経営に役立つコラム

「マイナンバー制度」指南書 ~中堅企業が本当にすべきこと~

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第1回
人事・総務部は何をすべきか

野村総合研究所 未来創発センター制度戦略研究室長
梅屋 真一郎

マイナンバー法(「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」)が2013年5月に公布された。法の施行は2016年1月となっており、残された時間はあまりない。

マイナンバー制度とは、国民一人ひとりに、12桁(法人は13桁)の唯一のナンバーが割り振られ、例えば社会保障、税金などの申告、給付の際、当該ナンバーの提示などにより本人であることが確認され、円滑な事務継続が行われるというものである。行政の効率化、国民の利便性の向上など、非常に大きなメリットが期待されるマイナンバー制度であるが、企業の観点からは従業員やその家族、個人の支払先などのマイナンバーを収集・管理する事が必要となり、その負担は決して軽くない。また、マイナンバー制度は企業規模の大小に関わらず2016年1月以降は必ず対応が必要となる。企業としては、しっかりとした準備が必要となる。

マイナンバーは、まずは社会保障・税の分野から利用が開始される。企業は源泉徴収義務者ないしは社会保険に関わる各種手続きに従事する事からこれらの対象となる業務においてマイナンバーへの対応が必要となる。

具体的には、

  1. 社会保険や税などの各種報告が必要な対象者(従業員、その家族、個人の支払先など)からマイナンバーを提供いただく。その際に、本人確認を行う。
  2. 1.で取得したマイナンバーを適切に保管・管理を行う。
  3. 企業が作成を行う社会保険・税関係の書類の中でマイナンバーの記載が必要な書類に保管しているマイナンバーを記載して作成・報告を行う。
  4. 各種届など本人からマイナンバーを記載した書類を受領した場合には、都度本人確認を行う。(既にマイナンバー取得済みの場合には簡略化も可能)
  5. その他、マイナンバーの取扱いに関して適切な運用を行う。

などの業務対応を行う事になる。

番号取得から関連システムの構築まで対応は多岐にわたる

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例えば、人事・総務部が取り扱う

上記の様式にはいずれも個人番号・法人番号の記載欄が追加されており、人事・総務部は適切な業務対応を行わなければならない。

人事・総務部は、マイナンバー制度対応の中核となる部門である。しっかりとした対応が求められる。

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野村総合研究所 未来創発センター制度戦略研究室長
梅屋 真一郎(うめや・しんいちろう)

東京大学卒業後、野村総合研究所入社。システムサイエンス部配属の後、NRIアメリカ(ニューヨーク)、野村ローゼンバーグ(サンフランシスコ)出向。帰国後、金融関連本部にて活動。番号制度に関しては、企業実務の観点からの影響度分析などに従事し、関係省庁や関連団体などとの共同検討を実施。新戦略推進専門調査会マイナンバー等分科会構成員。

(監修:日経BPコンサルティング)