のことわざです。日本人は和を尊ぶと言われますが、周りの空気を敏感に察知し、個人の思いより全体的な調和を尊重するところがあります。「以心伝心」や「言わぬが花」というような、言葉を超越したコミュニケーションをとることは日本人の美徳でもありますが、アメリカの人々からすれば、理解しがたい部分があるのかもしれません。

また、フランス語のことわざに「C’est en forgeant qu’on devient forgeron.(鉄を鍛えていればこそ、鍛冶屋になれる)」というものがあります。鍛冶屋になるには、鉄を打ちながら習得していけばいいという意味です。日本語でいうと、「習うより慣れろ」ということでしょうか。フランスでは様々な局面でマニュアルに頼ることはせず、実際やってみて感覚を体得することが大切だとされているようです。

反対に日本では、「転ばぬ先の杖」や「備えあれば憂いなし」「石橋を叩いて渡る」というように、準備をしっかりすることがいいと考える風潮があります。困ったときのことを想定して的確な準備をするというのは、ビジネス上でも日常生活でも大切なことですが、もしかすると、準備や知識に頼りすぎなのも考えものなのかもしれません。

それから「Meglio un uovo oggi che una gallina domani(今日の卵は明日の鶏に勝る)」というイタリアのことわざは、将来の大きな得よりも目先の確実で小さな得をとれ、という意味ですが、こちらも日本語でいう「損して得とれ」という言葉とは対極にあります。日本人にとってはごく自然な考え方ですが、目先と将来のどちらを優先すべきかは、そのときそのときで違うとも考えられます。冷静に判断する目を養いたいものです。

このように、いろいろな考え方を知ることは、私たちの日常生活にもヒントになるかもしれませんね。