「ICT×観光戦略」を考える
~U.S.A HAWAIIを歩きながら~

「ぷらぷら☆旅をしながら情報化について考える」 ~ICT×国づくり×人づくり~ [第1回]
2014年10月

執筆者:NPO法人 HINT 理事長、ai株式会社 代表取締役
総務省地域情報化アドバイザー/総務省地域力創造アドバイザー
 井上 あい子(いのうえ あいこ)氏

ALOHA!

Hawaiiには、何度となく訪れていますが、毎回『また、来たいな~。』と思えてしまいます。このように、何度も来たいと思える所は、世界中を探しても、なかなか希有な場所だと思います。

さて、Hawaiiのたくさんある魅力をギューッと凝縮して、あえて一言で表現をしますと、とにかく【気】が良いという事です。

そして、【気】が良いシーンに出会う事が多いと思います。環境面では、湿気が少ないこともあり、暑い時でも木陰に入れば涼しいですし、建物内に入れば、バスに飛び乗れば、冷房がキンキンで、すぐに汗が引きます。また、そこに暮らす人々が、何より、決してよそ行きではない、微笑み返しと「ありがとう」や「さようなら」の後に、「良い午後を」とか「良い週末を」等、ちょっとした気の利いた一言を添える人が、とても多いように感じます。

ご承知のとおり、Hawaiiの主産業は、観光産業です。温暖な気候ともあいまって、相対的にのんびりでおだやかですが、観光客に対してのおもてなし(=ホスピタリティ)が、そこで暮らす人々に自然と身に付いているように伺えます。

世界と日本は、ICTによってつながっている

現地到着後すぐに、通信環境を確保するために、T-Mobileで、SIMカードを購入し、4GとLTE対応の米国内通話無料とインターネット回線($94.24/制限10Gまで)の契約を行いました。(※私物のスマートフォンは、iPhone5s SIMロックフリー)

現地の情報通信インフラ事情は、ざっと見た感じでは、無線の基地局が多く、Wi-Fiフリースポットも、困らない程度に配備されています。

T-Mobileの契約後には、いつでもどこからでも、電話やインターネットが利用できます。そして、パソコンとスマートフォンのインターネット共有で、このコラムを書いてE-mailで入稿する事も安全でタイムリーに行えます。

少し余談ですが、Hawaiiの親友が日本に旅行をするので、連絡を取り合う手段として、Skypeをレクチャーしたのですが、日本の滞在先から頻繁に連絡をしてきてくれました。

「今、京都にいるのだけど・・・」「今、熱海駅で新幹線を待っているところ・・・」とか、高野山(和歌山県)からでも、音声も映像も鮮明な通信が出来て、親友は感激していました。そして、親友がHawaiiに戻ってきて「Skypeだと、これから、ちょくちょく顔が見られるね(笑)」と嬉しそうに話をしてくれた事が、日本の親友への土産話となりました。

このようにICTの享受によって、世界が身近に感じ、色々な可能性が広がります。

The Bus(GPS搭載)とスマートフォン

現地での移動手段は、車かバスが主流となりますが、全米でもトップクラスであるThe Bus(注1)は、きめ細やかな路線と運行管理が行われています。

通信環境を確保した後に、The Busの定期券($60/1か月)を購入しました。

それから、【Da Bus】というアプリをスマートフォンにダウンロードをしました。バス(一部を除く)には、GPSが搭載されているので、スマートフォンのGPS機能が【Da Bus】のアプリと連動して、自分がいる場所を基準にして

  1. 最寄りのバス停がわかる。そして、どの系統のバスが停車するのか、わかる。
  2. バスの運行状況(到着予想時刻と遅延時刻)が、タイムリーにわかる。
  3. バスの系統ごとに、ルートの全体(出発地と到着地)がわかる。

等、瞬時に状況を理解する事が出来ます。

初めての滞在や、方角に慣れるまでに“行く方向”や“帰る方向”が分からない場合は、スマートフォンにダウンロードをしている【マップ】機能と併用すると、とても効率よく動き回ることが出来ます。

