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第10回   個人情報保護法と不正競争防止法
2005/11/11
プライバシー・コンサルタント
渡部 大也
PROFILE

平成17年11月1日不正競争防止法が改正され施行されました。またこれに先立って経済産業省からは営業秘密管理に関する指針が10月12日に改訂発表されています。
「不正競争防止法と個人情報保護に関係あるの?」などと呑気なことは許されない状況であることをご理解いただきたいと思います。
従来不可罪とされていた「情報のみの窃盗」に関してそれが「営業秘密情報」であれば、罪に問われることが明確に示されました。(経済産業:営業秘密管理指針)
その刑罰の内容を簡単に述べると、


【民事】
−損害賠償、使用差し止め等


【刑事(親告罪)】
−不正取得があった場合は、情報のみの窃盗であっても、5年以下の懲役、500万円以下の罰金
−行為者が所属していた法人も安全管理に問題があった場合は1億5000万円以下の罰金


具体的な媒体情報でなくても情報窃盗(頭の中の記憶も対象)が成立し、行為者は民事罰と共に懲役、罰金の刑事罰に問われます。また、その様な安全管理上の脆弱性を放置していた事業者も罰金刑(1億5000万円以下)が科せられます。つまり、企業にとって個人情報を含む営業秘密情報の安全管理が大きな経営リスクとして、浮かび上がってきたのです。


不正競争防止法の対象は「営業秘密」です。そして企業の「個人データ」は営業秘密情報として管理しておかなくては窃盗、漏洩犯人を不正競争防止法に問えません。

それでは「営業秘密」となるための要件は何でしょうか。


【営業秘密の定義】
1. 〔秘密管理性〕:秘密として管理されていること
「秘密管理性」が認められるためには、その情報を客観的に秘密として管理していると認識できる状態にあることが必要である。具体的には、(1)情報にアクセスできる者を特定すること、(2)情報にアクセスした者が、それが秘密であると認識できること、の2つが要件となる。
2. 〔有用性〕:有用な情報であること
「有用性」が認められるためには、その情報が客観的に有用であることが必要である。 しかし、企業の反社会的な行為などの公序良俗に反する内容の情報は、「有用性」が認められない。
3. 〔非公知性〕:公然と知られていないこと
「非公知性」が認められるためには、保有者の管理下以外では一般に入手できないことが必要である。


どのような行為が不正競争防止法違反に問われるのか


不正競争防止法と個人情報保護法の関係

  個人情報保護法 不正競争防止法
保護対象 客体 個人情報データベース等(特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの等)を構成する個人情報 営業秘密(1.秘密管理されている、2.事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、3.公然と知られていないもの)
受益者 生存する個人 営業秘密を保有する事業者
規制対象 客体 個人情報取扱事業者 (5,000件以上) すべての者
行為
  • 個人情報の利用目的の特定
  • 目的外利用の禁止
  • 不正取得の禁止
  • 取得に際しての利用目的の通知
  • 個人情報の正確性の確保
  • 漏洩防止措置
  • 従業員及び委託先の監督
  • 第三者への提供禁止
  • 保有個人データの公表
  • 保有個人データの本人開示及び訂正
  • 不正取得及び使用・開示の禁止
    (刑事罰については一部除外あり)
回復措置 損賠・差止 × ○(民事訴訟による)
刑事罰 △(行政機関からの命令に違反した場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金) ○(改正後は5年以下の懲役又は500万円以下の罰金、併科・法人処罰あり)
行政措置 ○(勧告、命令) ×



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