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AIリサーチツール&思考パートナー「NotebookLM」体験記

図書館つれづれ [第146回]

2026年7月

はじめに

生成AIとは、野村総合研究所の用語解説によると、「生成AI(または生成系AI)とは、Generative AI(ジェネレーティブAI)とも呼ばれ、さまざまなコンテンツを生成できるAI」とされています。従来のAIが決められた行為の自動化が目的であるのに対し、生成AIはデータのパターンや関係を学習し、新しいコンテンツを生成することを目的としています。最近は、AIと結婚式を挙げる人や、AIに悩みごとの相談に乗ってもらう人が増えるなど、行き過ぎた使い方が社会問題にもなっています。

2026年1月、NotebookLMの研修を受けた友人にお願いして、仲間と勉強会を開きました。今回は、AIの賢さに圧倒されたNotebookLMの体験報告です。

NotebookLMとは(友人との勉強会から)

NotebookLMは、Googleが提供する高性能なAIリサーチ・ノートブックツールで、Googleアプリのひとつです。使用するにはGoogleのアカウントが必要で、LMはLanguage Modelの略。「Gemini」というAIモデルが使われています。PDF、Googleドキュメント、YouTube動画、ウェブサイトなどの資料を読み込ませ、それに基づいてAIが要約、分析、回答を生成する「ソースに基づく」対話が特徴です。アップロードした資料だけを基に回答するため、ハルシネーション(嘘の回答)を抑え、信頼性が高く、どの資料の箇所を参照したかも明示されます。長い文書の要約、資料の横断的な検索・分析、学習ガイドの作成、音声概要(自動ポッドキャスト)の生成にマインドマップなど、さまざまな機能が用意されています。

勉強会では、某図書館の中期計画書をアップロードして、さまざまな機能の確認をしました。その都度、みんなから歓声があがりました。普段AIとは疎遠な私たちにとって、それほど完成度の高いツールだったのです。

とはいえ、生成AIを使用する際の注意事項も教わりました。

  • 個人情報をアップロードしない
  • レファレンスで使う場合も、利用者の個人的な状況に関する記述をしない
    (例えば日本で1軒しかない業態のお店の人からレファレンスを受けました、病気の症例などを細かく記載しない など)
  • 個人的に契約しているAIを職場で使わない
    (職場がAIを導入している場合は、職場のガイドラインに従って導入しているAIを使う)

など。

また、PDFが画像のみの場合は、読み込ませても回答は出ません。
その後、持ち寄ったパソコンに向かって試してみました。ツールに慣れていなくても、なんとなく使えて、利用価値を見出した勉強会でした。

Google NotebookLM: https://notebooklm.google/?hl=ja

実際のWebコラムで試してみました

図書館つれづれ第130回の『滋賀文教短期大学「LLブックをつくろう」研修奮闘記』をアップロードして、NotebookLMの機能(音声解説・動画解説・マインドマップ・レポート・フラッシュカード・クイズ・インフォグラフィックの生成・スライド資料の作成・ソースからデータ表を作成)を、一通り試してみました。

1.「概要を800字にまとめて」とお願いした内容がこちら。

本資料は、滋賀文教短期大学で開催された**「LLブックをつくろう」研修の体験記**です。LLとはスウェーデン語の「LättLäst(やさしく読みやすい)」の略で、LLブックは知的障がいや読字障がい(ディスレクシア)、外国にルーツを持つ方など、読書に困難を抱える人々が楽しめるよう工夫された本を指します。

資料では、LLブック制作に不可欠な**「やさしい日本語」**の極意と実践が詳しく述べられています。

1. 「やさしい日本語」の原則と工夫

やさしい日本語には**「優しい心」と「易しい言葉」の2つの意味があります。そのポイントは「短く・かんたんに・はっきりと」**の3点です。

  • 短く: 一文で伝えることは1つに絞る(一文一義)。
  • かんたんに: 相手にとっての難しさを理解し、難しい漢語を和語(例:「蔵書」→「図書館にある本」)に言い換える。
  • はっきりと: オノマトペや婉曲表現、二重否定を避け、具体的で肯定的な表現を使う。また、言葉の区切りにスペースを入れる**「分かち書き」**や、小学校3年生までに習う漢字の使用も推奨されています。

