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第6回   「個人情報保護法」と関係する「e-文書法」をご存じですか?
2005/3/25
プライバシー・コンサルタント
渡部 大也
PROFILE

領収書など紙の証憑や税務書類の保存を、電子保存でも認める「e-文書法」が、本年4月1日から施行されます。奇しくも「個人情報保護法」完全施行と同日施行です。

鳴り物入りで登場する「個人情報保護法」の陰に隠れて、あまり「ぱっとしない?」イメージがあるのですが、事業者の「義務」を規定している個人情報保護法に較べて、企業や団体の業務改善、経営品質の向上に結びつけやすい新法律の施行です。そして「個人情報」、「個人データ」、「保有個人データ」等に対する個人情報取扱事業者の義務規定にも大きく関係してくるのです。例えば、「データ内容の正確性の確保(19条)」、「安全管理措置、従業者・委託先の監督(20条〜22条)」、「第三者提供の制限(23条)」、「公表等、開示、訂正等、利用停止、開示手続き等(24条〜30条)」、「苦情の処理(31条)」の大部分に関係します。とりわけ正確性の確保や安全管理措置等に関して影響が大きいといえます。

e-文書法は、「通則法」と「整備法」の2種類の法律で構成されています。「通則法」は「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」、「整備法」は「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」が正式名称です。

通則法は「他の法律で、紙による文書保存が義務付けられている場合、原則としてすべて電子データで保存してよい」というように文書保存を電子データ形式で認めるというものです。紙文書による保存を義務付けている現行の法律は各省庁別に多岐にわたり、251本あります。これらの法律を一つひとつ改正するのではなく、通則法によって、一括改正と同じ効果を出すのです。ただし、安全のために船舶や車輌が備えなければならない安全手引書類や、携帯を義務づけられている運転免許証などは、通則法が認める電子データによる保存が可能な書類から除外(法令数約50本)されています。

もう一方の「整備法」は、通則法とは別に、特定の法律に対して電子保存可能範囲を規定する法律です。これは、現在既に電子保存に関する規定がある法律や、国税にかかわる帳簿書類の保存に関する法律や地方税法、関税法等に対応します。

新たに電子保存が認められるのは、これまで紙での保存が義務付けられていた税務関係帳簿書類(契約書、領収書、見積書、納品書、受注文書)、医療関係書類(カルテ、処方せん)、会社関係書類(定款、株主総会議事録、営業報告書など)等です。税務関係帳簿書類の内、決算書類や帳簿、定型的約款がない契約書、3万円以上の領収書は従前の通り、紙での保存が義務付けられています。

e-文書法における証憑、書類の電子化管理がもたらす個人情報保護へのインパクトは、正確性の確保や安全管理措置、従業者・委託先の監督、公表等、開示、訂正等の業務を大幅に効率化、合理化できる部分にあります。例えば、電子化によって、いつでも即座に個人データの検索、照会が可能になったり、開示に係るシステム対応を可能にしたり、監査ツールの開発を可能にする等、e-文書法のよって、個人情報取扱事業者は煩雑な紙原本の保管処理から解放されるのです。

しかし、電子データにおいて原本性(紙文書と比較したときの脆弱性)を保証するためには情報セキュリティ技術的対応が必要です。特に改ざん防止・非改ざん証明や、「時刻認証技術(タイムスタンプ)」の適用は最重要となります。電子データに対してタイムスタンプを埋め込むことによって、「その電子データがいつの時点で作成されたもので、それ以降現在に至るまで改ざんされていないこと」を客観的に証明することが可能となります。

原本性を保証するための情報セキュリティ

これらの技術を個人情報保護における重要情報の正確性の確保や安全管理措置に適用することによって、高度にセキュアな環境を構築することが可能になります。これらの一連の文書管理は個人情報保護に密接に関係しており、CPO(個人情報保護責任者)は、このe-文書法の意味するところと、バックボーンとなる情報技術を理解しておかなくてはなりません。

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