|
GRANDITによる新基幹システムは、2006年9月より本番稼動を開始。これにより同社の業務環境は大きく変化した。以前は販売システムと経理システムが別々のベンダの製品に分かれていたが、新システムでは経理、債権、債務、販売、調達・在庫、資産、製造、経費など、主要な業務をすべてGRANDITだけで行っている(図)。また原価管理業務のように企業固有の要件がある部分については、カスタマイズを行うことで対応。「GRANDITのデータをMicrosoft ExcelやAccessに連携する仕組みをアドオンで構築し、原価管理業務に役立てています」と山根氏は説明する。
新たな業務基盤としてGRANDITを選んだ理由について、永井氏は「GRANDITはしっかりとしたコンソーシアム体制に支えられたパッケージですし、当社の会計士の評価も高かった。また、豊富な導入実績を持つNECネクサソリューションズの支援が得られたことも、大きな決め手となりました」と説明する。
導入後の効果としては、まず業務プロセスの標準化やルールの徹底が進んだ点が挙げられる。例えば、旧システムでは出荷ベース/検収ベースのどちらでも売上計上が行えるなど、業務処理の基準が明確でない面があった。どちらを選ぶかで計上月がずれてしまうため、後々の余分なチェック作業などを生む要因になっていたのだ。しかし現在では、部門や拠点ごとのローカルルールは廃止され、全社で統一的な業務処理が行われている。
また、もう一つの効果として、業務効率化が実現できた点が挙げられる。「以前は拠点で入力した経理データを本社で再入力するケースも多かったのですが、GRANDIT導入後はこうした手間もなくなりました」と山根氏。販売と経理で別々のパッケージを利用していた頃と違い、販売管理システムに入力されたデータも、そのまま自動的に仕訳連携されて経理システムに入力される。これにより現場業務の省力化につながっただけでなく、入力間違いなどの人為的なミスも大幅に減少した。
さらに大きいのが、GRANDITに蓄積されたデータを経営戦略に活かせるようになった点だ。以前は各拠点システムのデータを集計しないと、収支状況などが分からなかった。ある程度の予測はできても、正確な情報は月単位などでしか把握できなかったのだ。「その点現在では、今日現在の試算表を見たいと思えば見られます。これまで以上にスピーディな経営を行っていく上で、こうした環境が実現できた意義は大きい」と永井氏は力強く語る。同社では今後も、データの戦略活用を積極的に推進していく考えだ。部門別やセグメント別の損益管理をより精緻に行うなど、様々な用途を検討しているという。
「これからの企業経営には、PDCAサイクルをきちんと回していくことが求められます。当社でもGRANDITを競争力強化のためのツールとして活用していきたい」と語る永井氏。強力な情報基盤をベースに同社では、すでに次の経営の在り方を見据えている。
|