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英語で「お湯」って?
スッキリ訳せない日本語

“言葉は時代を映す鏡”ともいいますが、その土地の文化によっても違いが生まれてくるようです。日本語ではなじみのある言葉でも、英語をはじめとする外国語ではスッキリ表現できない単語がいくつかあります。

例えば「お湯」という言葉。日本では「水」と「お湯」は生活上、完全に異なるものとして使い分けていますね。でも英語で言うなら「お湯=hot water」としか言いようがなく、一言で表す単語は存在しません。他の外国語でも「熱い」と「水」の2単語を組み合わせます。「hot」というと夏の暑さや料理の辛さにも使う言葉ですから、日本人が想像するお湯に比べると少々印象が違います。

私たちにとっては「お湯」といえばお風呂のような温かいくらいの温度でしょうか。温泉をイメージする人もいるかもしれません。「湯水のように使う」「湯を沸かして水にする」などお湯を使ったことわざも多く、お湯が日本人にとって生活に密着した意義深いものであったことが伺えます。

このように英語には存在しない日本語がいくつかあるのでご紹介します。

まずは「いただきます」と「ごちそうさま」です。「Let’s eat」など似た表現はできますが、それらは単に食事の始まりと終わりを区切るための言葉にすぎません。それもそのはず、これらの言葉の背景には日本特有の神道信仰があります。命をくれた動植物への感謝、またそれらを作った人への感謝を込めた「いただきます」と「ごちそうさま」には深い意味があり、日本独特の文化なのです。

挨拶でいうと、他にも「ご苦労様」「お疲れ様」や「よろしくお願いします」といった表現も日本独特のようです。

また、四季が美しい日本ならではの単語を表す英語もありません。例えば「木枯らし」や「梅雨」「おぼろ月」「小春日和」といったものです。日本では雨や風の様子で季節を感じることや心情を表わすことが習慣になっています。日本語では風の種類だけでも150を超える名称があるともいわれ、どれだけ風が身近なものかがわかりますね。

逆を考えれば、もちろん外国語にあって日本語にない単語もあります。現代では普段から使う「社会」という単語は、かつて日本語には存在しないものだったことが知られています。幕末に英語でいう「society」という単語を訳す際、当時ぴったりの単語はありませんでした。寄合、集まり、仲間、世間といった単語が用いられ、福沢諭吉は「人間交際」としたそうです。明治に入り文明の発達とともに「社会」という単語が生まれました。海外の概念を採り入れるため、既存の単語ではなくあえて新語が用いられたようです。

こうしてみると、言葉は時代だけでなく、暮らしや文化に根付いたものであることが実感できます。また、日本語特有の表現には、どこか美しさがあると思いませんか。日本語ならではの言葉の美しさをいつまでも大切にしたいものですね。