地方診療圏における「看・看連携」への取り組みについて
看護連携(第3回)
2014年9月

執筆者:一般財団法人 福岡県社会保険医療協会
    社会保険大牟田天領病院
    看護部長 中島 洋子(なかしま ようこ)氏

皆様、こんにちは。
社会保険大牟田天領病院看護部長の中島洋子です。

今回は、「有明地区看・看連携」の代表者会議の活動内容についてお話をさせて頂きます。

「有明地区看・看連携」の代表者会議の活動内容について

2011年3月より、柳川、みやま、大牟田、荒尾各市の中核的病院とされている7施設の看護部長による世話人会で、「看・看連携」を進めていくための話し合いを始めました。その話し合いの中で、顔と顔の見える連携は大切であり、看護部長や施設の看護の代表者・責任者が何を期待し、何を望んでいるのかを知ることが重要と考え、2012年7月に第1回「有明地区看・看連携代表者会議」を開催しました。

第1回から31施設(対象施設の62%)の参加があり、立ち上げの経緯・今後の活動・講演・情報交換・グループワーク等を中心に説明と意見交換を行いました。

情報交換の際、当初、「場違いな所に来た」と言われた訪問看護ステーションの方がおられましたが、「各種施設との連携がスムーズに行われることで、それが患者にとって適切な情報提供となり、施設間のシームレスな看護実践ができることを目指している」と説明した結果、最後には、「他の訪問看護ステーションの方々にも話をして連携を取っていきたい。次回の開催はいつですか?」と積極的な声を聴くことができました。他にも自施設の現在の状況や問題点等の話がありました。

お互い県を越えても顔と施設は分かってはいましたが、そこの施設がどのような機能を保有しているかを含め、知らないことが多くありました。しかし、この会議を通して情報交換等を行う事で、お互いを理解し、情報を共有し合うことができました。

また、私達にとっては、訪問看護ステーション・クリニック等の看護代表者の方の参加は、地域看護を考える上で力強い後押しになりました。定期的な開催も継続し(年2回)、現在では、5回目の開催を迎えようとしています。回を重ねるごとに、「在宅等の連携についてもっと深めたい、レベルアップのための研修会の開催を行いたい」等の要望が増えてきました。

「看・看連携」の今後の取り組みについて

「看・看連携」の取り組みは、情報交換の場・人財育成の場となることが期待されると同時に、ケアの質の向上にもつながると考えています。また、地域の患者にとって、どの施設やどの場面においても、同様の看護が提供されることで、私達の住む有明地域が、「安心して医療が受けられる地域」になっていくと信じています。お互い職場は違っていても同じ地域で働く看護師として「顔が見える連携」が、更に有意義なものとなるように努めてまいりたいと思います。

今後も「有明地区看・看連携」で生まれた地域連携の輪をさらに広げ、施設の規模に関わらず、より良い「情報の共有」と人材育成等の「やりがい支援」を積極的に行い、地域の活性化、有明地区のレベルアップにつながる活動にできるよう、協力体制を作ってまいります。

次回は、「オープンセミナー」「看護施設マップ」の活動内容についてお話をさせて頂きます。

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