最新のクラウドサービスへ快適に接続!Clovernetで実現するクラウド接続構成

働き方改革などによってテレワークを採用する企業が増えてきた近年では、さまざまな場所からインターネットを経由した通信が行われるようになりました。その結果、通信のトラフィックが増え、ネットワーク回線の遅延が起こりやすくなっています。

この記事では、このような課題を解決するためにどのような施策を講じるべきか、解説していきます。

目次

ネットワーク遅延が起きる要因

まずは、ネットワークの遅延が発生してしまう要因として考えられる事項をいくつか紹介します。

Microsoft 365やZoomの利用頻度が増えた

冒頭でも触れましたが、コロナ禍や働き方改革によりリモートワークを取り入れる企業が増えたことは、ネットワーク遅延が頻発する大きな要因となっています。

従来、商談や社内での会議は、対面によって打ち合わせスペースや会議室で行われてきました。しかし、Microsoft 365やZoomなどを利用したリモート会議がメインとなったことで、全国的にネットワークのトラフィックが混雑し、遅延が発生しているのです。

例えば、下図のようにプロキシサーバー(直接ネットに接続せず、Webサイトへのアクセスを代理して行うサーバー)を経由するネットワーク形態の場合、一つのプロキシサーバーへ何台ものパソコンが接続されることが多いため、セッション数が限界を超えてしまい通信速度が遅くなってしまいます。

Microsoft 365の導入でネットワークが遅くなる要因

また、送受信されるデータ量が増えたことも、ネットワーク遅延の要因と考えられます。サーバーから送信されてくる伝送データは、契約しているサーバーの上限の値次第で通信速度に影響を及ぼします。潤沢な上限値で契約しているケースではあまり遅延は発生しませんが、それだけコストがかかるため、業務に滞りがないラインを見極めて契約することが一般的です。

NTT網の輻輳の影響を受けてしまう

「輻輳」とは、通信環境において一度に多くのアクセスが集中して混み合っている状態を指します。

例えば、定期的に実施されるWindows Updateでは、大勢のユーザーが同じタイミングで多くのデータをダウンロードします。するとインターネット回線へのアクセス(トラフィック)が集中し、NTT網が渋滞(輻輳)するため、ネットワーク遅延を起こすことがあるのです。

NTT網の輻輳の影響を受けてしまう

図のように、NTTのフレッツ網はキャリアのVPNサービスにおけるアクセス回線や、インターネットサービスプロバイダー(ISP)として使用されています。

ISPやキャリアとフレッツ網との接続は都道府県ごとに行われ、接続方式はIPv4 PPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet)とIPv6 IPoE(IP over Ethernet)の2つの方式があります。ISPごと・キャリアごとにフレッツ網のPPPoE網終端装置は分かれており、インターネットを経由してキャリアの網終端装置へWindows Updateのトラフィックが直接流れ込んでくることはありません。

しかし、キャリアの網終端装置には、Windows Updateのトラフィックが企業のデータセンターなどを経由して集中するため、輻輳が発生します。このような要因によって、ネットワーク遅延が起きるのです。

クラウドの利用が増えたことでWAN回線への負担がかかる

社内の基幹システムや業務システムをクラウド化する企業が増えたことで、WAN回線に負担がかかり、ネットワーク遅延を引き起こすこともあります。企業のネットワーク構成はセキュリティを確保するため、インターネットへ接続する際はProxyサーバーを経由させるケースが一般的です。

しかし、クラウドを利用する企業が増えたことにより、これまで一般的だった構成がネットワーク遅延を起こす要因となっているのです。特にMicrosoft 365を導入した企業は、そのケースが顕著に当てはまります。

一般的なインターネット接続

Microsoft 365の運用を開始すると、それまでとは比較にならない規模のセッション数へと跳ね上がり、Proxyサーバーの処理能力を超えてしまうケースが多くなりました。これは、ユーザーがアプリケーションを利用する際、大多数のセッションが張られることになるため、Proxyサーバーを経由する構成では避けられない現象です。

対策としてProxyサーバーのキャパシティを増強すればよいのですが、多大なコストがかかるため、この手法を選択する企業はあまり存在しません。

クラウド接続構成の見直しでネットワークが遅い事態を改善

ネットワークに遅延が発生した際、クラウドへの接続構成を見直すことが有効です。

逃がしたい通信だけをローカルブレイクアウトできる

ローカルブレイクアウト(Local Break Out:LBO)とは、特定のクラウドサービスへの通信のみを、各拠点から直接アクセスできるように許可する運用です。クラウドサービスの利用が増えるなか、基幹システムなど重要なシステムへの通信を遅延させないための対策になります。

インターネットを含むネットワーク構成

複数の拠点を持つ大企業では、拠点間をVPNで結び、通信ログの監視などセキュリティ対策をセンター拠点においてゲートウェイ(Firewallなど)に集約させます。社外へのアクセスをひとまとめにすることで、管理者の負担軽減や、コスト削減になっていました。しかし、VPNを含めたこちらの構成は、すべての社員が快適にサーバーへアクセスできることが前提です。

クラウドファーストの考えが広がっている現代において、これまでの前提がくつがえり、ローカルブレイクアウトを活用する企業が増えています。

IPv4をIPv6でカプセル化して通信できる

IPv4で構成されたネットワークにおいて、IPv6でカプセル化して通信することで、輻輳問題を回避して快適に通信できるようになります。

IPv4は従来型のインターネット通信規格ですが、長く使用された規格のため、さまざまな問題を抱えています。それらの問題を解決するのが、IPv4の後継となるIPv6です。

近年、IPv4で構成されたネットワークを活用している企業は、依然として多く存在します。しかしトンネリング技術を活用することで、本来IPv6ネットワークでは通信できないIPv4パケットをIPv6パケットとして通信できるようになるのです。

フレッツ光によるインターネット接続の仕組み

送信されたIPv4パケットは、トンネルの入り口でIPv6パケットへカプセル化されます。IPv6ネットワークを通ってトンネルの出口に達したパケットは、カプセル化が自動で解除され、IPv4パケットとして目的の端末へ到達します。 このようにIPv6で構築されたネットワークを活用することで、輻輳の課題を緩和した快適なクラウド環境を構築できるのです。

Clovernetを導入して最新のクラウドへ快適に接続しよう

Clovernetを導入して最新のクラウドへ快適に接続しよう
画像引用元:Clovernet

Clovernet(クローバーネット)は、低コストかつ高速な企業の拠点間通信(WAN)です。柔軟なネットワーク設計が可能で、以下のようなメリットがあります。

IPv6の活用により、従来のIPv4の輻輳の課題を解消し、ネットワークの遅延を改善します。また、Microsoft 365やzoomの通信をローカルブレイクアウトさせることで、さらに快適なネットワーク接続ができるようになります。モバイルやテレワークだけでなく、海外拠点からもリモートアクセス機能によって接続が可能なため、どこからでもシステムへアクセスが可能です。

導入に必要な機器は無償で譲渡、またゼロコンフィグのためサービスアダプタを回線に接続するだけで、自動的に設定情報を取得してネットワーク構築が可能です。