地方診療圏における「看・看連携」への取り組みについて
看護連携(第1回)
2014年6月

執筆者:一般財団法人 福岡県社会保険医療協会
    社会保険大牟田天領病院
    看護部長 中島 洋子(なかしま ようこ)氏

皆様、初めまして。
今回よりコラムを担当させていただきます、社会保険大牟田天領病院 看護部長の中島洋子です。
どうぞよろしくお願いします。

「診療報酬改定2014」のポイント

2014年、私たちにとっては一番気がかりだった診療報酬改定が4月にありました。

皆様のところでも、今後の方針等についての対策を検討されていることでしょう。または、すでに一息ついている方もいらっしゃるかもしれませんね。

今回の診療報酬では、もちろん2025年を見据えてですが、「機能分化」「機能強化」「在宅医療の強化」「地域医療連携」などがポイントとなっています。

当院でも、一般病棟7:1、回復期病棟、亜急性期病床を有しており、今後の方針について検討中であります。

地域医療圏と現状について

私が勤務する施設は福岡県大牟田市にありますが、熊本県荒尾市に隣接しており、診療圏は福岡県有明医療圏の大牟田市、柳川市、みやま市および熊本県有明医療圏の荒尾市、玉名市、長洲町など、福岡・熊本両県の県境を越えて形成された地域医療圏となっています。

大牟田市は、福岡県と熊本県の県境にあり人口は減少し高齢化率は32%を超えており、世帯状況も高齢者による独居世帯や高齢者のみの世帯が多くなっています。

医療施設をみると、病院は25施設(一般が25%、療養を含んでいる施設が56%と多くを占めている)、診療所143施設となっていますが、急性期病院から在宅までの連携のとれた支援病院の受け入れ体制が十分整備されていません。

加えて、医療圏と生活圏が一致していない部分があり、近隣の医療圏と連携しながら、住民の受療行動に基づいた利用しやすい医療体制や、保険・医療・福祉がそれぞれの機能を十分に発揮できるように、患者・家族・住民の視点を重視したサービスや情報提供が望まれています。

看・看連携について

私自身は、同じ施設での勤務が長いこともあり、自施設以外の医療機関の機能や看護の強み・弱みなど、看護の事も知りませんでした。
そこで、2012年4月にお互い顔が見え開かれた看護連携を図り、強み・弱みを共存でき、患者・家族にとって必要な情報提供とスムーズな連携を行ない地域看護の質の向上を目的として「有明地区看・看連携」を立ち上げました。

近年、地域連携パスやIDリンク、病院完結型医療から地域完結型医療への推進などが盛んに行われてきています。「看護連携」はどこでもあるのではないか、何が違うのかと思われる方もいらっしゃると思いますが、次回以降、そこでの活動内容などを中心にお話をしてまいりたいと思います。

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