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使い方が2通り! 慣用句「目がない」とは

日本語には様々な慣用句があり、多くの人が日常生活で何気なく使っていますね。身近な慣用句の中に「目がない」というものがありますが、実は使い方によって2通りの意味になるのです。

その2通りの意味のうち、1つは「たまらなく好き」というもの。他のものには目がいかなくなるくらいに夢中である、という意味ですね。「私はモンブランには目がない」「課長はあの店の団子には目がないですね」という具合に使います。

ところが、もう1つの使い方は全く違って、ネガティブな意味で「見る目がない」という意味になります。「社長は人を見る目がないと思う」というと、社長はその人物を実態より過大に評価しているように思う、という意味になるわけです。

もし実際に見えない状態になったら…実態を把握することができないので、正常な判断ができない状態になりますね。つまり、「目」はその人の眼力(がんりき)、判断力の象徴として使われているのです。「目がない」という同じフレーズが全く別の意味になるわけですから、例えば

「彼は、本当に目がないんですよ」

こんな一文をメールで送ったとすると、どうでしょう。前後の文章によっては良い意味にも悪い意味にも捉えられてしまう恐れがあります。何に目がないのか、どういった意味で目がないのかが相手にもしっかり伝わるように、気を付けて書くべきですね。

同様に、「目」を使った慣用句は多く存在します。「目が高い」「目が届く」「目が曇る」「目が効く」「目がくらむ」「目が散る」「目が回る」…これらの中でも、「目が離せない」も2つの意味で使われることがあります。「彼女はあのアイドルから目が離せないから、なんだか目が離せない」というとややこしい文章ですが、意味はわかりますか?

慣用句はニュアンスが簡単に伝わりやすくて便利な反面、間違った使い方をすると全く別の意味になってしまいます。特にビジネス上のメールなどでは、不用意な表現で誤解を生まないように気を付けて他の言い回しにするなど、工夫をしたいものですね。