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労働法専門弁護士が回答! 労務管理担当者が知っておくべきFAQ集(第3回)

採用前に応募者の健康状態を確認することは違法でしょうか?

2018年8月

Q. 採用前に応募者の健康状態を確認することは違法でしょうか?

従業員の健康問題は労務管理にとって一大事なので、企業としては、採用段階で心身ともに健康な人材に入社頂きたいところです。そうした観点から、採用前に応募者の健康状態を確認しても法的に問題はないのでしょうか。

A. 採用の自由の一環として健康状態の調査は可能です

企業の人事担当者とお話していると、「採用前に健康診断を実施してはならない、健康情報を聞いてはならない」といった誤解に接することがあります。こうした誤解は、労働安全衛生規則43条による雇入れ時の健康診断は「採用選考時に実施することを義務づけたものではなく、また、応募者の採否を決定するために実施するものではありません」と記した行政の事務連絡からきています(平成5年5月10日労働省職業安定局事務連絡「採用選考時の健康診断について」)。

しかし、この事務連絡は、労働安全衛生規則43条という条文は応募者の採否決定目的で採用選考時に健康診断を行うことを定めた規定ではない、と述べる趣旨であり、企業がそのような健康診断を実施することが「禁止」されるとは一言も述べていません。また、企業は憲法22条、29条により採用の自由を有しますが(最大判昭48.12.12)、この採用の自由の一環として、採用選考時に応募者に対する健康診断を行うことは可能と裁判例上も明らかにされています(東京地判平15.6.20)。

したがって、健康な人材に働いてもらいたいという観点から、採用選考時に健康診断を実施すること、健康状態の確認のため病歴の申告を求めることは法的にも可能です。ただし、その企業で働く適性と能力を判断する上で「無関係」な病気を把握しようとすることは就職差別につながるおそれがあり、その点は十分気をつけるべきです。

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