平成30年度(2018年)診療報酬改定!
入退院支援加算から見る医療・介護情報連携

平成30年度診療報酬改定(第3回)
2018年5月

執筆者:株式会社 Benett One(ベネットワン)
    代表取締役・診療放射線技師
    米山 正行(よねやま まさゆき)氏

名称変更?入退院支援加算

「入院早期から支援を行うことで退院に向けた問題の早期把握と退院後の療養へ向けて本人、家族の安心へ繋げる」ということへの評価として退院支援加算が前回改定で設定され、医療機関では退院調整という言葉を頻繁に耳にするようになりました。

今回の改定では名称変更という記載で入退院支援加算と変更されていますが、入退院支援加算の意義としては地域包括ケアへ繋げる大きな改定になったと思います。

そこで、今回は筆者が考える入退院支援加算の持つ重要な意義と、そこから考えられるシステム化のお話しをさせていただきます。

入退院支援加算算定要件

入退院支援加算の算定要件を確認してみます。

[算定対象]

  1. 自宅等(他の保険医療機関から転院する患者以外)から入院する予定入院患者であること。
  2. 入退院支援加算を算定する患者であること。

[施設基準]

  1. 入退院支援加算の届出を行っている保険医療機関であること。
  2. 入退院支援加算1、2又は3の施設基準で求める人員に加え、入院前支援を行う担当者を病床規模に応じた必要数、入退院支援部門に配置すること。
  3. 地域連携を行うにつき十分な体制が整備されていること。

[留意事項]

入院の予定が決まった患者に対し、入院中の治療や入院生活に係る計画に備え、入院前に以下の内容を含む支援を行い、入院中の看護や栄養管理等に係る療養支援の計画を立て、患者及び関係者と共有すること。

 (1)身体的・社会的・精神的背景を含めた患者情報の把握
 (2)褥瘡に関する危険因子の評価
 (3)栄養状態の評価
 (4)持参薬の確認
 (5)入院中に行われる治療・検査の説明
 (6)入院生活の説明
 (7)退院困難な要因の有無の評価

上記が入退院支援加算の算定要件となります。

入退院支援加算改定のもうひとつの意義とは

今改定では、退院支援加算から入退院支援加算へ名称の変更と書かれていますが、改めて内容(前項)を見てみますと、ただの名称変更ではないと思いました。

そのポイントは3つあります。

  • ポイントI:「算定対象」1自宅等…とあります。他の保険医療機関からの転院は算定対象にはなりません。あくまでも自宅もしくは介護施設からの予定入院ということになります。
  • ポイントII:「施設基準」2、3で筆者が注目しているのは「入退院支援部門に配置すること」「地域連携…体制が整備されていること」
  • ポイントIII:「留意事項」の内容。(1)~(4)は情報連携に関する事項、(5)~(7)は病院スタッフの活動内容となっています。

さて、これらのポイントから読み取れることはなんでしょうか。

ポイントIでは自宅等とあります。これは自宅と居宅系介護施設も入ると考えられます。ポイントIIに関しては入退院支援部門の設立、地域連携体制の整備と解釈いたしました。ポイントIIIでは特に(1)~(4)にある情報の出所は介護施設等になると考えます。

それらから考えるとやはり医療介護連携推進といった意義を感じます。国が推進している地域包括ケアシステム構築へ導くための一つ施策として入退院支援加算の改定は重要な意義があるのではないかと思いました。

医療機関独自で行なう医療・介護情報連携

入退院支援加算については、今までの退院支援加算での考え方と追加して地域包括ケアシステム構築の施策としての意義があるとお話をしました。

これらを踏まえ、医療機関独自で行なう「医療・介護」情報連携システム構築に際して、筆者の考えをお話しさせていただきます。

医療・介護情報連携システム構築に2つのパターンがあると考えます。

  • ケース1:医療機関で複数の訪問事業所や介護施設等を運営している場合
  • ケース2:訪問事業所や介護施設を持たない場合

上記ケースのシステム構築の違いとしては、医療機関が法人内で複数の訪問事業所や介護事業所を所有しているか否か。というところでシステム構築に違いがでます。

  • ケース1:医療法人が所有する施設が複数ある場合、同一法人内なので情報共有の範囲をある意味ゆるく設定することが可能となる、これは運用決定などでは大きなメリットとなります。
    このような法人では、連携システムを利用して介護施設との連携、医療施設では複数施設での電子カルテシステムの共同利用などが一番に考えられるシステム構築だと考えます。
  • ケース2:別法人の施設等と情報連携を行なう場合、どの範囲までの情報提供をするかということの検討が必要となります。これには多くの情報が欲しい介護側と、出す情報は必要最低限の情報までとしたい医療側との十分な打合せが必要になると考えます。
    こういったケースでは地域医療連携システムを利用し、医療機関のカルテ情報の一部を情報共有するシステムの構築が最適と考えます。

電子カルテと連携して訪問事業所、介護事業所との情報連携が可能となります。これは病院独自に介護施設との情報連携システム構築が可能という大きな流れを作るのではないかと考えております。

地域ぐるみでの情報連携をしたいと考えている医療機関にとっては朗報ではないかと考えます。

さらに、今回の診療報酬改定では算定要件の中に共有する患者情報が記載されているところがあります。それらを基に情報共有の範囲を検討することは「検討時間の短縮や共有情報の過不足をなくす」といった問題も解決するのではないかと考えます。

今後はそういったシステムを使用して情報連携を行なうこともひとつ有効な手段ではないかと思います。

入退院支援加算改定のもうひとつの意義とは

今改定では、退院支援加算から入退院支援加算へ名称の変更と書かれていますが、改めて内容(前項)を見てみますと、ただの名称変更ではないと思いました。

そのポイントは3つあります。

  • ポイントI:「算定対象」1自宅等…とあります。他の保険医療機関からの転院は算定対象にはなりません。あくまでも自宅もしくは介護施設からの予定入院ということになります。
  • ポイントII:「施設基準」2、3で筆者が注目しているのは「入退院支援部門に配置すること」「地域連携…体制が整備されていること」
  • ポイントIII:「留意事項」の内容。(1)~(4)は情報連携に関する事項、(5)~(7)は病院スタッフの活動内容となっています。

さて、これらのポイントから読み取れることはなんでしょうか。

ポイントIでは自宅等とあります。これは自宅と居宅系介護施設も入ると考えられます。ポイントIIに関しては入退院支援部門の設立、地域連携体制の整備と解釈いたしました。ポイントIIIでは特に(1)~(4)にある情報の出所は介護施設等になると考えます。

それらから考えるとやはり医療介護連携推進といった意義を感じます。国が推進している地域包括ケアシステム構築へ導くための一つ施策として入退院支援加算の改定は重要な意義があるのではないかと思いました。

最後に

今回は診療報酬改定でも何度となく出たキーワード「途切れのない支援提供」に係る評価「入退院支援加算」に注目しました。

退院支援加算から入退院支援加算へ改定となった意義、そこから今後必要となる「医療・介護」情報連携システム構築について、筆者の考えをお話しさせていただきました。

医療と介護での情報連携はまだまだ進んだとは言い切れない状況です。情報連携は利便性を含め患者様、医療者、介護者、また病院経営にとって様々なメリットがあると考えます。

「先を見た病院経営!」これが今後の医療経営、医療、介護の質の向上といったところでも重要だと考えます。

このような分野で先駆的な活動を行なうことなど、今後の医療機関経営戦略の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

こういったシステム構築について、私の考えが少しでもお役に立てればと思っております。最後までお読みいただきありがとうございました。

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