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1980年代のTVコマーシャル「メガネは顔の一部です」で知られる株式会社東京メガネ。1883年の創業以来、メガネ小売業ひと筋に歩んで来た老舗企業です。

同社が展開する店舗は国内24店舗、海外6店舗（2018年8月現在）。国内では18店舗を百貨店内メガネサロンとして展開し、近年急速に増えているリーズナブルなメガネチェーンとは一線を画したサービスを提供しています。「私たちが価値を置くのはメガネの本質、つまり快適な視覚（Quality of Vision）のお手伝いをすることです」と語るのは、同社5代目に当たる白山聡一代表取締役社長です。「正しい視力が得られ、かつ使われる方に負担を感じさせずに長期間装用できて初めて、メガネは“使えるメガネ”となります。毎日身につけて使うものだからこそ、見え方・かけ心地に関しては絶対に譲れない、と私たちは考えています」

さらに白山社長が強調するのは、顧客情報の管理と活用の重要性です。「メガネ小売業は“販売してから商売が始まる”といわれます。視力測定などで得られたデータは究極の個人情報であり、お客様の“次のメガネ”を仕立てる際に欠かせない情報源となります。当社は顧客情報を厳重に管理しつつ、販売後もお客様の快適な視覚をサポートします。5年間に渡るアフターサービスもそのひとつ。定期的な視力測定やメンテナンスも無料で実施し、高いリピート率をいただいています」

当然ながら、快適な視覚をお客様に提供するためには専門知識と技術の習得が欠かせません。そのため同社では、業界資格である「認定眼鏡士」の取得をめざす社員教育を実施しています。補聴器販売も行っているため、同様に「認定補聴器技能者」の資格取得も奨励。現在、「認定眼鏡士」を全店舗に、「認定補聴器技術者」も補聴器を取り扱う15店舗以上に配置しています。

メガネも補聴器も、小売業の中では販売難易度の高い商品。そのため資格取得だけでなく、同社教育室が定期的な研修を実施。専門知識・技術の習得とともに、企業理念の共有と確認を繰り返しています。

ちなみに、同社の企業理念は『自我作古（じがさっこ）』。中国の歴史書『宋史』にある言葉で、「自らが新しい歴史を作る」ことを意味します。創業時より歴代経営者が大切に伝えてきた言葉を、1983年の100周年時に先代社長が改めて企業理念に掲げ、「自我作古」の心持で業務に励むことを徹底。メガネ・補聴器販売を通じて社会貢献する姿勢を貫いています。

また、135年の歴史の中で収集したアンティークメガネを展示する「東京メガネミュージアム〈S・T・A・G・E〉」も本社内に設置。一般の来訪者に加え、メディアの取材依頼にも数多く対応し、メガネ文化の認知と啓蒙にも努めるなど、老舗企業ならではの企業文化を継承し続けています。

「とくにご高齢者の視る力を改善する効果が認められており、自動車運転時等の事故防止に役立つのではないかと考えています。アンチエイジングの一助として、健康寿命の延伸にもなるのではないでしょうか」

さらに2018年2月より驚きの機能を持つ次世代アイウェア「TouchFocus™」の取扱いを開始しました。これは三井化学株式会社が開発した液晶レンズメガネ。フレームのタッチセンサーに触れると、フレーム内の電子回路がレンズに搭載された液晶を駆動し、瞬時に「遠近」が切り替わります。

従来の遠近両用メガネにありがちな歪みや視野の狭さを克服した、まさに「夢のメガネ」です。

「メガネには長い歴史がありますが、これまでの進化量を今後の5年10年で追い越すほどの技術革新が予想されています。事実、TouchFocus™はメガネなのかデジタル家電なのか、境界があいまいな製品です。しかし、視覚の屈折異常の補正に関しては、私たちメガネ店がプロフェッショナル。近視・遠視・乱視の悩みがある限り、私たちの牙城は崩れないと確信しています」

メガネ・補聴器販売を通じて社会貢献する姿勢を貫いている事は、まさにこれからやってくる超高齢社会に必要不可欠な事と大変感銘を受けています。今後もIT面から事業貢献できるように、ご提案して参りたいと思います。