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インタビュー 識者が語るセキュリティ

デジタルネイティブ世代のセキュリティ意識とは

~ 若者はセキュリティの意識が薄くその前提で新入社員を教育する必要がある ~

2016年9月

Twitterのアーリーアダプターとして知られる梅崎健理氏は、17歳のときにディグナ(※1)を起業した。デジタルネイティブ世代を代表する存在として、様々なメディアで発信する機会も多い。そんな梅崎氏は、最近の若者のコミュニケーションをどのように見ているのだろうか。あわせて、経営者としてIT活用やセキュリティに対する考え方などを聞いた。

(※1)Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアを活用し、マーケティング、コンサルティング及び、スマートフォンを活用した各種サービス企画・開発、人材育成を行う

学校裏サイトなどで学んだ若い世代
一方で、メールの作法は不得手

――1993年生まれの梅崎さんはデジタルネイティブ世代の代表のような存在です。そんな梅崎さんの目には、現在のITの動向はどのように映っていますか。

iPhoneが日本でリリースされて8年くらいになりますが、スマートフォンの進化はほぼ止まったという印象があります。入力のインターフェースはiPhoneでかなり使いやすくなり、音声認識の精度が高まったことで一層よくなったとは思います。ただ、ここ1、2年のクラウドやデバイスの動向を見ると、驚くほど斬新なものは出ていません。また、ITの世界の勢力図も、ほぼ固定化されてきたようにも思います。こうした中で、僕自身もどこを攻めるべきか考えているところです。

――梅崎さんよりも若い世代のITとの接し方については、どのように観察していますか。

上の世代との比較で下の世代を見ると、いくつかの特徴があると感じます。意識の面では、炎上に対する耐性が相当違うと思います。若い世代は小中学校のころからネットと付き合い、「学校裏サイト」とか、ネットでのイジメを経験しています。どんなアクションに対して非難が集まるか、どうすればケンカになるか、失敗を通じて学んでいますし、リアルな世界での面倒くさいことはネットの世界にもあると知っています。30代以上の世代に比べると経験が豊富な分、ネットでのコミュニケーションには長けているのではないかと思います。ただ、LINE(※2)やメッセンジャーでのやり取りがメインになっているので、メールの作法を知らない若者も多いですね。

――具体的には、どんなところに問題がありますか。

「いつもお世話になっております」といった文章上の作法を知りませんし、メールのCCとBCCの違いも分からない人もいます。LINEには、そういう機能はありませんからね。つまり、コミュニケーションのプロトコルが違うということ。スマートフォンでレポートを書く大学生は多いですし、そもそもPCを使えない人もいます。そういう若者が就職したら、まず先輩たちが基本的なことから教えてあげる必要があるでしょうね。

(※2)無料通話とメッセージ送信ができるソーシャル・ネットワーキング・サービスで、携帯電話やパソコンなどに対応している

流動性の高い職場で
いかにセキュリティを確保するか

――ディグナでの働き方やITの使い方についてうかがいます。

今は5人が働いていますが、フルタイムは僕を含めて2人だけです。また、ときどき学生アルバイトを5人くらい集めて、1週間ほど集中的に仕事をしてもらったりすることもあります。打ち合わせなどで顔を合わせることはありますが、基本的にはSNSやメッセンジャーを使ったやり取りが多い。また、ドロップボックス(※3)のようなクラウドサービスも多用しています。起業した者の立場から見ると、簡単にスモールスタートできるクラウドの存在は本当にありがたいですね。

――セキュリティについては、どのようなことに気をつけていますか。

僕が社内で言っているのは基本的なことです。例えば、二段階認証を使う、パスワードを複雑なものにして使い回さない、別ルートからパスワード変更やバックアップができるようにする、などです。後、システム的なことよりも、権限の与え方には気を付けていますね。あるクラウドサービスの権限のレベルが5つあったとすると、誰にどこまでの権限を持たせるか。新しいメンバーが参加すれば、新たにアカウントを用意する必要があります。そんなとき、任せる業務に照らし合わせて「これでは権限が過剰かな、足りないかな」といつも悩んでいます。

