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経営力を強化する[会計・経理部門向け]
改めて経営の見える化を考える(第1回)

経営の見える化を複眼的に考える

2016年12月

はじめに

経営環境が目まぐるしく変わる中、企業又は企業グループは経営環境の変化に臨機応変に対応する必要がある。

その為、企業又は企業グループは、様々な施策(持株会社制度の活用、グローバル対応、サプライチェーンの見直し、M&A、各種拠点(支店・工場・店舗等)のスクラップ&ビルド、業務プロセスの改善 等)を実施し、経営環境の変化に対応しようとしている。

当該施策を立案・実施する上で欠かせないのが「経営の見える化」である。経営状況(課題等)が定量的・定性的に把握できていないと、経営環境の変化への対応は後手となり、企業経営に重大な影響を及ぼしかねないからである。

ここで言う「経営の見える化」とは、単に単体レベルの財務会計を基礎に財務分析するだけではない。企業グループの観点や企業又は企業グループが遂行する個々の事業の観点について、経営状況をより深く複眼的に分析・点検できるようにする事である。

そして、分析・点検した経営状況から経営上の改善点を示し、行動に移す事である。

具体的には、企業グループ内の複数企業によって、ある事業が実施されている場合(海外生産子会社によって生産された製品を親会社が日本国内で販売等)には、親会社・子会社単体での経営の見える化に留まるのではなく、連結会計・セグメント会計の着想が重要である。

又、親会社が持株会社で傘下に複数の事業会社を配置している場合にも、連結会計・セグメント会計の着想が重要である。

さらには、企業グループを構成していなくとも、1企業内で複数セグメントの事業を実施している場合(不動産事業と小売事業を実施する等)には、単に企業全体での経営の分析・点検だけではなく、個々の事業(セグメント)での経営の分析・点検が欠かせない。

こうした経営の分析・点検を通じ、業務プロセスの改善等に移していくのである。

今回のコラムは3回シリーズでの掲載を予定している。

第一回目は「経営の見える化」の概論をお伝えし、第二回目は、連結会計を意識した「グループ会計」を「経営の見える化」の観点から、第三回目はセグメント会計を意識した「事業の見える化」を「経営の見える化」の観点から考察する。

尚、連結会計、セグメント会計と言っても、制度会計そのものの話ではなく、「経営の見える化」の視点での管理会計的な内容をお伝えする。

[図]事業遂行形態(例)図1.事業遂行形態(例)

1. 「経営の見える化」の概論

「経営の見える化」とは、企業活動における前提・業績目標・業績結果・課題等の情報を常に目に見える形にしておく事である。

そして、「経営の見える化」にまつわる情報には、定性情報と定量情報があると考える。

定性情報としては、ビジネスモデル、サプライチェーン、業務プロセス、経営上・業務上の課題、ニーズ等の情報が考えられる。

定量情報としては、財務データ・非財務データ(従業員数・平均年齢等)が考えられる。
データの範囲を考慮すれば、企業グループの視点からの連結データ、企業グループ又は企業全体からではなく個々の事業の視点からのセグメントデータが考えられ、業績目標・業績結果の情報等も考えられる。

これらの「経営の見える化」の活動を通じ得られた情報を元に業績の評価等を実施し、経営の改善・行動計画を立案し、実際に行動していくのである。

すなわち、図2に示したように、「経営の見える化」を広義に捉えると、PLAN-DO-SEEのサイクルとも言える。

尚、本コラムでの「経営の見える化」の検討は、定量情報の視点を中心に行いたいと考えている。

[図]「経営の見える化」の概念図図2.「経営の見える化」の概念図

2. 「経営の見える化」とシステム

「経営の見える化」にはシステムの活用(自動化)がある程度欠かせないと考える。

企業又は企業グループにより千差万別であろうが、「経営の見える化」を、表計算ソフト等をフル活用し人海戦術で行っているところも多いのでないかと想像する。

経営環境が目まぐるしく変わる中、企業又は企業グループは経営環境の変化に臨機応変に対応する必要がある。人海戦術には限界があるのではなかろうか。

ただ、「経営の見える化」の全てをシステムで実現しようとするのも合理的でないと思われる。費用対効果も考える必要がある為である。

肝要なのは、企業又は企業グループの実情に合わせた「経営の見える化」に対する取り組みだと考える。

「経営の見える化」をシステム化する場合、既存システムに蓄積されていないデータを活用したい場合もある。こうした場合には、既存システムの再構築・改造が必要になる事もある。

又、「経営の見える化」の検討において、どの順でシステム化するかの検討も重要である。「経営の見える化」の要件を決定する前に、現場レベルのシステムを構築した場合には、「経営の見える化」に必要なデータが現場レベルのシステムから入力されず、別途システムへの入力等を検討する必要が生じる。

「経営の見える化」の要件を明確にする事、すなわち、目的を明確にする事が重要であり、「経営の見える化」の結果得られた情報を元に、個別具体的な行動に移す事ができる事が重要と考えられる。さらには、月次決算の早期化も重要なテーマになるとも考える。

[図]「経営の見える化」とシステム図3.「経営の見える化」とシステム

3. 「経営の見える化」と「グループ会計」・「事業の見える化」の関係

前述した通り、今回検討する「経営の見える化」は、単に単体レベルの財務会計を基礎に財務分析するだけではなく、企業グループの観点や企業又は企業グループが遂行する個々の事業の観点について、経営状況をより深く複眼的に分析・点検できるようにする事が肝要と考える。

その為には、連結会計・セグメント会計の視点が欠かせない。すなわち、「経営の見える化」を支える手段の一つが「グループ会計」であり、「事業の見える化」である。

[図]「経営の見える化」と「グループ会計」等との関係図4.「経営の見える化」と「グループ会計」等との関係

終わりに

今回は「経営の見える化」コラムの第一回目として、「経営の見える化」の概論をお伝えした。
次回は、連結会計を意識した「グループ会計」を「経営の見える化」の観点から考察したい。

改めて経営の見える化を考える

筆者プロフィール

淺海 克人(あさうみ かつひと)

淺海 克人(あさうみ かつひと)

公認会計士・税理士。
NECにて主に民需系の情報システムの販売・構築に携わる。
NEC退社後、公認会計士試験に合格、監査法人に入所。
監査法人にて会計監査、内部統制監査、IT監査などに従事し、その後、監査法人を退所。 現在、ウティルコンサルティングを立ち上げ、会計監査、上場支援、事業計画作成支援、セミナー講師等で活動中。

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