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総務人事向け
日本ビジネスメール協会代表理事が語るテレワーク時代のメール術(第4回)

相手に好感を持ってもらえるメールとは

2021年4月

日々たくさんのメールのやりとりをしていると「仕事のしやすい人」「仕事のしにくい人」のように、メールからさまざまな印象を受けます。印象がよければ、コミュニケーションは円滑になり、トラブルは減り、困ったときに助け合える可能性が高まります。印象が悪ければ、仕事に支障をきたし、良好な関係は築けません。非対面なコミュニケーションが増えた今、メールが与える印象はますます無視ができません。では、メールでよい印象はどうやったら残せるのでしょう。そこで今回は、相手に好感を持ってもらえるメールの特徴について解説します。

印象のよいメールは不快感を与えないメール

印象のよいメールを考える前に、印象の悪いメールについて考えてみましょう。印象の悪いことをしなければ、よい印象につながります。失敗が多い、不快感が強いメールは印象が悪く、失敗は本人も気付きやすいですが、不快感は自覚することが難しいものです。

私が代表理事を務める一般社団法人日本ビジネスメール協会が毎年発表している『ビジネスメール実態調査2020』の不快感に関する項目を見ていきましょう。

不快に感じた内容(複数回答可)

<過去一年間に仕事でメールを受け取り、不快に感じたことが「よくある」「たまにある」と答えた方>

不快に感じた内容を似たもので分けると傾向が見えてきます。「質問に答えていない」「必要な情報が足りない」「無駄な情報が多い」というのはコンテンツの問題です。届いたメールが自分の要求を満たしていないと不快になります。情報が多すぎても、少なすぎても駄目。相手が必要としている情報が何かを考えるべきです。

「文章が攻撃的」「文章が失礼」「文章が冷たい」というのはコミュニケーションや気遣い、文章力の問題です。この一言が相手をカチンとさせるかもしれないと考え、丁寧に言葉を選びましょう。

「メールが読みづらい」「一文が長い」というのはレイアウトや書き方の問題です。そもそも読みづらいというのは読む以前の問題です。気持ちよく読んでもらうためにも読みやすさは不可欠です。

最後に「件名が分かりにくい」「文章が曖昧」というのは言葉の選択の問題です。メールは、相手の頭の中の辞書にある言葉を使って書きます。未知の言葉や抽象度の高い言葉は互いの理解のズレを生みます。件名も、本来であれば、開封しなくても用件が分かるレベルで付けるべきです。

後戻りさせるメールは不快感を与える

メールは「開封」「閲覧」「返信」のような手順を踏みます。この流れに反して前に戻る動作が入ると相手は不快になります。例えば、メールを開封したけどたいした用件ではなかった。「開かなければよかった」「あとでチェックすべき内容だった」と感じたら、メールの一覧に戻る。その戻る動作が不快感につながるのです。

メールの文中に「表題の件」とあるから件名を見直したら、上から下に流れていた目の動きが上に戻ります。そうした小さなストレスが積み重なり、印象が悪くなるのです。

他にも、再読が必要となるメールも繰り返しの動作なので不快感を与える可能性があります。メールは何度も熟読して理解するのではなく、一度さらりと読んで理解できるくらいに書くべき。読解させるメールでは駄目なのです。

結論や要旨を最後に書くことも不快感につながります。冒頭に「料金のご相談でメールをしました」のように全体像や結論につながる言葉を書くと、主題が一目で分かるので速やかな理解を促します。冒頭が「ご存じの通り円高が進み……」のように論点がぼやけたメールを受け取ると、再読が必要になります。

長文になる場合は、再読させないためにも、メールを構造化します。結論、論点(中見出し)、前提条件(小見出し)のような構成にすると瞬時に伝わります。

視覚的に全体像が分かりやすいレイアウトサンプル

スラスラ読める

謙遜するあまり、過度にかしこまってメールを書こうとする人がいます。言葉を盛れば敬意が増すとは限りません。言葉が増えれば増えるほど読みにくくなります。それによって、相手が不快になったり、ストレスを感じたりするなら本末転倒です。

次の文章を読んで、あなたはどう感じますか。

この度は貴重なご面会の機会を頂きました事、厚く御礼申し上げます。見積書は即急に作成させて頂き、再度こちらからご連絡させて頂きますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

多少極端ですが、このようなメールを見かけることは少なくありません。正しい言葉遣いで、相手が瞬時に理解できるような文章を書けば十分です。

この例であれば、次のように書き換えることができます。

このたびは、貴重な面会の機会をいただき、ありがとうございます。
見積書を作成し、再度こちらからご連絡いたします。
引き続きよろしくお願いいたします。

文末に「申し上げます」が続くよりも「いたします」を使ってシンプルにしました。「何卒」のような言葉も削除し、文章全体を磨いています。「頂く」が多いので、減らして文章を調整しています。

このように同じ意味の言葉でも、文末を変えたり、リズムを取ったりすることで読みやすくなります。メールを書くときに迷ったら「不快感がないなら、早く読めるのが正解」と考えてください。

読み手に期待するアクションが明確

依頼なのか、相談なのか、報告なのか分からないメールも不快感につながります。どのようなアクションを期待しているのか、明確に書くようにします。相談だと書かれていたら、相手はアドバイスをしようと思って読むはずです。相手が正しく読めるように導くのがメールの送信者の役割です。

期限を切るのは失礼だというのは誤解です。むしろ期限があるのに期限を伝えないほうが迷惑をかけることがあります。「お手すきの際にご対応ください」と書いてあったので、3~4日放置していたとします。そのときに「そろそろご確認いただけませんか」とメッセージが来たらどうでしょう。「なぜ、初めから期限を伝えてくれなかったんだ」と不快になるのは間違いありません。今、期限を伝えることは、自分にとってストレスになるかもしれません。しかし、その行為が数日後、さらに大きなストレスとなって戻ってくることもあります。短期的な視点ではなく、長期的な視点でメールに取り組むべきです。

「候補日をお知らせください」と書いてあるから候補日を知らせたのに「その日は都合がつきません」と返事がくることも珍しくありません。相手に委ねることが、相手のためとは限りません。トータルのコミュニケーションが、どうやったら少なくなるかを考えるべきでしょう。

日本ビジネスメール協会代表理事が語るテレワーク時代のメール術

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