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特集

労働人口減少時代だからこそ注目される人材活用。そのために総務人事がすべきこととは
~RPAやAIは人材活用にどう役立つのか~

2017年10月

労働人口減少時代だからこそ注目される人材活用。そのために総務人事がすべきこととは

中堅中小企業は少ない人数で最大の利益を出すことが求められる。そこで重要になってくるのが、適材適所による人材活用だ。政府も人材活用の取り組みに力を入れており、女性・外国籍・シニア・障がい者などの人材活用を推進している。また、各企業では多様な人材を活用するための働き方改革も課題となっている。ここでは、中堅中小企業ができる人材活用の手法と、それに対して総務人事ができることをまとめる。

人材活用を進めるべき背景

今、日本では人口減少と少子高齢化が同時に進んでおり、労働力人口も年々減少していくといわれている。

2013年に厚生労働省の雇用政策研究会がまとめた報告を見ると、2012年の就業者数は6,270万人だったが、今後経済成長と労働参加が適切に進まないケースを想定した場合、2020年の就業者数は6,000万人を割り込み、5,947万人と見込まれる。さらに2030年には、5,449万人にまで減少するとシミュレーションされている。少子高齢化は今後も間違いなく進み、内閣府の平成24年版高齢社会白書によれば、2060年には国民の2.5人に1人が65歳以上の高齢者になるといわれている。企業はこの非常事態から目を背けず、将来を見据えた人材活用の取り組みが求められている。

一方で、グローバル化の進展などによって企業の雇用制度が改革されつつあり、労働市場の流動化が起こっている。中堅中小企業が未来に向けて人材を確保するためには、早急な対策が不可避な状況となっている。

ダイバーシティと働き方改革は表裏一体

こうした流れの中で最近よく聞くようになった言葉が「ダイバーシティ」だ。

ダイバーシティは“多様化”の意味で、企業の中で女性、外国籍、シニア、障がい者といった、まさに多様なタイプの人材が活躍する状態のことである。ダイバーシティ=女性活用と考える向きがあるが、それは短絡的な発想にすぎない。

2016年に女性活躍推進法や改正障害者雇用促進法が施行され、高齢者雇用制度も整備されてきた現在、経営にダイバーシティを積極的に取り入れていくための取り組みが政府主導で進められている。企業においても、様々なタイプの人材を登用し、適材適所に配置して、それぞれが持つ多様な能力を発揮してもらうことが喫緊の課題となっている。

企業がダイバーシティを取り入れるメリットは、労働力人口減少時代に対応するための人材確保だけにとどまらない。人材が多様であれば社内がひとつの価値観に凝り固まらず、バラエティあふれた物の見方が広がり、ビジネスに刺激を与える。そこから、とりわけ中堅中小企業にとっては必須のイノベーションが生まれる場合もある。また、シニアの経験と知識が若手社員に良い影響を与えることもあるだろう。グローバル化時代においては、外国人社員がもたらす国際的な視点もビジネスで大いに力を発揮する。

ダイバーシティとともに、政府では働き方改革も推進している。背景には日本企業が長い間続けてきた労働慣行の改善に加えて、個人の価値観の多様化や、ワークライフバランス尊重の意識が浸透したこともある。長時間労働の是正やテレワーク、女性の出産や育児、副業・兼業の許容など施策は様々だが、結局のところ、働き方改革によって企業内の人材がイキイキと力を発揮できるような環境、仕組みをつくることが重要ということだ。

ダイバーシティを進めていくと、多様な人材が活躍できる環境が必要になる。これは働き方改革にも必然的につながるため、ダイバーシティと働き方改革は表裏一体で進めていくべきテーマだといっていいだろう。

人材活用のためにはまず従業員が働きやすい環境を整える

政府は法整備や制度改革によって、企業を取り巻く社会全体の環境づくりを積極的に進めている。翻って、その状況において個々の企業としては何をすればよいのだろうか。

多様な人材を活用するには、求める人材の明確化や育成方針の定義、前述の働き方改革など様々な施策が考えられるが、中堅中小企業にとっては当面、従業員が働きやすさを感じつつ、成果を上げられるような施策が求められるだろう。例えば、従業員が本業に専念できる環境をつくりあげることだ。

本業に集中できるようにするには、定型的な単純作業の負担を減らすのがいいだろう。そのためにはどうすればいいか。ひと言でいうなら、自動化システムに任せられる部分はどんどん任せてしまえばいい。ITの導入はもちろんだが、近年注目度が高まっているRPAやAIの活用も視野に入る。

RPAとはロボティック・プロセス・オートメーションの略である。文章や音声、画像などをソフトウェアロボットが認識し、それをもとに単純作業や定型業務を自動化・効率化するための取り組みだ。

日々の業務の中には、一定範囲をロボットに任せることで手っ取り早く効率化できる部分がある。すでに工場などではロボットの導入によって作業の自動化を図っているが、それをホワイトカラー業務にも広げようという取り組みがRPAだといえる。

例えば、日々発生する定型的なデータ入力業務などは、RPAの得意とするところだ。また、各部門から送られてくる報告メールの開封と整理をRPAに任せることで、時間と人手をかけずに済むだけでなく、人為的なミスなども減らすことができる。

RPAは、今第3次ブームともいわれるAIや機械学習の発展が支えている。認識技術が発達したことで、以前であれば人間が行う必要のあった判断も、かなりのレベルまでAIだけで行えるようになった。その結果として、様々なシーンでRPAによる業務自動化が可能になったわけだ。

ここでは、RPAの導入によって社員を定型業務から解放し、効率アップと経費節減、ひいては人材の有効活用を実現した事例を紹介する。

RPA・AIの活用で業務効率化を実現

ある銀行では、社内システムからのデータ取得や取得したデータのチェックなど、時間がかかる20種類の定型事務作業にRPAを導入し、8,000時間分の事務処理作業を削減した。1日8時間で計算すると、約1,000人日に当たる効率化だ。この導入によって、社員がより重要な作業に充てられる時間を格段に増やすことができたという。

また、ある流通業者では経理部門にRPAを導入した。それまでは会計システムに手動で入金情報を入力していたため、長い作業時間が必要で、しばしばミスも発生していた。なおかつスタッフも作業にストレスを感じていたが、自動化によりそれらのすべてが解消でき、他の重要な業務に時間を回せるようになった。

一方、ある通販業者ではコールセンターの処理に時間がかかるのが悩みだったが、照会や確認といった事務的作業をRPAで自動化することでスピードアップを実現。1件あたりの処理にかかる時間を導入前の20分の1へと大幅に短縮しただけでなく、熟練社員10人が担当していた業務を新人1人の業務にダウンサイジングし、人材を有効活用できた。

コールセンターの例では、別のケースもある。ある航空会社はユーザーの問い合わせをまず対話型AIロボットで受け付け、簡単な質問にはAI自身が答えるようにしたことで、コールセンターにかかってくる電話をほぼ半数まで減らすことに成功した。

多様な人材を適材適所で活用するダイバーシティや、働きやすい環境を整備する働き方改革を総務人事が主導的に推進することで、今後の労働人口減少時代における競争力アップにつながる。RPAやAIも、それらを実現するための有効な手段の一つになる。今後の業務改善に取り入れてみてはいかがだろうか。

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