ICT×観光戦略 情報とホスピタリティ(=おもてなし)

さて、本題の観光戦略について、話を戻します。旅人が訪問したい場所(観光地)として、Hawaiiを例に挙げると、観光客を魅了する場所の共通の条件に、ほとんどが該当します。

  • インターネットで検索して、情報が得られること。
    =旅の計画が立てやすい。
  • 魅力的(自然、人工)な場所がある。
    =そして、そこには魅力的な人がいる。
  • メディア・Web・ローカル紙など、情報の発信力が強い。
  • 公共交通機関のアプリケーションの充実。
  • Wi-Fi環境の充実。

観光客が訪問するまでに得る事ができる情報も大切ですが、滞在中にも、タイムリーに探しやすくわかりやすいことは、とても重要なことです。観光客に情報を伝達するためには、情報を発信する側の相当な努力が、必要ではないでしょうか。Hawaiiの例のように行うためには、事業者の皆様は、自助努力でホームページの制作やソーシャルメディアを利活用した情報発信は必須です。

また、ICT以外に目を向けると、名刺の裏も大切な広告になり、レシートや包装紙には、割引クーポンの印字やWebサイトの掲載など、リピートをしてもらうための工夫が必要です。

パンフレットやチラシを使った情報発信も大切ですが、原稿データを有効活用できるような(PDF等で、Web上に掲載することから始める)ちょっとした工夫で、情報の拡散に繋がります。

★魅力★とは、人の心を引きつける力のことで、その力は、そこに暮らす人にも及びます。そして、リピーターの観光客がファンや応援団として、情報の拡散を手伝ってくれることに繋がります。

総じて、地域の魅力を全国(世界)に発信するためには、そこに暮らす住民の力と事業者の協力は絶対ですが、先導役(リーダー)となるのは、やはり自治体職員の皆様方だと思います。

日本においては、東京オリンピックの開催を控えるせっかくの好機です。今一度、観光客へのおもてなしの心構えや、今スグにでもできる、皆様の身の回りの準備から行って頂きたいと思います。

ICT×観光戦略を考える前に、データ整備とデジタル化、情報の一元化を行うことが、優先事項です。そして、やっぱり【人】。

第1回のコラムを終えますが、Hawaiiに興味を持たれましたでしょうか? 観光戦略を考える前に、やはり、企てる【人】が、旅をして、食べてみて、色々と体感をして頂かないと、お話になりません。とっとと、仕事や用事を片付けて、外へ出掛けて行って下さい。

何より、本コラムをご覧になって頂きまして、何かのHINTにして頂ければ光栄に思います。

次回は、西会津町(福島県)を歩きながら「ICT×地域密着ケーブルテレビ」について考えてみたいと思います。
どうぞ、お楽しみに・・・MAHALO!

(注1)The Bus(ザ・バス)は、オアフ・トランジット・サービシス社(O'ahu transit Services,Inc.)が運営するアメリカ合衆国ハワイ州、ホノルル市の公営バス

旅のMEMO

私が好んで心掛けている旅のスタイルは、出来るだけ、現地に溶け込むような動き方です。当然ながら、服装や持ち物は、新品のものやブランドがわかるものは、絶対に身に付けたりはしません。海外に出たら、色々なトラブルから身を守るという事には、かなり徹底しています。

そして、ぷらぷら☆とにかく歩きまわります。

また、Hawaiiのお薦めスポットの一部をご紹介させて頂きます。ビギナーもリピーターも、色々な意味で、お得感を感じて頂けると思います。

有名ブランドのアウトレット(レディース・メンズ・子供用あり)

  • T.J.Maxx

レストラン等

  • Top of WAIKIKI(360度の大パノラマ展望レストラン)要予約
  • Anna Miller’s(アメリカンパイスイーツ)
  • Zippy’s(ハワイのローカルなファミレス)
  • Romy’s Prawns&Shrimp(店の裏にある養殖場のエビを使用)

ビーチ

  • Kailua Beach Park(全米No.1に選出された絶景ビーチ)

宜しければ、blogをご笑納下さい。

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