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特集

知識、創造、行動を誘発する空間が経営の課題までも解決
~クリエイティブ・オフィスが広がるワケ~

2019年5月

知識、創造、行動を誘発する空間が経営の課題までも解決

オフィスが快適な場であれば、会社に行くのが楽しくなり、従業員のやる気につながる。様々な部門が偶発的に出会えるようなオフィスであれば、人と人の交流から創造的なアイデアが生まれ、結果としてビジネスの競争力が高まることも期待できる。さらには環境や健康に配慮したオフィスも増加中だ。こうした多彩な仕掛けを施したクリエイティブ・オフィスを紹介する。

クリエイティブ・オフィスってどんなオフィス?

座席を固定しないフリーアドレスを導入する企業が増えるなど、オフィスという「場」のあり方を模索する動きが様々な企業で出ている。目指すところは、ワークプレイスとワークスタイルを再定義して従業員の能力や創造性を引き出し、企業の生産性と競争力・成長力の向上、アイデアやイノベーションの創出をドライブすることにある。このような観点から登場したのが「クリエイティブ・オフィス」の概念だ。

経済産業省も、一般社団法人ニューオフィス推進協会(NOPA)と連携してクリエイティブ・オフィスを推進している。同省によれば、クリエイティブ・オフィスとは「知識創造行動を誘発する空間、ICTツール、ワーカーへの働きかけなど(加速装置)と、組織目標とプロジェクト目標に向けたマネジメント(駆動力)の双方を備え、組織の創造性を最大限に発揮するための働き方に適した場」と定義されている。

つまり、組織としての具体的な目標のもとで、従業員の潜在的なクリエイティビティを引き出し、かつそれを増幅できるように、働く空間や人の動線、交流スペースなどを最適化したオフィスが、クリエイティブ・オフィスというわけだ。

クリエイティブ・オフィスを導入する意義

NOPAが発行する「クリエイティブ・オフィス・レポート v2.0」には、オフィス内で従業員の創造性を高めるための「12の知識創造行動」が挙げられている。

オフィスで従業員がこれら12の行動をとることによってコミュニケーションが生まれ、知識の融合が行われ、新たな価値が創造される。例えば従業員の個人の席が固定されたままでは、他の従業員との交流がなかなか生まれず、アイデアを刺激し合う機会も生まれないかもしれない。そこで気晴らしも兼ねてふらふらと歩き、他の従業員と接して軽く雑談したり、気軽に交流できるような環境を整備しておけば、そこからクリエイティブなアイデアが生み出されるかもしれない。

クリエイティブ・オフィスとは、こうした12の行動を従業員が行いやすくするような仕掛け(座席、レイアウト、共用スペース、設備など)を導入することで、企業にとっての価値創造につながるものだといえる。

クリエイティブ・オフィスが従業員と企業にもたらすこと

クリエイティブ・オフィスを導入すると、従業員は、働く空間において楽しさや快適さを感じるようになるだろう。自部署の同僚はもちろん、別の部門の人間とも交流が生まれやすくなり、コミュニケーションの活性化も期待できる。

また、オープンなワークプレイスは、周囲の人の仕事が見えやすくなる。これにより競争心や好奇心が刺激されたり、仕事に対するモチベーションが高まったりといった効果が考えられる。さらに、快適な空間で仕事ができることでストレスがたまりにくくなり、心身の健康の面でもメリットを享受できる。

一方、企業にとっては、多様な意見が柔軟に出やすくなることでアイデアやイノベーションの創出を促進できる。そこからビジネス変革にもつなげていくことができるだろう。

従業員が、楽しさ、快適さ、やりがいを感じながら働けば、生産性が向上するうえストレスの低減が健康経営にもつながる。このほか、例えば自然採光で明るいオフィスにすると、心地よい空間が生まれるだけでなく、光熱費などのコスト削減も実現できるはずだ。

クリエイティブ・オフィスにするにはどんなことに留意すればよいか

クリエイティブ・オフィスをつくるにあたっては、個々の設備のみに着目するのではなく、オフィス全体を一つのコミュニティと捉える視点が有効とされる。そのうえで、代表的な仕掛けと留意点を見ていこう。

クリエイティブ・オフィスと聞くとオープンスペースを想像しがちだが、オフィスがコミュニティであるという意識のもと、オープンな環境と集中できるパーソナルな環境の双方の要素を共存させてバランスをとることが重要だ。座席ひとつとっても、フリーアドレスという考え方もあれば、個人の好みでカスタマイズできる固定席という発想もあり、企業の目指すところや従業員のニーズに応じて選択する必要があるだろう。

クリエイティブ・オフィス導入例

実際にクリエイティブ・オフィスを導入した例を紹介しよう。

ある産業用機器メーカーでは、「人が見える」「人が出会う」ことで多様な知識の融合を促進するため、執務フロアは間仕切りなしのオープンな空間を意識。窓際に打ち合わせテーブル、その両脇にキッチンを配置することで、人の往来を生むようにした。

また、ある部品開発製造業者は全部門長を1カ所に集め、従業員のデスクレイアウトも蜂の巣状にすることでセクショナリズムを軽減。部門を超えた偶発的な出会いを促進し、モチベーション向上を実現している。

一方、ある食品会社では六角形のフロアで従業員の回遊性を実現するとともに、風の通り道としての中庭を設置し、自然採光と自然換気によって従業員の快適性・健康向上、さらには省エネも追求している。

このほか、オフィスの中心にカフェスペースを設置したり、上下のフロアをつなぐ階段をオフィス内の吹き抜け空間に設置したりすることで、人の交流を生みやすくしている例も見られる。また、オープンスペースに気軽に使えるWeb会議システムやアイデア支援ツールを設置し、イノベーション創出を支援している企業もある。

クリエイティブ・オフィスで企業価値向上へ

クリエイティブ・オフィスの導入にあたっては、どのようなオフィスの姿を目指し、組織として何を実現するのかを経営層が明確に打ち出し、現場も含めた全関係者がその方針を共有することが重要だ。

これまで多くの企業で見られた効率性のみを追求する均一的なオフィス空間は、社内の活気、創造性といった企業にとって重要なものを生み出しにくくなっていると指摘される。多様な従業員の多様な働き方を、快適・健康に配慮した環境からもサポートするオフィス改革を推進することで、企業価値向上につながるだろう。

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