経営課題と解決へのヒント

今知っておきたい、経営課題と解決へのヒント 課題4

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人を活かし、人を育てる~一番大切な経営資源は何ですか?~

昨今、がんばる従業員を正当に評価するはずの成果主義が、目先の成績を気にして視野を狭くしたり、仕事を教えあう風土を弱めたりと弊害を生じさせています。また従業員が、生活環境の変化によってこれまでの勤務形態を続けられず悩むということもあるでしょう。
せっかく採用した人材が十分に能力を発揮できないのも、高い能力を持つ人材が退職してしまうのも、いずれも会社としては損失です。
「人材育成」は普遍的なテーマですが、最適解を見い出しにくいテーマでもあります。しかし、経営を取り巻く環境が大きく変化する今、抜本的改革を必要とする重要課題であることは間違いありません。

1.求める人材像を明確化する

人材育成・活用を効果的に行い経営力強化につなげるには、経営戦略や経営改革方針と同期を取ることが大切です。経営戦略を具体的な目標に落とし込み、その実現に向けて必要とされる人材像を明らかにします。
例えば、仕様があらかじめ定められた商品を受注生産している会社が、今後はオリジナル商品を開発・販売していく方向性を定めたのであれば、企画開発型人材や、新規顧客開拓に強い営業担当者などが必要になってきます。これに沿って一つひとつのスキルが具体的に浮かび上がってくるでしょう。
そして、現在の従業員がどんなスキルを持っているかを1人ずつ棚卸します。棚卸されたスキルと求めるスキルのギャップが、今後人材育成で力を入れるべき領域になるのです。
スキルの記録や育成計画を立てるにあたり、業務を支援するのが「人事システム」で、従業員一人ひとりのスキルの記録・人材最適配置の立案・育成指導計画・目標設定など、社内の人事関連業務をスムーズに進めることができます。

人材像の定義から育成への流れ

2. 育成方針をメニュー化する

人材育成の教育体系は、従業員の層(入社若年、中堅、管理職、幹部候補など)によって内容を変えるのが望ましいといえます。また、育成する分野を(1)生き方・働き方、(2)ビジネス基本スキル、(3)専門スキルの3つに分けて整理すると、体系が作りやすくなります。
従業員個人には、「輝きたい、スキルを上げて社会に貢献したい」など、それぞれが追求する幸福があります。一方、企業(組織)には組織目標があります。個人のスキルアップと組織目標をいかにマッチングさせるかが重要ポイントになります。
そのためにはまず、従業員が自らの「生き方・働き方」に対してしっかりとした考えを持てるようにします。その上で、社会貢献や自己実現を図るため、仕事の基盤となる「ビジネス基本スキル」、そして特定分野でプロフェッショナル性を発揮する「専門スキル」を磨いていきます。
上記を体系化して育成計画を立てた例を下図に示します。これらは全てを研修形式で実施する必要はなく、経営者が折りに触れて語りかけていく形も良いでしょう。

経営的視点から考える人材育成体系(例)

3.ワークスタイルを革新する

能力を活かしやすい職場とは、まず個人としての従業員がイキイキと働けるオフィスであることが挙げられます。
ペーパーレスで整理整頓されて働きやすい社内、eラーニングなど能力を伸ばせる学習支援、直行直帰や自宅作業によって仕事量を減らさずに自分の時間を確保できる働き方の実現。このようなオフィスなら、個々の能力が十分に発揮されるはずです。
次に、複数の従業員がその力を合わせ業務やプロジェクトを進めやすい環境作りを行います。資料や進捗状況などの情報が一元管理され安全に共有できたり、必要に応じてすぐにミーティングが実施できる職場。従業員の知恵が集まりテンポよく形になれば、ビジネスのスピードは加速するでしょう。
このような、人材を最大限に活かす職場環境のキーワードが「ワークスタイル革新」です。この実現にあたっては、フリーアドレス(座席を固定しない)のデスク配置や無線LANの利用、ペーパーレスオフィス、Web会議・テレビ会議システムなど各種ITツールが用いられます。一度にすべてを導入する必要はなく、できるところから段階的に進めていけばよいでしょう。ここでは、ポイントを4点紹介します。

ワークスタイル革新 4つのポイント


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