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進化するEDI

2007年3月22日
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携帯メールが読めない?

友人や知人との携帯メールをする際に、最も気をつけなければならないこと。それは「絵文字」の利用である。

同一の携帯電話会社同士であれば取り立てて気にする必要がないこの「絵文字」も、異なる携帯電話会社の相手やパソコンを使っている相手には利用できないのである。あのなんとも愛らしい絵文字で微妙な感情を伝えられないばかりか、絵文字を多用すると受信した相手には奇妙な文字列が表示され、全く意味がわからず、何と書いてあるのかを一生懸命推測することになる。

現在の携帯電話は、異なる携帯電話会社間でも基本的な「文字」の送受信をやり取りすることが可能となっているが、絵文字だけは、いまだに各社独自の基準で作成されているようだ。

そもそもこの絵文字が利用できない原因は、携帯電話会社間で情報をやり取りするための決め事が「標準化」されてないことが背景にあり、ビジネスの世界でも、企業間で情報をやり取りするEDIで、似たような状況がある。

1980年代のEDIは、VANセンターと呼ばれるデータ処理施設を核として、各企業が通信回線を結び、大手企業が中心となって取引先との受発注や請求・支払といった情報を紙の媒介なくデータでやり取りする環境ができあがった。やり取りされるデータは、ほとんどが受発注データで、利用範囲も限定的なものでした。

また、当時は力関係に勝る発注企業の仕様にあわせてデータを作るのが一般的で、受注企業は相手先毎にシステムを開発するという、標準化とは程遠いものでした。

そのため、「相手先毎の通信方式への対応」、「データ取り込みプログラムの開発」、「プログラム毎の業務運用」と、費用面、工数面双方から企業の負担を大きくし、データ交換はお金がかかるもの、相手に言われて嫌々やるものといったイメージが強いものでした。実際、ホストマシン上でプログラムを開発する必要があり、1社とのEDIを実現するのに1千万円という例もありました。

最近ではEDIシステムのパッケージソフトが流通しており、基幹システムのフロントに、このシステムを導入することで、比較的安価に実行環境を手に入れることができるようになっています。

こうしたパッケージソフトは、大きく分けて3つの機能があり、「通信機能」、「フォーマット変換機能」、「管理機能」という構造になっているのが一般的で、各パッケージソフトウェアのフォーマット変換機能を利用すれば、取引先や業界標準のデータ形式を社内の基幹システムで読み込めるように変換することができ、業務の効率化やサプライチェーンの高速化のためにEDIを積極的に導入する企業も増加しています。

まだ多くの企業が受発注や請求・支払データのやり取りに利用しているだけですが、近年では貨物のステータス状況や物流指示、在庫、商品マスタなど様々な情報を交換するようになってきています。

EDIの標準化

通商産業省電子計算機相互運用環境整備委員会(1989年度)によると、EDIの定義は、「異なる組織間で、取引のためのメッセージを、通信回線を介して標準的な規約(可能な限り広く合意された各種規約)を用いて、コンピュータ(端末を含む)間で交換すること。」とされている。

この定義は、データ交換を実施する企業の負担を少なくし、利便性を高めることが国内の生産性向上、ひいては、国際競争力を高めるという構想があった。

EDIには、大きく分けて以下の4つの規約(階層)がある。

レベル1 情報伝達規約

情報伝達規約は、文字通り情報をやり取りするための取り決めである。ネットワーク回線や伝送手順などの取り決めのことで、通信プロトコルに全銀手順を使うというのがこれにあたる。

レベル2 情報表現規約

情報表現規約は、情報データをお互いのコンピュータで理解できるようにするための取り決めで、ビジネスプロトコルとも表現できる。データの構造やデータ項目など、表現法のルールがこれにあたり、後述するEDIFACT(エディファクト、EDI for administration, commerce and transport)やCII(産業情報化推進センター)などがある。

レベル3 業務運用規約

業務運用規約は、業務やシステムの運用に関する取り決めである。どんな情報をやり取りするか、情報の訂正方法やエラーの扱い、さらには、情報を受け取った後で返信をするまでに要する時間などがある。

レベル4 取引基本規約

取引基本規約は、EDIにおける取引の法的有効性を確立するための取り決めで、検収時期、支払時期、支払方法などがある。

レベル2の情報表現規約について少し補足すると1987年、(国際標準化機構)では、国際的なデータ交換の進展からEDIFACT(エディファクト)という国際規格を承認し、国際的なEDIのルールを定めた。日本でも、これに合わせて標準化を進め、1992年に財団法人日本情報処理開発協会の産業情報化推進センター(CII)により、CII標準(CIIシンタックスルール)を国内標準として定めている。

