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“人の名前が出てこない”を改善する生活習慣

「久々に会った取引先のあの人、名前なんだっけ?」「ドラマに出てた俳優さん、顔はわかるけど名前が…」―――日常生活の中でよくあるシーンですね。もの忘れが多いと、年齢のせい?もしかして認知症の始まり?と不安に思うこともあるでしょう。単なるもの忘れと、認知症が心配な忘れ方にはどんな違いがあるのでしょうか。

記憶には、短期記憶と長期記憶がありますが、もの忘れなどで支障が出てくるのは短期記憶の方ですね。何かを(1)覚える、(2)記憶を保持する、(3)記憶を引き出す、という3つのプロセスが関わってきますが、老化などによるもの忘れだと(3)の部分でひっかかるわけです。つまり、何かヒントがあればまた思いだすことができます。しかし、認知症が疑われる場合は(3)だけでなく(1)や(2)にも問題がある状態となるので、短期的な記憶をまるごと忘れてしまうようになります。

こうした脳の症状は、脳の老化が原因であるといわれます。脳は年齢とともに萎縮し、脳を使わない生活をしている人ほど萎縮は進むと考えられています。認知症にも脳の老化は大きく関わっており、脳を働かせることが老化防止に大切なのです。

例えば、「手紙を書く」「計算をする」「料理をする」などは積極的に取り組むのがおすすめです。記憶や五感を使う作業は、脳がフル稼働するので、脳の活性化が期待できます。手先を使う作業も脳にはよいと知られていますね。ピアノや手芸、ガーデニング等もいいでしょう。パソコンやスマホの使い過ぎはあまりよくありませんが、新しい機器を使いこなすことも、脳の活性化につながるでしょう。

また最近、30代など若い世代でももの忘れで悩む人が多いと言われます。その原因といわれるのが、パソコンやスマホが原因の「脳疲労」「脳過労」です。

SNSやスマホゲームが花盛りの昨今、ちょっとした待ち時間などでもスマホの画面をのぞいてしまう人が多いですね。昨年の調査では、1日のうちスマホをのぞくのが2時間以上4時間未満である人が4割を超えています。

あまりに長時間スマホを使用するようになると、スマホから必要以上の情報が入ってくるためオーバーワーク状態となり、記憶をうまく引き出せなくなります。そのため、「仕事上でももの忘れがあり、うっかりミスが増えた」など支障が出ることもあるのです。この脳疲労を癒すには、少しでもぼんやり過ごす時間をもつことしかありません。ぼんやりと過ごせば脳は自然と情報を整理してくれるので、もの忘れも減り、気分も晴れてくるでしょう。

自分だけでなく、家族や同僚、友人が、脳のオーバーワークになっていないか、気を付けてみるといいかもしれませんね。もの忘れを減らして、スッキリとした気分で過ごしたいものです。