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[第3回] 第2ステップ:改善策案の企画
2009年10月8日
今回は、特定された改善ターゲットに対する具体的改善策案の企画について詳しく記述します。
まずは、前回のまとめでも記載しました「合意」について、少し追記します。
業務改善の多くの場合、全社プロジェクトのように経営層の指揮、複数部門の係わり合いが発生します。
これは「合意」が非常に難しい作業であり、そして最も重要な点だと考えます。
どんなに良いものが出来ても、経営者の了解が無ければ実行出来ません。現場の理解が無ければ動きません。
「合意」は会議の場のOKではなく、「実行させたい、したい」気持ちにさせることです。
改善プロジェクトを進める各段階で少しずつ、経営層・プロジェクトチーム・現場への「合意」を醸成させるための様々な仕組み、行動がとても重要です。
改善策案はいろいろな方法で出すことが出来ます。
まずは手っ取り早く「現場に聞く」。概論でも記載しておりますが、現場でいろいろ苦労されている方が一番考えていて、既に改善策案を持っていることは多々あります。
ただ、そのほとんどが提案する機会が無かったり、担当者に提案するほどの想いが無かったり、提案を受け入れる側の問題であったりします。
他にも「各種情報検索」、書籍・インターネットなどの改善に関する情報、コンサルタントなどの「専門家の支援」による提案・事例紹介・課題解決アプローチなどの方法があります。
ゼロベース思考とは、改善策案を考えるとき現状からのスタートではなく、現状自体のあり方・制約などを前提としない所からの改善策策定方法です。
業務の現場では、多くの場合、前任者から引き継がれたものがそのまま運用されています。
業務によっては、その必要性を担当者自身が理解していない場合が多々見受けられます。
業務改善は、業務の棚卸しを行い、その目的・手順を改めて見直す機会です。
最大の効率化は「無くすこと」。
「その業務(手続き)は、ほんとうに必要ですか?」
考え方はゼロベース思考とは逆になります。
企業活動の中では業務遂行上、必要不可欠な制約が存在します。
広義であれば法制度・社会規範などで、狭義では組織分掌・職務分担(変えることも可能だが)・投資額などが挙げられます。
例えば、売上・仕入計上では確証は必ず必要であり、紙ベース・電子化を含めて承認行為がなければなりません。
例えば、社内規程で定められている裁量権限は守らなければないないことであり、変更したい場合には所定の手続きが必要になります。
改善ターゲットに対し、制約事項を明確にすることは、ゼロベース思考のスタートラインで判断するものです。
十人十色と言う言葉が表すように、業務に対する価値観は人それぞれで異なります。
また、業務に対して、当事者と他部門の第三者では業務の見え方も異なります。
検討現場では、時にヒートアップすることもあります。
しかし、いろいろな意見に耳を傾けること、積極的な発言をすることから、対象業務に対する客観的な共通理解、改善テーマに沿った価値の共有が生まれます。
そして、改善策案の検討土台が作られます。
会議には、ファシリテーション役をおくことを是非お勧めします。
的確な進行は会議による成果を高めます。
改善プロジェクトでは、時に改善自体が目的化してしまうことがあります。
目的は改善による効果であり、改善は目的達成のための手段に過ぎません。
分かり易い例を挙げます。
目的は利益増大(改善テーマとしてコスト削減)で、改善策で業務効率化を行う場合に、業務を効率化すれば本当にコストは削減するのでしょうか?
例えば、2時間掛かっていた作業が効率化され、1時間で終わってもそれだけではコスト削減になりません。
対象業務だけが効率化されても、残業が減るとか人員削減にでもならなければ、人件費は変わりません。人件費はほぼ固定費です。
しかし実際の現場では、簡単に人員削減は出来ません。
他の業務が割り振られたり、別の部署へ異動されたりしても、人事異動により部門費の削減にはなりますが企業としてのコスト削減ではありません。
他の仕事を担当することで生産性・付加価値は確かに向上しますが、目的とする効果(コスト削減)ではありません。
改善策案の検討では、改善後のイメージを明確にし、効果と共に派生する影響・問題・課題の検証は不可欠です。
いろいろな検討を経て提案された改善策案ですが、全てを実施することは現実的ではありません。ここでも絞り込みを行います。
絞り込みの勘所は、前回のコラムをご覧下さい。
業務改善目的への影響度、実現可能性、各種リスク、費用対効果への検討、複数の改善策案が相互に関係し合うものにも留意する必要があります。
そして、同じく特定した改善策に関して5W2Hを作成します。
近年、IT部門は企業を全体的に網羅している機能や、企業のパフォーマンスを直接的に最も影響する機能として、本ステップである「改善策案の企画」が注目されています。
客観性・解決策・方法論など、他部門に無い力量と積極性の発揮が期待されています。
次回は、第3ステップ「改善業務の構築」です。
NECネクサソリューションズ
コンサルタント 松野 行寿
[ITコーディネータ]