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NECネクサソリューションズのコンサルティングサービス

今日からはじめるパンデミック用BCPの策定

[第4回]感染防止策の立案

2010年4月5日

前回までの振り返り

BCPを機能させるために必要なルール

前回のコラム「事業継続体制の立案」では、事業継続策を立案する前に決めるべきルールとして、パンデミック下での円滑なコミュニケーションを実現する「リスクコミュニケーション体制・方針」と、感染の基準やパンデミックの進行度を定めた「各種の基準」を挙げました。
これらはBCPを実行するために必要なルールであり、これらが決まっていてはじめて、BCPを十分に機能させることができるということをご理解いただけたかと思います。

今回のコラムでは、第3ステップ「感染防止策の立案」について説明します。

[図] BCP策定の4ステップ

感染防止策の2領域

2つの領域の対策をバランスよく実施する

「感染防止策」と聞くと、どんなものをイメージするでしょうか。感染を防止する策ですから、手洗いやマスクの着用などが思い浮かぶのではないでしょうか。
たしかに、これらは感染防止策のひとつである「個人レベルの感染防止策」に分類される対策です。感染防止策には手洗いやマスクの着用など個人で実施する対策以外に、職場の清掃や備品の備蓄などといった「組織レベルの感染防止策」があります。
感染防止策を立案する際には、これら2つの領域の対策をバランスよく実施することが大切なポイントです。

個人レベルの感染防止策

個人レベルの感染防止策としては、下記のものが考えられます。

手洗い
石けんによる通常の手洗いの他に、入館時などのこまめなアルコール製剤による消毒を行うとさらに有効。
マスクの着用
基本的には咳やくしゃみ、鼻水などの症状のある人が着用し、飛沫の拡散を防ぐ。
マスクの説明書に従い、正しく使用する。
咳エチケットの実施
咳やくしゃみの際にティッシュなどで口と鼻を被い、飛沫の拡散を防ぐ。
被うのに使用した手などは直ちに洗う必要がある。

組織レベルの感染防止策

組織レベルの感染防止策としては、下記のものが考えられます。

職場の清掃、消毒
通常の清掃に加えて、人がよく触れるところを清掃する。
アルコール製剤等による消毒を行うとさらに有効。
備品の備蓄
各種の感染防止策を徹底するには、必要となる備品(マスク、アルコール製剤など)をあらかじめ備蓄しておく必要がある。
通勤方法、時間の変更
都市圏の場合、ラッシュ時に公共交通機関を用いての通勤は感染拡大のリスクが高い。
公共交通機関の利用を止める、通勤の時間を変更するなどの対策が有効。
食堂などの休止
食堂は感染の拡大を招く原因となりかねないため、状況に応じて休止を検討する。
感染者の発見方法策定、実施
「事業継続体制の立案」で決めた、感染の基準に該当する社員を発見する方法を策定し、実施する。
具体的には毎朝の検温を義務付けるなどが考えられる。

効果的かつ効率的な感染防止策の立案

進行度に応じて感染防止策も変える

前回のコラム「事業継続体制の立案」ではパンデミックの進行度に応じて、対応を変えることが、効果的かつ効率的な事業継続の実現に有効だとお伝えしました。
また、その際の進行度は厚生労働省や各地方自治体の発表を拠り所にするのではなく、社内の感染者数を基準とした方が良いことも併せてお伝えしました。

感染防止策についても、パンデミックの進行度に応じて対応を変えることが重要です。
具体例を下記に示します。

進行度 1
(感染者数 ○%)
  • 手洗いの徹底(アルコール製剤の設置)
  • 咳エチケットの徹底
  • 感染者発見策の実施
  • 備品の配布(状況に応じて再購入)
進行度 2
(感染者数 ○%)
(上記に加えて)
  • 咳やくしゃみ、鼻水などの症状のある人はマスクの着用を徹底
  • 職場の清掃、消毒の頻度増加
  • 通勤方法、時間の変更
進行度 3
(感染者数 ○%)
(上記に加えて)
  • 食堂の休止

今回のまとめ

今回は感染防止策の内容と立案時に考慮すべき点について説明しました。
感染防止策はパンデミック用の事業継続対策の中でも最も着手しやすい部分ですので、既に何らかの対策を実施していることも多いのではないでしょうか。

感染防止策には「個人レベルの感染防止策」と「組織レベルの感染防止策」があります。
2つの領域の対策がバランスよく実施されているか、あらためて確認してみて下さい。

また、感染防止策は着手しやすいものの、その実施によって業務の効率性が損なわれる、コストがかかるという側面も持っています。
着手しやすいからといって何でもかんでも実施するのではなく、まずは、パンデミック下での円滑なコミュニケーションを実現する「リスクコミュニケーション体制・方針」と、感染の基準やパンデミックの進行度を定めた「各種の基準」を整備し(前回のコラム参照)、それに基づいてパンデミックの進行度に応じた感染防止策を立案することが大切です。

参考文献

執筆

NECネクサソリューションズ
コンサルタント 吉田 一紀
[ITコーディネータ、上級システムアドミニストレータ、情報セキュリティアドミニストレータ]

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