地方診療圏における「看・看連携」への取り組みについて
看護連携(第2回)
2014年7月

執筆者:一般財団法人 福岡県社会保険医療協会
    社会保険大牟田天領病院
    看護部長 中島 洋子(なかしま ようこ)氏

皆様、こんにちは。
社会保険大牟田天領病院看護部長の中島洋子です。

前回は、私が勤務する福岡県大牟田市、隣接する熊本県荒尾市を中心とした有明医療圏についてお話をさせていただきました。今回は、「有明地区看・看連携」の誕生の経緯・目的についてお話をさせて頂きます。

看護連携の充実を図るには

2011年6月、私は、日本看護協会認定看護管理者の認定を受けました。認定看護管理者研修で学ぶうちに地域連携の重要性を体感し、その中でも特に看護師間の顔が見える連携の必要性を痛感しました。
以前より地域医療連携の会は各施設で行なっていましたが、私が考えている看護師間の顔が見える連携を達成するには十分ではありませんでした。

そこで、看護連携の充実を図るために、

  1. 地域連携施設の情報把握
  2. 連携施設との勉強会・情報交換会等の体制の構築
    (参加施設の受け入れ機能の紹介、転院した患者の問題点、患者情報提供用紙作成等)
  3. 看護連携の研修システムの構築
    (クリニカルラダーへの院外からの参加受け入れ、院内研修会や講演会のオープン化による情報提供、認定看護師による研修会の実施)

等の企画を考えました。

看護連携の現状について

それらを実現するために、近隣の50施設の看護部長宛てにアンケート調査を行ないました。

主な内容としては、

  1. 自施設の看護部に期待することは何か
  2. 今後どのような連携が必要だと思うか
  3. 看護部長間の連携について必要だと思うか、また具体的にどのような連携を希望するか、 等です。

その結果「顔の見える連携、交流、研修会のオープン化、地域看護の質を高める為の研修会等の開催、情報交換(業務・研修・教育・看護師確保)、患者情報の共有化、施設訪問」等を期待する声が多く寄せられ、どの施設の看護部長も同様の考えを持っていることがわかりました。

そこで、その第一歩として「研修会をオープンにする」「看護部長間の連携を図る」の2点について取り組みを始めました。
私の考えに賛同していただける施設が28施設(56%)あり、その中から柳川、みやま、大牟田、荒尾各市の中核的病院とされている7施設の看護部長から協力が得られ、世話人会を発足しました。

主な活動内容は、「代表者会議」「オープンセミナー」「看護施設マップ」「認定看護師交流会」です。
これらの活動については、次回以降、個別にお話ししてまいります。

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