AI翻訳(機械翻訳)とは?仕組みやメリット、デメリットを解説

AI翻訳(機械翻訳)とは?仕組みやメリット、デメリットを解説

AI翻訳(機械翻訳)とは、AI(人工知能)を活用して日本語や英語などの言語を別の言語に翻訳する技術・サービスのことです。AI翻訳(機械翻訳)の活用を検討している企業担当者のなかには、「AI翻訳(機械翻訳)の仕組みやメリット、デメリットなどを知っておきたい」という方も多いのではないでしょうか。

本記事では、AI翻訳(機械翻訳)の仕組みやメリット、デメリット、ビジネスにおける活用方法について解説します。

目次

AI翻訳(機械翻訳)とは

AI翻訳(機械翻訳)とは、ある言語(日本語や英語など)で記載された文章や入力された音声を、AI(人工知能)を使って別の言語に自動翻訳する技術やサービスを指します。もともとは自動翻訳や機械翻訳と呼ばれることが一般的でしたが、近年では翻訳にAI(人工知能)を活用するケースが増えているため、AI翻訳と呼ばれることも多くなりました。

たとえば、Google翻訳などは誰でも簡単に使えるAI翻訳サービスの一例です。ユーザーがWebブラウザ上で任意の日本語などを入力するだけで、AIが即座に文章を日本語から英語などへ翻訳してくれます。

AI翻訳(機械翻訳)の仕組み

AI翻訳(機械翻訳)の仕組みは、大きく以下の3種類に分かれます。

種類 特徴
ルールベース型 文法ルールや単語辞書に基づき、機械的な文章の翻訳を行う
統計ベース型 文章全体のニュアンスをくみ取りながら意訳的な翻訳を行う
ニューラルネットワーク型 ディープラーニング技術を用いて、学習を続けながら翻訳精度を向上させていく

仕組みによって機械的な翻訳・意訳的な翻訳などの違いがあるため、それぞれの種類のおおまなか違いを押さえておくとよいでしょう。

ルールベース型

ルールベース型は「直訳タイプ」とも呼ばれ、文法ルールや単語辞書に基づいて機械的に文章を翻訳する仕組みです。ルールベース型の主な特徴は、あらかじめ定義した文法ルールや単語辞書に沿って機械的に単語を切り分け、訳語に変換したうえで、訳語を並べ替える点であるといえます。

ルールベース型の大きなメリットは、AIの学習データが少なくても精度に影響なく翻訳ができる点です。一方、口語や慣用的な文章の翻訳は得意ではない点、専門家の協力を得ながら単語辞書の追加・更新が必要となる点はデメリットとなります。

ルールベース型は、意訳を含まない専門的な文章の翻訳を行いたい場面などに適した仕組みであるといえるでしょう。

統計ベース型

一方で統計ベース型は「意訳タイプ」とも呼ばれ、文章全体のニュアンスをくみ取りながら翻訳を行う仕組みです。ルールベース型とは対照的に、口語表現や慣用的な表現を考慮できる点が特徴となります。

そのため、統計ベース型の大きなメリットは、人が翻訳するときのような自然な翻訳ができる点であるといえるでしょう。ただし、自然な翻訳を行うためには、十分な学習データをAIにインプットしなければならない点はデメリットです。

統計ベース型は、意訳的な文章での翻訳を重視したい場合に適した仕組みであるといえます。

ニューラルネットワーク型

ニューラルネットワーク型は、ディープラーニング技術を用いたAI翻訳の仕組みであり、ルールベース型や統計ベース型よりも新しい翻訳手法です。

ニューラルネットワーク型の特徴は、人間の脳神経の細胞活動をモデルとしている点であり、学習を続けながら翻訳精度を向上できます。学習データを蓄積していくにつれて、高精度かつ自然な翻訳を実現できるでしょう。しかし、高い精度を得るためには膨大な学習データのインプットが必要となる点や、モデルが複雑なことから不具合時の原因調査や対処が難しい点はデメリットであるといえます。

