営業支援システム「eセールスマネージャー Remix Cloud」
コラム「営業革新!~売れる仕組みをつくる」
“結果よければ良し”の時代は過去へ
汗と体力が結果を生んだ良き時代
営業は企業の骨格。結果がすなわち業績となる重要な職務です。
しかしながら、「思ったように売れない」「人員は削減されたのに、求められる目標数字は上向きのまま」といった苦悩の声が、業種を問わず方々から聞こえてきます。
かつて営業の原点といえば“足で稼ぐ”でした。電話本数や訪問件数をとにかく増やせば、自ずと成約件数も増すという考え方。確かにそんな汗と体力、根気によってモノが売れたものです。営業はノルマがすべてであり、月々の業績にムラがあっても決算期に帳尻が合えば良し、そこに至るプロセスは問わない風潮。偶然であれ特大ホームランを打てば会社は喜び、同僚や部下は羨望のまなざしを送ってくれたものでした。
担当者の異動ですべてが泡に
また、タイミングよく「欲しい」の現場に巡り会えることを祈りつつ、用事がなくても頻繁に顧客のもとに顔を出す御用聞きの営業も正攻法の一つでした。とにかく担当者との信頼関係を築くこと。相手も人であり、仲が良くなるにつれ仕事があれば気にかけ、できることがあれば手助けしてあげたくなるのが人情です。
反面、顧客先と自社どちらかの担当が替わる度に引継ぎがうまくいかず関係が一度リセットされる、あるいはそれまでの経緯が不明瞭になる場合も多々ありました。
こうした属人化した顧客管理、帳尻合わせの営業スタイルは時として転職に伴う顧客持ち去りやクレーム隠しなどを招き、会社の頭痛の種となることもありました。
かつての成功体験はもう通じない
しかしご周知の通り、"売れない時代"といわれて久しい昨今です。そんな中では過去の成功体験は、もはや泡沫。顧客の財布のヒモは依然として固く、個人情報や機密情報の保護の観点からアポのない訪問は敬遠され、かつてのような営業スタイルでは商機は減るばかりです。
経営予測の立てられない職人芸や個人プレー中心の工房型営業から、組織で効率良く売上を追求する工場体制へのシフトが急務となっています。度重なる企業の統廃合や少子化によるマーケット縮小、ノウハウのあるベテランの大量退職の兆しはとどまりません。
今まさに会社存続をかけたサバイバルの渦中にいるのです。
これからを生き抜く「強い営業」とは
営業には勝ち/負けのパターンが存在する
「製品機能や価格は大差ないのに、競合に負けた」そんな経験を多くの方がされたことでしょう。業種や扱う商品・サービスの差はありますが、営業の世界にはある種の勝ちパターンが存在します。
たとえば、社内で商品知識は互角であっても、コンスタントに売上を伸ばす担当営業と、顧客のもとへ足しげく通い信頼こそ得ているものの成果に結びつかない担当営業とが生まれます。なぜ結果に差が出てしまうのでしょうか。それは、言わば「勝ちパターン」の習熟度です。
デキル担当営業は本人の自覚に関わらず、自分なりの成功パターンに則り、顧客の購買ポイントを抑えながら、成約へと導いているものです。
シナリオの模範解答は社内にある
一日の時間はおろか、人員の数も制約があるのが現実です。今いる人員で成果を求めるとなれば、一人ひとりのパフォーマンス向上しかありません。すなわち勝ちパターンを周知徹底し、営業力の全体底上げを図ること。
トップ営業をはじめ、マネージャーが経験してきた過去の勝ちパターンを分析すると、いくつもの共通点が見出せます。有望顧客の洗い出し方法をはじめ、顧客の抱えている課題の発掘、それを解決するための提案資料など、それらノウハウを精査し、自社にとって最良のシナリオを営業全体で共有するのです。
成約までの道程をプロセス区分で考える
たとえば法人営業を考えると即決は稀で、複数のプロセスがあり、幾多の厳しいチェックをくぐり抜けてはじめて成約となります。
競合との差別化、キーマンの説得、見積書の精度、クロージングの切り出し方・・・。どのプロセスも重要であり、手順やタイミングが少しズレただけで成約を逃すケースもあります。
しかし裏を返せば、プロセス毎に高い満足を与え続ければ着実にゴールが近づくとも言えます。そこで、先述の“最良のシナリオ”をプロセス区分で捉える。模範シナリオ(=標準プロセス)と現在の進捗位置を照らし合わせることで、自ずと次に取るべき行動が見えてきます。
標準プロセスの確立は、つまり活きたマニュアルと同義です。これまで忙しくスケジュールを埋めることに重きを置いてきた営業スタイルから、プロセスを推し進めるためのスケジュール管理へ。その実現にはITのチカラが必須となります。
ITが営業効率に火をつける
日報を“これから”に直結したガイドラインに
紙ベースの業務体系ではできないことも、ITを用いれば容易に実現できます。すべての情報を一元管理化に置く。そこでは日報の意義も大きく変わります。
日報の役割は本来、記述をもとに活動を振り返り、改善点や新しい課題を見出すためのものです。しかし、現状は体裁のいい言葉で埋めればいい余分なペーパーワークであり、またマネージャーもかつて同様の経験がある以上「事後報告ばかりでアドバイスしようがない」というのが多くの企業での実情です。そんな負の連鎖が起こるのは、“これから”に繋がる有益な情報がそこに見出せないからです。
日報に成果を入力すると自動的に次のシナリオに反映され、ガイドラインとして機能するなど、様々な情報連携がITで可能になります。
ITで実現する、現場の「見える化」
日報に関して、もうひとつ大事なこと。それは、「主観の排除」と「語句の統一」です。
業態による差はあれ、1人ひとりの営業が複数の顧客・案件を同時進行で抱えているのが通常です。部署単位で考えるとその総数は膨大。各自の主観による思い思いの日報を蓄積したところで、マネージャーはまず要点の把握さえ困難です。
客観的な事実のみに焦点を絞る。事象の表現を近似値に集約してこそ、ITによるスピーディな分析=現場の「見える化」が成立します。日報に入力されたデータをもとに、誰がどのプロセスにどれだけの時間を費やしたか等もリアルタイムで集計でき、より適切かつ具体的なコーチングが可能になります。情報の伝達スピードが速くなれば、意思決定の迅速化にもつながります。
最終的には、顧客を喜ばせるための仕組み
売上は、そもそも社内ではなく顧客とのビジネス関係によって生まれます。営業はもとより会社として顧客との関係をいかに強化していくか。
誰もが口にする「顧客満足」の実践は、行き届いた顧客管理からはじまります。属人化営業を廃止し、商談履歴、面談者、キーマン、競合他社の動き、クレームなど、すべての情報をITで全社共有しておくこと。それらを参照し現状把握が容易になれば、代役を立てる事も可能になり、たとえば相手先の担当が変わっても、逆に教えてあげる立場で社の事情・検討内容などこれまでの経緯を述べることができます。いわば商談をリードし、顧客関係を強化する。自分より内情に詳しい相手には耳を傾けるものであり、何より顧客に対して価値をもたらすことこそ、売上につながります。
営業へのIT導入は、最終的に顧客を喜ばせるための仕組みなのです。
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