2. 制作の実践と技術的課題

著者は専用ツール「ハートフルブック」を用い、地域の交流スペースを題材とした作品制作に挑戦しました。制作過程では、画像サイズの不適合(8Kは不可、4Kなら可)やページ構成のミス、不自然な日本語にならないための情報の取捨選択など、元システムエンジニアであっても多くの技術的・表現的な壁に直面したことが記されています。

3. 研修の結論と図書館の役割

研修を通じた最大の気づきは、単にルールに従ってルビを振るのではなく、**「相手を思いやり、如何に届けるかというハート(コミュニケーションの気持ち)」**が最も大切であるということです。

最後に、図書館はバリアフリー図書の提供や他部署との連携を通じ、暮らしに必要な情報を必要とする人へ届ける**「最後の砦」**としての役割を果たすべきであると結ばれています。

どうですか?コラムを読んだことのない人でも、内容が理解できる正確さ。お堅い役所の文書は、この機能で概要は掴めそうです。**の部分は、キーワードに取り込まれた部分です。

2. インフォグラフィックのアウトプット

文章ではなく、視覚的に捉えるならこれもありです。

3. マインドマップ

勉強会では、役所の複雑な文章のマインドマップは、概要の手助けとなりました。

4. プレゼンテーション資料

実はLLブック作成の体験記は、スライドにして発表したことがあるのです。NotebookLMを試してみたかったのは、実際のスライドと比較してみたいのもありました。

私が数日かけて作成した10ページ以上もの資料を、NotebookLMはものの10分ほどで作ってしまいました。左がAIが作成したスライドで、右が私の作品です(抜粋版)。軍配はどちらですか? AI?

そのほかの機能(音声解説・動画解説・フラッシュカードなど)も使ってみました。音声解説は、名前の読み間違いさえ堂々としていて、違う体験を聞いているような濃い味付けに、その都度一人で唸っていました。まるで、AIが脚本家みたいです。音声解説や動画解説の音源は何処からなのか不明ですが、「小学生にもわかるように」などの要望にも応えてくれます。スライドショーや解説は生成に時間がかかります(といっても、十数分)が、概ね瞬時もしくは数分で作成してくれました。AI、恐るべしです。全てを鵜呑みにするのは危険ですが、書かれた内容の概要確認や行き詰ったときの違った視点での気づきにも使えそうです。

活用事例

AIは、会議の議事録作成や契約書の突合に社内規定の確認など業務に使われ始めています。論文やレポートやPDF資料の要約と整理にも、AIの力は絶大です。

2025年の年末から年始にかけて、知人が指を切るアクシデントがありました。年末年始ということで病院は空いておらず、頼ったのがAIでした。傷口はどんな感じか、血は止まっているのか、AIと細かなやり取りをしながら処置をして、結局医者にはいかずに治しました。自営業の友人は、会計士や税理士に頼んでいたことを、最近はAIに聞いているとのこと。システム関係者の友人は、仕様書をinputしてプログラムはAIに作ってもらっているそうです。仕事と呼ばれている分野は、今後果たしてどれだけ人間の仕事として生き残るのか。AIは司書にとって代わるのか?

最近聴講した講演で、「近い将来を生き残るために必要な技術は、物理と哲学と音楽」と助言をいただいたのですが、2026年3月に受講したセミナーでは、音楽さえもAIの領域と化したようです。

最後に、オンラインセミナーのURLを紹介します。

JEPAオンラインセミナー「加藤 泰久先生:AI時代の学びをデザインする――遊びの4原理から考える」
生成AIは、単なる便利ツールではありません。「学ぶとは何か」「創造とは何か」という根本的な問いを、私たちに突きつけています。

https://www.youtube.com/watch?v=vBSrdEUOtzY