――固定的な組織ではなく、プロジェクトによって異なるメンバーが集まって仕事をするようになると、セキュリティ面での懸念は大きくなるような気がします。

基本的に性善説で仕事をしているので、個人と個人との間の信頼はとても重要です。今後、雇用が流動化してフリーエージェント的な働き方をする人が増えれば、信頼をいかに担保するかはより大きな課題になるでしょう。一部のクラウドソーシングサイトでは行われていることですが、いずれ、「この人の信頼度は80点」といったスコアリングがもっと一般的なものになるかもしれません。

(※3)米Dropbox, Inc. が運営するオンラインストレージサービス。PCだけでなく、スマートフォンやタブレットとも同期が可能で、無料でもかなりの容量を活用することが出来る

デジタルの難しさを包み込んだ
「ニューアナログ」が求められる

――学生アルバイトや新しくプロジェクトに加わるメンバーに対しては、セキュリティ面でどのような指示をしているのですか。

社会人経験のない若者は、基本的にセキュリティの意識を持っていない、もしくはかなり薄いと考えるようにしています。だから、最初は手取り足取り教えてあげる必要があります。会社を設立したばかりのことですが、学生アルバイトが重要な情報を打ち出した資料を裏紙として使い回していて、すぐにやめさせたことがあります。多分、それが普通の学生の感覚でしょう。企業としては、そういう若者がいるということを前提に「セキュリティをいかに守るか」を考えるべきではないでしょうか。失敗したときにどうするか、その準備は必要だと思います。

――セキュリティの議論では、利便性をとるかリスク最小化を選ぶかという話がよく出てきます。

もちろんセキュリティは重要ですが、それによって利便性や生産性といったものが犠牲になるようではもったいない。リスク回避の方向に振れ過ぎるのは考え物だと思います。

――ITの進化の方向については、どのようなイメージを描いていますか。

ITリテラシーという言葉があります。リテラシーという一種のスキルがなければ、機械や情報を扱えない。こうした高いハードルをいかに下げていくかが課題です。例えば、紙のような電子ペーパー。中身はデジタルで様々な機能を搭載しながら、それを使う人間にとってはアナログの紙のように使えるものというイメージでしょうか。これを、僕はニューアナログと呼んでいます。アナログからデジタルへ、そしてニューアナログへ。人にストレスを与えない、そんな方向にITは進化していくのではないでしょうか。そのためには、まったく新しいハードウェアが必要だと感じています。

――最後に、デジタルネイティブ世代が入社してきた際の対応についてアドバイスをいただけますか。

デジタルネイティブ世代はネットを介した人との付き合い方に慣れている一方で、メールの作法を知らない人が多い印象です。例えば、CCとBCCの違いが分からない新入社員をいきなりビジネス現場に放り込むのは危険です。ビジネス上のコミュニケーションやセキュリティについて、最低限の教育は欠かせません。今後はPCの使い方についても、教育のスタイルを見直す必要があるかもしれませんね。

筆者プロフィール

梅崎 健理(うめさき けんり)

株式会社ディグナ 代表取締役
梅崎 健理(うめさき けんり)

1993年、鹿児島県生まれ。4歳のときに初めてPCに触り、小6のときに自分用PCを買ってもらった。同じく小6のときに、携帯電話各社の契約プランを調べ上げて、いかにメリットが大きいかを両親にプレゼン。説得に成功して携帯電話をゲットした。高校時代は福岡県で過ごし、17歳のときにディグナを創業。同社の設立と同日に、新語・流行語大賞「~なう」を受賞。Twitterのアーリーアダプターであり、ソフトバンクの孫正義社長がフォローした高校生として有名に。現在、慶應義塾大学総合政策学部在学中。

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