ニューラルネットワーク型は、継続的に利用しながら翻訳精度を高めていきたい場合におすすめの仕組みです。

AI翻訳(機械翻訳)のメリット

ここでは、AI翻訳(機械翻訳)のメリットについて解説します。主なメリットは以下のとおりです。

  • 翻訳のクオリティを担保できる
  • いつでも短時間で翻訳が可能になる
  • コストを削減できる

AI翻訳(機械翻訳)を利用することで、翻訳の品質・スピード・コストのいずれの面においてもメリットが期待できます。

翻訳のクオリティを担保できる

AI翻訳(機械翻訳)を使うことで、翻訳のクオリティの担保が可能です。AI翻訳(機械翻訳)は、一定のルールに沿って翻訳を行うため、出力される翻訳文や翻訳音声のクオリティがバラバラになることは基本的にありません。たとえば、「部署内に英語の翻訳が得意な担当者がいない」というような状況でも、AI翻訳(機械翻訳)を使えば一定品質の翻訳を行えます。

AI翻訳(機械翻訳)を利用することで、担当者の語学力や翻訳スキルに依存せず、安定的なクオリティの翻訳を実現することが可能です。

いつでも短時間で翻訳が可能になる

いつでも短時間で翻訳ができる点もメリットです。AI翻訳(機械翻訳)は時間や場所を問わずいつでも利用できるため、翻訳者に依頼する場合とは異なり、ユーザーが好きなタイミングで翻訳を行えます。また、基本的に数秒程度あれば翻訳ができるため、短時間で翻訳文や翻訳音声を得られる点もメリットです。

タイミングを問わずスピーディーに翻訳できる点は、AI翻訳(機械翻訳)ならではのメリットであるといえるでしょう。

コストを削減できる

AI翻訳(機械翻訳)を使えば、コスト削減にもつながります。AI翻訳(機械翻訳)は、無料または安価なサービスである場合が多く、専門の翻訳者に依頼する場合と比べて大幅なコスト削減が可能です。

翻訳にかかるコストを削減することで、企業や部署の利益率を改善したり、別の事業やプロジェクトへの投資に予算を回したりできるようになるでしょう。

AI翻訳(機械翻訳)のデメリット

一方でAI翻訳(機械翻訳)のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 表現によっては正確に翻訳ができないことがある
  • 文化的背景などを考慮した翻訳にはなりにくい
  • 人による確認作業が必要になる
  • セキュリティリスクを考慮した製品選択が必要

AI翻訳(機械翻訳)では100%正しい結果が返ってくるとは限らないため、AI翻訳(機械翻訳)を使う場合でも人による確認作業などは必要です。

表現によっては正確に翻訳ができないことがある

AI翻訳(機械翻訳)では、表現によって正確に翻訳できないことがある点がデメリットです。正確に翻訳するためには、正しい文法で話す必要がありますが、日常会話で口語的に使われる表現などは正しく翻訳できない可能性があります。正しく翻訳されない場合は、言い換えや表現の変更などを行いながら、AI翻訳(機械翻訳)への入力作業と結果確認を何回か繰り返す必要があります。

文化的背景などを考慮した翻訳にはなりにくい

AI翻訳(機械翻訳)では、文化的背景などを考慮した翻訳は難しい点もデメリットです。AI翻訳(機械翻訳)は入力文や入力音声にしたがって自動的に翻訳を行うことは可能ですが、国や地域による文化的なニュアンスの違いまでを翻訳結果に反映することは困難であるといえます。

文化的背景まで考慮した翻訳を行いたい場合は、AI翻訳(機械翻訳)を使う前後で担当者によるニュアンス調整が求められるでしょう。

人による確認作業が必要になる

AI翻訳(機械翻訳)を使う場合でも、人による確認作業は必要です。AI翻訳(機械翻訳)の精度は向上してきているものの、100%正しい結果が返ってくる保証はありません。また、前述のような文化的背景の違いなども考慮するためには、AI翻訳(機械翻訳)が出力した結果を人が確認する工程は不可欠であるといえます。

AI翻訳(機械翻訳)の結果を資料やプレゼンに利用する場合は、事前にしっかりと担当者チェックを挟むようにしましょう。

セキュリティリスクを考慮した製品選択が必要

AI翻訳には個人向けサービスと法人向けサービスがあります。個人向けサービスは翻訳エンジンの精度向上のために翻訳データを二次利用している場合があり、サービスを利用することで社内の機密情報等が漏えいしてしまう可能性があります。

