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PC活用講座 - Excel

「Excelの便利機能活用術」
こんなワザもあったの?
知る人ぞ知る便利なショートカットキー集【第3回】

ITライター 立山秀利

データのコピーや表の書式設定をはじめ、セル範囲を選択する機会は多い。その際に知っておくといいのが、一度選択したセル範囲を拡大・縮小するワザだ。今回はそのような場合に便利なショートカットキーを紹介する。

一度選択したセル範囲を拡大・縮小する([Shift]+矢印キー)

セル範囲の選択操作で知っておきたいワザが、一度選択したセル範囲を拡大・縮小するショートカットキー[Shift]+矢印キーだ。例えば図1のような表がA1~C8セルにあるとする。ここで8行目の合計欄を除いたセル範囲であるA1~C7セルを選択したいとする。効率よく選択するには、まずは[Ctrl]+[Shift]+[*]キーによって、表のすべて(A1~C8セル)を選択する。

図

図1

そして、ショートカットキー[Shift]+[↑]を押す。すると、現在選択しているセル範囲の下端が1行分上に縮小され、目的のセル範囲であるA1~C7セルが選択できる(図2)。

図

図2

複数行分選択範囲を縮小したい場合は、[Shift]+[↑]を押すたびに、1行分ずつ選択範囲が縮小されていく。

逆に選択範囲を行方向に拡大するには、ショートカットキー[Shift]+[↓]を押せばよい。例えば図2の状態で[Shift]+[↓]を押すと、選択範囲の下端が1行分下に拡張され、A1~C8セルが選択される。

また、選択範囲を列方向(横方向)に拡大・縮小することも可能だ。[Shift]+[→]キーを押すと、選択範囲の右端が右方向に1列分拡大される。[Shift]+[←]キーを押すと、逆に選択範囲の右端が左方向に1行分縮小される。

選択範囲の上端や左端を拡大・縮小するには([Shift]+矢印キー)

先ほど紹介した例で拡大・縮小できるのは、選択範囲の下端または右端だけだ。それだけでなく、上端や左端を拡大・縮小したいケースも多い。

選択範囲の上端や左端を拡大・縮小するには、「アクティブセル」を移動してから、[Shift]+矢印キーを押せばよい。アクティブセルとは、現在操作対象になっているセルのことであり、セル範囲を選択した際、選択範囲の中で1つだけ白くなっているセルが該当する。例えば、図1ならアクティブセルはA1セルだ。

[Shift]+矢印キーで選択範囲の上端や左端を拡大・縮小するには、このアクティブセルを先に移動しておく。上端を拡大・縮小したい場合は、選択範囲の一番下の行にアクティブセルを移動しておく(列は任意で構わない)。左端を拡大・縮小したければ、選択範囲の一番右の列にアクティブセルを移動しておく(行は任意で構わない)。

アクティブセルの移動は以下のショートカットキーで行う。

・上 [Shift]+[Enter]キー
・下 [Enter]キー
・左 [Shift]+[Tab]キー  (注)
・右 [Tab]キー  (注)

(注)  上の移動は、Excelのオプションの詳細設定で「Enterキーを押したら、セルを移動する」の箇所で「下」を設定している場合

例えば図1の状態から選択範囲の上端を1行縮小して、A2~C8セルを選択したいとする。その場合、まずは[Enter]キーを7回押して、アクティブセルを選択範囲の一番下の行である8行目のA8セルに移動する(アクティブセルは選択範囲の一番下の行なら、どの列のセルでも構わない)。

図

図3

そして、[Shift]+[↓]を押せば、選択範囲の上端が1行分縮小され、A2~C8セルを選択できる。

図

図4

アクティブセルがA8セルの状態で、[Shift]+[↑]を押せば、選択範囲の上端が1行分拡大される。

左端を拡大・縮小したければ、[Tab」キーを2回押して、アクティブセルを選択範囲の一番右の列であるC列のセルに移動したのち、[Shift]+[→]で左端を縮小(図5)、[Shift]+[←]で左端を拡大できる。

図

図5

なお、アクティブセルは選択範囲の左上のセルにある状態で、[Shift]+[Tab」キーを押すと右下に一気移動できる。また、例えば今回の表でアクティブセルがB8セルにある状態で、[Enter]キーを押すとC1セルに移動できるなど、他のパターンでも端から端へ一気に移動できる。

このように[Shift]+矢印キーを活用すれば、セル範囲を効率よく選択できるようになる。

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立山秀利(たてやま・ひでとし)

カーナビのソフトウェア開発、Webプロデュース業務を経て、現在は、システムやネットワーク、Microsoft Officeを中心に執筆中。 主な著書に『Excel VBAのプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本』などがある。

(監修:日経BPコンサルティング)