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総務人事向け
「月刊総務」編集長が語る戦略総務(第4回)

仕事の目的を再定義し、常にゼロベースで思考する
~そもそも、その仕事、やる意味があるのか?~

2017年12月

仕事の目的を再定義し、常にゼロベースで思考する

働き方改革は総務が主導すると成功するといわれます。人事でも、経営企画でもなく、もちろん情報システムでもありません。しかし、総務ほど雑務に追われ、目の前の仕事でいっぱいの部署はないでしょう。そのような状況の中で、働き方改革という大きなテーマを追いかけることができるのでしょうか?

全社の働き方改革の前に、総務の仕事改革が必要といわれる所以です。その総務の仕事改革の第一歩が、この目的の再定義なのです。

「見えない、測れない、改善しない」

政府をあげての働き方改革の推進、その中心となる総務自身が働き方改革をしているかというと、ずいぶんと心もとないようです。日本のホワイトカラーの生産性は世界的に見ても低いといわれます。その中でも、おそらく総務の生産性が最も低いのではないでしょうか。

タコツボ化、属人化の権化のような部門である総務、ここが働き方改革、仕事改革を実現しないことには全社を変える働き方改革の推進は難しいのです。

「見えない、測れない、改善しない」、ホワイトカラーの駄目なところとして表現されるこの言葉は、まさに総務のことです。誰がどんな仕事をしているのか、総務メンバーですら判然としません。改善するには仕事の可視化が必須です。総務の仕事を全て洗い出し、可視化をすべきでしょう。

可視化は、その業務のプロセスもさることながら、その目的の可視化がまずは必要となります。その仕事の必要性の明確化です。かのピーター・ドラッカーも「最も非効率な仕事は、本来やらなくてもいい仕事を効率化することである」と言っています。やらなくてもいい仕事をいくら効率化しても、そもそもやる必要のない仕事なのですから、はなからやめてしまえばよいのです。やめてしまって現場からのクレームがなければ、そのままやめてしまうのです。

「そもそも、その仕事、やる意味があるのか?」

この問いは、全ての仕事に向けて発するべきです。小手先の業務改善ではなく、本質的にその仕事が必要なのかどうかを見直してみるのです。この問いはいくつかの問いにブレイクダウンすることができます。
「そもそも、その仕事、誰が必要としているのか?」
「そもそも、その仕事、今、やる必要があるのか?」
「そもそも、その仕事、何を目的としているのか?」
問い方は異なっても、意味することはその仕事の定義の必要性、仕事の目的の把握です。

業務効率化の進め方の順序は、「やめる、減らす、変える」です。
やめるは、「そもそも、その仕事は必要なのか?」、「そもそも、その仕事、やめてしまうと困る人がいるのか?」

減らすは、「そもそも、そんなに必要なのか?」、「そもそも、そこまでする必要があるのか?」
変えるは、「そもそも、そのやり方でやらないといけないのか?」、「そもそも、他の方法でやってはいけない理由があるのか?」

ゼロベースで考える必要性

戦略総務として必要なのはゼロベース思考です。あるいは、健全な猜疑心です。昔からそのようにしてきたから、先輩に教わったから、その方が慣れていて楽だから、このような思考はナンセンスです。自社を取り巻く環境は常に変化しています。その変化に適応するためには、従来の仕事の仕方を見直さなければなりません。そもそもその仕事の存在意義が、とうの昔になくなっているかもしれません。利用者がそこまで必要としていないかもしれません。ITの進展に伴い、さらに効率化された仕組みが存在するかもしれないのです。従来の仕事を、その目的から方法まで、全て疑ってかかる姿勢が戦略総務には必要なのです。

毎年、来年の予算を策定する時期に、既存業務をゼロベースで見直してみる。それも抜本的に、大胆に疑ってかかる。例えば、
 「そもそも、本社オフィスをなくしたら、どうなるのだろうか?」
 「そもそも、社有車を全て廃止したら、どうなるのだろうか?」
 「そもそも、福利厚生制度を全廃したら、どうなるのか?」
 この問いを突き詰めていくと、その本質的な意味が見えてくるものです。本社をなくしたら、何のための本社なのか、本社として最低限必要な機能とは、本社の本質的な意味とは。その見直しをすることで、結果として、いまの状態がベストであれば、それはそれでよいでしょう。何も見直さないで、漫然と継続していく状態だけはやめましょう。また、一度見直したとしても、環境は変化しているので常に見直すことが必要です。

全ての制約を取り払う必要性

ゼロベース思考とは、全ての制約を取り払って考えることです。逆に言うと、全てのものを受け入れる、取り入れてみようとする柔軟な思考でもあります。イノベーションとは多様性から生まれる、あるいは、イノベーションとは組み合わせである、とも言われます。得てしてスタッフ部門は専門分野を持つと、自らの管轄範囲を定め、他の意見を取り入れようとしません。専門分野を持ったとしても、オープンに、従来では考えられない組み合わせも考えてみる柔軟性が欲しい。 その結果、仕事の仕方のイノベーションが生まれるのです。そうであるなら、戦略総務としては、積極的に部外の人との接点を持ちつつ、様々な意見に触れ合うことが大切となります。その中から、できないという制約を見つけるのではなく、どうしたらできるのだろうかというポジティブな姿勢で考える、チャレンジ精神を持っていたいものです。変化なくして進化なし。そのような意気込みで、変化を起こしていく、そのためのゼロベース思考と捉えて欲しいのです。

「そもそも、その仕事、やる意味があるのか?」、
「そもそも、このやり方でやってはいけないのか?」、セットで使いたい問いです。

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