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NECネクサソリューションズのコンサルティングサービス

IT部門による業務改善の取り組み

[第4回] 第3ステップ:改善業務の構築(設計)

2009年12月7日

第2ステップまでの振り返り

前回までで第1ステップと第2ステップが完了しました。
それにより、次のような状態になっているはずです。

加えて、人間が受け持つ仕事とIT化する仕事も概略でイメージされ、それがIT化できるかどうかの吟味もある程度できているとします。

現実には業務改善に伴い、情報システムを全面的に作り変えることができない場合も多数あります。人間系だけの改善、システムの一部改修という制約が付くことも考えられます。
新ビジネスで新たな組織と業務を立ち上げる場合には、ゼロからの出発となり大変な作業が見込まれ、設計の手順や難しさも異なってくると思われます。

第2ステップが終わった状態を家のリフォームに例えるなら、現在の家の設計図を見ながら「次はこんな間取りにしたい」「こういうシステムキッチンが欲しい」等、家族全員の合意ができた段階に該当します。

次は建築士に依頼し、実際の間取り・寸法・強度・工法など、具体的な設計図を描く「第3ステップ」です。第2ステップで描いた全体的なイメージを、具体的な業務設計に落とし、文書化します。
業務の設計は、4つの手順に分けることができます。

[手順1]仕事を適切な単位に分解する

例えば、「電話で注文を受け、受注入力し、受注一覧表を確認する」という仕事は、2つに分解することができます。

このようにして分解した結果を分類・整理するために、「業務分類表」「業務機能階層図」等を作成します。そして全体の整合性や抜け漏れを確認します。

過剰な分解は逆効果

無条件に最小単位にまで分解してしまうと、かえって効率が悪くなることもあります。
上記の仕事を3つに分解すると、次のようになります。

3つに分けると、後の仕事のインプットとなる「受注メモの記入」などの仕事が増えてしまいます。
ただし、「誰」と「何時」が別の担当者、違う時間帯になっても差し支えなく、かつその方が合理的で柔軟性がある場合は、細かく分解しても良いと思います。

[手順2]5w1hとインプット・アウトプットを明確にする

5w1hとインプット・アウトプットを検討し、その結果を業務記述書として文書化します。

5w1h
「何のために、誰が、いつ、どこで、何を、どのように」業務として実行するのか
インプット
その仕事を始めるには何が必要か
アウトプット
その仕事の結果をどのような形にし、どこへもたらすのか

作業を楽にするために

既存のドキュメントを活用する

業務改善のステップ1において、現状の見える化として業務フローや業務記述書が既に作成されている場合は、[手順1][手順2]はそれらから改善後版を作成します。
家族の要望を考えながら、現在の図面からリフォーム後の図面へ書き直す作業に該当します。

情報システムに対する要求をまとめておく

[手順1][手順2]を検討する段階で、人が仕事を行なう際に「どのようなシステム機能を」「どのように使って仕事を進めるのか」を洗い出し、情報システムに対する要求として整理しておくことも必要です。
これらは「システム要求定義」としてまとめられ、後続のシステム要件定義のインプットとなります。
リフォームに例えれば、システムキッチンに食器洗い器と電子調理器を組み込む、電動シャッターを取り付ける、1階と2階にインターフォンを設置する、2階でもインターネットができるようにする、というようなことと言えます。

[手順3]一連のプロセスとして流れることを検証する

[手順1][手順2]で定義された仕事が、一連の流れ(プロセス)として有効に働くことを検証する必要があります。

検証のポイント

[手順4]職務に人を割り当てる

業務記述書には「受注担当者」「仕入れ担当者」などと、職務が記載されています。
この職務名に実際に担当する個人を割り当てます。そしてスキル、仕事量、権限、所属組織などの観点から、適切かどうかを確認します。

ここでの目的は、現在のリソースで実施できるかどうかの検証です。割り当てた結果をそのまま固定化するということではありません。

非定型・不定期・集中の問題への対処法

職務に人を割り当て、負荷を確認する段階で問題となる業務があります。

現状の見える化をやってみるとわかることですが、非定型、不定期の業務が意外に多く存在します。
これらは属人的に行なわれていることが多く、見える化するだけでも時間のかかる問題です。
解決策となると更に時間がかかりますが、ステップ2までの検討で決着がついているはずです。
解決策はステップ2のような考え方で導き出していくほかありません。

非定型業務に関連し、例えば営業職や技術職などの個人の裁量度の高い組織について改善を考える場合、単に業務の設計という視点だけでは無理があります。
組織風土、環境、動機付けなど、多面的な分析と対応が求められます。

一度で確定することは困難

以上、4つの手順をご紹介しましたが、各手順を一度で確定することはできないと考えたほうがよいでしょう。
手順1~4を繰り返しながら収束させていく感覚で進めるべきだと思います。
その間に、現場も参加した設計レビューを実施することが重要です。
リフォームに例えれば、出来上がった図面を見て家族の要望が満足されているか、全員が不自由なく住むことができるかの確認をする段階、と言えます。

プロジェクトは続く

プロジェクトとしては更に以下の手順も実施していくことになります。
[手順5]~[手順7]はステップ1、2の中でその結論を裏付けるために粗粗ながら実施されていますが、ここではその最終確認となります。

[手順5]改善効果の最終確認
[手順6]リソースの最終確認 人員、費用、設備など
[手順7]関連業務、経営方針、業務規程との整合の最終確認
[手順8]ステークホルダへの報告と合意
[手順9]業務マニュアル類の整備、システム調達
[手順10]教育と移行

今回の連載では人間系とIT系の関係についてあまり触れませんでしたが、ITをいかに活用できるかが業務改善の成否に大きく影響します。
IT投資に対する効果を高めるにはIT化、ITシステムだけの問題ではなく、いかに人間系と有効に連携させるかということだと思います。
その点についてはまた別の機会にご紹介したいと思います。

執筆

NECネクサソリューションズ
コンサルタント 北村 博喜
[システムアナリスト,システム監査技術者,ITコーディネータ]

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