NEC ネクサソリューションズ



そのITコスト削減ポイントは大丈夫ですか?

2007年11月2日
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重く、熱くなる最新のIT機器

最近のブレードサーバ・大型サーバ・ストレージなどは、高密度実装により、床面積あたりの加重増加や、発熱量の増大をまねいています。それに伴い施設強化や、冷却に必要な空調設備の増強、また空調設備への電力供給設備強化の必要性が増しています。

現状の設備で対応するためには、設置の際にラックあたりの実装密度を下げる、あるいはIT機器周辺のスペースを確保することで発熱対策を実施しています。床加重への対策としては、設置場所をスラブ上に限定したり、鉄板を敷いて床加重を逃がしています。

ITインフラのコスト増大の要因

前述した要件以外にも、ITインフラコストを増大させる要因は数多くあります。

ITインフラコスト増の要因

  • 災害対策としての立地条件
  • 地震対策としての耐震、免震などの要件
  • 床の対加重や床上げ高の確保などの考慮
  • フォルトトレラント設計のための空調機器の多重化
  • 将来の空調能力強化
  • 受電設備の多重化や、受電能力の強化
  • UPSの多重化
  • 効率的な最新機器への更新
  • 備蓄燃料の管理

最近のアプリケーションは、サーバでの処理能力をより一層向上することを要求しており、その要求はサーバ性能の向上を上回っています。それに伴い、IT機器はさらに増大し、データセンターの需要が拡大している要因と言えます。

IT機器調達コストと電力コストの変化

月々のITコストは、IT機器の調達コストの減価償却月額分とサーバ利用時に必要となるサーバの電力コスト、IT機器設置のためのインフラコスト(インフラとしての減価償却分)、インフラの電力コストで考えることができます。
ここでIT機器の調達コストをAとし、インフラコストと電力コストを合わせたコストをBとして構成比率の変化を考えてみましょう。1990年代とのサーバと2010年代中頃を想定して比較してみます(ここでは運用費等は除外して考えます)。

アメリカと日本におけるコストの推移

アメリカと日本におけるコストの推移

アメリカの事例では、1990年代初期のAコストは80%なのに対しBコストは20%、2010年代中頃には、Aコストは25%に対しBコストは75%になるという推測があります。
この事例で日本の電気料金をアメリカの約2倍(厳密にはもっと高いようですが)、サーバのコストは一定と仮定して試算すると、日本の1990年代初期のAコストは67%、Bコストが33%程度になります。2010年代中頃には、Aコストが14%となり、Bコストが86%という試算結果になります。Bコスト(インフラコストと電力コストの合計)が86%近くを占めるというわけです。

この結果は、従来の常識から大きく異なると思われますが、今までサーバに供給する以外の電力コストはITコストとしては管理対象外としていただけなのかもしれません。

ITコストの管理ポイントが変化

これは、1990年代初期にはIT機器の調達コストが約70%を占めているので、それをいかに抑えるかに注力すれば良かったと言えます。
しかし2010年代中頃には、IT機器の調達コストを削減してもわずかな削減にしか効きません。むしろランニングコストとしてのインフラコストと電力コストが86%を占める重要なポイントになることを示唆しています。

自社のマシン設置エリアにIT機器を設置して管理するには、IT機器設置インフラコストと電力コストの適切な管理が不可欠となり、IT部門の管理範囲の拡大が必要となります。

IT部門の管理範囲拡大は、インフラ管理エキスパートをIT部門として確保する必要があります。自社のIT部門は、このような人材を育成しているでしょうか。今後育成していくのでしょうか。
IT機器の発熱量と空調能力の管理不足により、IT機器の設置フロアは電力が不足する事態になっていないでしょうか。

インフラや空調機器の電力量は2倍以上

適切に管理されているデータセンターでさえ、IT機器設置のためのインフラや空調機器に供給する電力量は、IT機器の消費電力の2倍と言われています。
つまり、サーバ等のIT機器が使う電力よりも、電源の多重化や、UPS装置による電力消費、空調機の動作に必要な電力の方が2倍もかかっているということを意味します。

IT機器を設置する自社フロアや、データセンターの空調機器の配置設計が古いと、空調能力の効率が悪くなります。消費電力が一層増え、IT機器の消費電力に対してIT機器設置のためのインフラや空調機器に供給する電力量が2倍以上に達するケースは容易に想像できます。

設計の古さを知るには、1ラックあたりの標準供給電力やオプションの上限で、電力密度設計がどれぐらいかが目安になります。標準供給電力が別途相談になるケースは要注意と言えます。使っていないエリアの電力を回す、あるいは周辺の供給量の余力の中からバランスを取りながら供給している場合は、施設の受電能力やUPS、自家発電機の能力の限界が近いと推測することができるかもしれません。

このような面からも、適切に管理されたデータセンターを活用することで、新たなエキスパートの育成が不要になり、IT機器設置エリアへの設備投資が発生せずコスト改善が見込めるとともに、災害やセキュリティの面で安心な稼動環境を得ることが可能です。

アウトソーシングの利用でリスクヘッジ

ここまでは、電力コストを中心に見てきましたが、現実のITトータルコストには、アプリケーション構築費用、運用コストなど、今回のコラムで書ききれなかった費用もありますから多面的な検討が必要です。
また、技術革新(高効率の空調機、ラック個別の温度管理技術、サーバの消費電力の効率化、ラックの直流給電、等)があるかもしれませんが、自己投資は結局ITインフラコストの上昇になります。

アウトソーシングや、データセンターの活用を、大企業だけでなくIT機器を利用する全ての企業が効果的に活用することにより、将来のコスト増に対してリスクヘッジすることができます。

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