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スマート総務人事術

副業・兼業も労災認定されるの?

2020年6月

副業・兼業も労災認定されるの?

相談

複数の会社で副業・兼業している人の労災保険給付の条件が改善されると聞きました。具体的にどのように変わるのでしょうか。

回答

2つ以上の会社で働いている場合、これまで労災保険の給付額は労災の原因となった会社のみの賃金を基準として支払われていました。これを見直し、今後は働いている全ての会社の賃金を合算した金額を基準に支払われるようになります。関連する法律の改正案が2020年3月末に国会でも成立しました。

労災給付の現状は?

従来の労災保険の制度では、労働災害に該当する事案(業務中や通勤中のケガ、業務が理由と考えられる病気など)が発生した際、原因となる業務を行っていた就業先(会社)の賃金を基準として給付額が決められていました。

就業する会社が1社のみなら、この給付条件は問題になりません。ところが、複数の会社で働く人の場合は事情が変わってきます。ある労働者が、A(月収25万円)、B(月収15万円)の2つの会社に所属して就業しているとして、B社での業務が原因で労災認定されると、給付額はB社の賃金である15万円を基準として算定されることになるからです。

現行制度の問題点

たとえB社での業務が直接的な原因であったとしても、これにより入院してしまうと、この労働者はA社での仕事もできなくなります。働く人のセーフティネットという観点から考えた場合、この労働者に対しては、B社の15万円だけでなく、A社の25万円の労働についても一定程度の保障を適用することが適切といえるはずです。しかし現行制度では、そうした事情に対応できていませんでした。

働き方が多様化し、パート・アルバイトなども含め副業・兼業で複数企業に所属しながら仕事をするケースが増えてきた今、従来の給付制度が実情と合わなくなってきたといえるでしょう。

給付算定基準の見直し

そこで、従来の制度を見直し、基準額算定対象の拡充を実現するため、2020年1月の通常国会に「雇用保険法等の一部を改正する法律案」が提出されました。両院での審議を経て、2020年3月31日に可決・成立、即日公布されています。

改正法のもとでの新たな制度では、複数の就業先の賃金を合算した額を基準として、労災保険の給付額が決定されるようになりました。前出の例のケースでいえば、所属するA、B両社の賃金を合わせた40万円が給付額算定の基準となるわけです。

この複数就業先合算による給付拡充は改正法公布後6カ月以内に実施されることになっており、2020年秋までには見直しが適用される予定です。

対象は「企業所属者」のみ

ただし注意も必要です。この合算制度の対象となるのは、複数の会社に所属している場合であるということです。

前出の例のように2つの会社に所属している労働者はパートタイマ―もアルバイトももちろん対象となりますが、ある会社に所属しながら副業として自営業やフリーランスの仕事をしているケースは対象になりません。

一方で、対象となる会社は「複数」すなわち「2つ以上」であるため、3社以上の企業に所属している場合も合算の対象となります。

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