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PC活用講座 - Excel

「Excelの便利機能活用術」
グラフ作成の「書式設定」を簡略化する

ITライター 立山秀利

Excelでグラフを作成する機会は多い。その際、多くの手間を要するのがグラフの書式設定だ。今回は同じ書式のグラフを複数作成する場合に、書式設定を効率化するワザを紹介する。

グラフの書式のみをコピーする

Excelでグラフを作成する際、書式設定を行うケースがほとんどだ。系列の色など基本的な書式なら、グラフのスタイルを選ぶだけで済むが、軸の単位や目盛り線など、細かい書式は手作業で一つずつ設定して作り込む必要がある。そのように作り込んだ書式のグラフを、別の文書の別のグラフにも用いたい場合、細かい書式を手作業で設定していては大きな手間だ。

そこで、グラフの書式のみをコピーする機能を利用すれば、以前作成したグラフの書式のみをそのまま別のグラフに適用できるので、作業を大幅に効率化できる。

グラフの書式のみをコピーするために、グラフエリアやプロットエリア、軸の単位や目盛り線などを作り込んだグラフを用意した。

そして、元となるグラフを選択した後、[ホーム]タブの[コピー]をクリックする。

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次に、コピー先のグラフに切り替える。コピー先のグラフは、あらかじめ任意のスタイルで作成しておく。画面の例では、[挿入]タブの「グラフ」グループの[縦棒]→[集合縦棒]で作成した。加えて、グラフのサイズと位置はコピーできないので、あらかじめサイズと位置を調節しておく。

コピー先のグラフを選択した状態で、[ホーム]タブの[貼り付け]の[▼]をクリックし、[形式を選択して貼り付け]をクリックする。

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「形式を選択して貼り付け」ダイアログボックスが表示されるので、[書式]をオンにして[OK]をクリックする。

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これでグラフの書式のみのコピーを行うことができた。

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グラフをテンプレートとして保存

また、何度も用いるようなグラフの書式があれば、テンプレートとして保存しておくとよい。テンプレートを選ぶだけで、その書式のグラフを作成できるようになる。

テンプレートとして保存するには、目的のグラフを選択した状態で、[グラフツール][デザイン]タブの[テンプレートとして保存]をクリックする。

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そうすると、「グラフテンプレートの保存」ダイアログボックスが表示される。「ファイル名」に任意の名前を入力し、[保存]をクリックする。保存場所は標準のままでよい。

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これでグラフのテンプレートとして保存できた。この書式でグラフを新規作成するには、目的のデータのセルを選択した状態で、[挿入]タブの[その他のグラフ]→[すべてのグラフの種類]をクリックする。

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「グラフの挿入」ダイアログボックスが表示される。[テンプレート]をクリックすると、保存したテンプレートが一覧表示されるので、選択を行い[OK]をクリックする。

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テンプレートの書式でグラフが新規作成される。後はグラフのサイズと位置を調整すればよい。なお、グラフのタイトルや表示単位など、一部の要素は改めて入力・設定する必要がある。

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このようにExcelの書式のコピーおよび貼り付け機能を利用すれば、グラフの書式設定を効率化できるだろう。

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立山秀利(たてやま・ひでとし)

カーナビのソフトウェア開発、Webプロデュース業務を経て、現在は、システムやネットワーク、Microsoft Officeを中心に執筆中。 主な著書に『Excel VBAのプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本』などがある。

(監修:日経BPコンサルティング)