一方、法人向けのAI翻訳では翻訳データを保持せず二次利用も行わないようセキュリティ対策が施されているサービスも多いため、ビジネスで利用する場合にも安心して利用することができます。

このように、利用シーンや扱う翻訳データの内容によってセキュリティリスクを考慮した上で、適切な製品選択を行うようにしましょう。

ビジネスにおけるAI翻訳(機械翻訳)の活用方法

ここでは、ビジネスにおけるAI翻訳(機械翻訳)の活用事例を紹介します。

ビジネスにおいて、AI翻訳(機械翻訳)サービスはWeb会議や対面の研修、外国語のウェビナー翻訳、窓口での接客といったさまざまなシーンで活用されています。

たとえばWeb会議でのコミュニケーションにおいては、海外支社とスムーズに会話したいというニーズも少なくないでしょう。AI翻訳(機械翻訳)サービスを使えば、海外支社にいる外国人社員との1対1でのコミュニケーションや複数人でのコミュニケーションの場でも簡単に会話内容の音声翻訳が行えます。

AI翻訳(機械翻訳)ならClovernet 多言語対訳支援サービスがおすすめ

Clovernet 多言語対訳支援サービス
画像引用元:Clovernet 多言語対訳支援サービス

AI翻訳(機械翻訳)サービスを検討している企業担当者のなかには、「どのAI翻訳(機械翻訳)サービスが良いのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。AI翻訳(機械翻訳)サービスをお探しの際は、NECネクサソリューションズが提供する「Clovernet 多言語対訳支援サービス」がおすすめです。

「Clovernet 多言語対訳支援サービス」は、異なる言語の会話音声をリアルタイムでそれぞれの言語に翻訳し、テキスト表示を行えるサービスです。グローバルなビジネスシーンでのWeb会議や対面の研修など、さまざまな場面で言語や場所に縛られない円滑なコミュニケーションをサポートできます。

AI翻訳(機械翻訳)にはさまざまなサービスがありますが、そのなかでも「Clovernet 多言語対訳支援サービス」は以下のような特長を持っています。

  • 合計利用時間に応じた料金プラン(月額25,000円~)で、ユーザー数制限なし
  • IDやパスワードなどによるログインが不要で、簡単に利用を開始できる
  • 専用端末が不要で、お持ちのPC/iPadで利用可能
  • 翻訳データや会話ログは保存せず、二次利用もしないため安心のセキュリティ

参照:https://www.nec-nexs.com/service/lp/clovernet_mtss/

まとめ

AI翻訳(機械翻訳)は、AI(人工知能)を使ってある言語の文章や音声を別の言語に自動翻訳する技術・サービスのことです。AI翻訳(機械翻訳)を使うことで、翻訳クオリティの安定化やスピーディーな翻訳、翻訳コストの削減などを実現できます。

一方で、AI翻訳(機械翻訳)の精度は完璧ではない点、国・地域ごとのニュアンスの差異までは反映しきれない点、セキュリティリスクを考慮した製品選定が必要な点などに注意が必要です。そのため、人による確認作業や入力する情報の見極めは不可欠となります。

ライター名:maniho

経歴:SIerおよびメーカーの情報システム部門でシステム開発や運用の実務経験を積み、現在はIT分野のWebライターとして独立。IT・DX・Webマーケティングなどのテーマを中心に多数の記事やコラムを執筆。保有資格:ITストラテジスト、プロジェクトマネージャ、応用情報技術者など。

NECネクサソリューションズでは、AI翻訳サービス「Clovernet 多言語対訳支援サービス」を提供しています。「Clovernet 多言語対訳支援サービス」では、海外とのWeb会議などにおいてAIを活用したリアルタイム翻訳が可能です。海外拠点とのWeb会議などのコミュニケーション機会が多く、言語の壁に課題を抱える企業にとって特におすすめできるサービスとなります。異なる言語が飛び交う会議などでもスムーズにコミュニケーションが取れ、さらなるグローバルビジネスの加速を実現できるでしょう。

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