さらに産業情報化推進センター(CII)は、業界毎の利便性を高めEDIの利用を高めるため、CII標準(CIIシンタックスルール)のルールのもとに、各業界の業務にあわせた業界標準の作成を呼びかけ、標準化を推進している。業界標準の例としては、化学業界のJPCA(石油化学工業協会)、建設産業のCINT(財団法人 建築業振興基金)、自動車業界のJAMA(社団法人日本自動車工業会)、電子機器業界のEIAJ(社団法人日本電子機械工業会)などがある。

日本国内で最もデータ交換が進んでいる電子機器・ハイテク産業や自動車業界では、国際化への対応や、大手のメーカーが多数の中堅・中小企業と垂直分業を行うという産業構造から、比較的早い時期からこの「標準化」に取り組んでおり、標準化の割合も非常に高くなっている。

一方その他の業界では、現在でも商取引上で優位に立つ企業が主導して独自方式でデータの交換をしている取引が多くを占めているのが現状だ。

EDIの運用

標準化されたEDIを導入した場合でも、日々のEDI運用は実は手間がかかるものです。

取引先からの急な仕様変更、発注スケジュールの変更、臨時のデータ受信、データの再セットなど、取引先からの様々な要望に対応する必要があるからです。また、24時間365日の対応が求められており、夜間の障害対応が必要というケースも増加しています。

特に仕様変更は、来月から変更したいなどという開発スケジュールの厳しい要望も珍しくなく、仕様の確認から開発、テスト、本番切り替えの立会いなどをわずか1ヶ月で実施しなければならないことも珍しいことではありません。

ところが、プログラムを開発した前任者が退職していたり、仕様書としてのドキュメントが残っていないという例もあり、急な仕様変更に対応できないばかりか、対応そのものも難しいというケースも見受けられます。

仕様変更における業務終了後の接続テストや、頻繁に発生するスケジュール変更など、どの企業でもEDIの運用には多かれ少なかれ問題を抱えているようです。

あらたな問題と次世代EDI

インターネットの登場により、EDIに新しい動きが見られるようになって来ている。

これまで主流だった専用線や公衆回線から、インターネット回線を使ったEDIへのシフトである。セキュリティに課題はあるものの、安価で高速な回線を利用利用する企業は多い。

現在、業界毎に次世代EDIの標準化作りや実証実験を繰り返しているが、この次世代EDIと従来型のEDIの過渡期にWEBEDI(ウェブエディ)という仕掛けが増加傾向にあり、受注者側の新たな問題となっている。

WEBEDI(ウェブエディ)とは、発注企業側が構築した発注サイトの注文情報を受注企業側がブラウザを使用して見に行くという仕掛けである。

この仕組みにより、発注者にとっては基幹システムを持たない中小企業とのEDIが実現でき、全ての取引先への発注と、納期回答情報の入手が可能になるばかりか、データ量に依存しないシステムの実現などのメリットがある。

その一方、受注者は一日に何度もインターネットに接続してブラウザを操作するという手作業が発生し、EDIを実施しながらも業務効率が悪化するという現象に見舞われる。

EDIは、営業部門など現場で対応しているケースが多く、取引先毎に異なる画面の操作習得や、サイトに接続するためのID、パスワードの管理などを行わなければならず、1社や2社であれば対応できても、10社を超えたあたりから運用が回らなくなると言われている。仮に取引先が1社でも1回の操作に10分かかれば、10社で100分のオペレーションが発生する。注文が朝晩2回あったとすれば200分。事前出荷の回答をするとなればさらに200分の追加 となるのだから営業部門にとっては大きな負担である。

接続のためのID、パスワードを忘れたり、自社の基幹システムへのデータ登録ミスなどによって取引先に迷惑を掛ける可能性もあり、WEBEDI(ウェブエディ)の自動化、効率化が急務である。最近では、発注サイトに自動的に接続し、データを取得する自動巡回システムも見られるが、システムの構築には数百万円の投資が必要になり、取引量とコストのバランスが取れないため、問題を認識しつつも投資に二の足を踏む企業が多いようだ。

一方、インターネット回線やXMLに対応した次世代EDIの普及は、電機業界や自動車業界、流通業界といった業界単位で進んでいる。

これまでのEDIは1企業の部分最適の要素が強く、力関係の強い企業の一方的な意思によって普及を後押ししてきた感があるが、今後は、標準化はもとより、業界全体の最適化の実現を目指し、業界全体、さらにはサプライチェーン全体の効率化によって世界の中の日本の競争力も強くなっていくことが期待されている。

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