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コンサルタントのコラム

ファイルサーバ管理のススメ

[第1回]ファイルサーバの現状とバックアップ(その3)

2013年9月(2020年10月改訂)

ファイルサーバのバックアップとして、前回はその目的・要件・方法・課題について考えてみました。
今回はバックアップの構成例と、ファイルサーバの現状とバックアップのまとめについてお話します。

バックアップの構成例

以上の要件を基に、いくつかファイルサーバのバックアップ構成例と特徴を挙げてみます。
と、いっても何らかのモデルが必要になりますので、弊社で実施した「簡易情報アセスメント」から、よくありそうなモデルを設定してみます。

対象ファイルサーバ ギガビットLAN上のNAS
ファイルサーバデータ量 1TByte
データ更新量 10%/月→100GByte/月→5GByte/日

[図]

構成例1はNAS等のストレージに増分バックアップをとり、主サイトのNASをレプリケーションにより遠隔地のNASに複製する方法です。

この構成のメリットはバックアップ媒体が主サイトにあるので、通常範囲でのファイルサーバ故障にともなう復旧作業は主サイト内で行えます。また、レプリケーション対象が圧縮されたデータとなるので、回線に対する負荷も少なくて済みます。

デメリットとしては、主サイトのサーバが被災した時、サーバ自体の手配が必要になること、手配したサーバの設置場所まで遠隔地のNASを搬送する必要があること、フルリストアの時間がかかること、が挙げられます。

期待できるスループットとしては、日次増分バックアップで20分程度(フルバックアップイメージ構成時間を含む)。レプリケーションにかかる時間は、重複排除・圧縮がかかった上での差分データの同期ですから仮に圧縮率が2倍としても2.5GByteのデータ転送を考えればよいことになります。実効10Mbpsの帯域が確保できるとすれば、1時間あれば十分転送可能となります。

[図]

構成例2は主サイトのファイルサーバのレプリケーションを直接遠隔地サイトに取り、遠隔地サイト内でバックアップを取得する構成です。

この構成のメリットは主サイトが被災し、ファイルサーバが使えなくなった場合、遠隔地サイトのサーバを代替機としてそのまま使える点です。

デメリットとしては、通常範囲でのファイルサーバ故障にともなう復旧作業では遠隔地からファイルコピーを行う必要があること、回線への負荷が比較的大きいこと、が挙げられます。

回線利用について、日昼帯は帯域を絞り、夜間帯は帯域を開放するといった設定もできますし、夜間だけで一気に同期させることも考えられます。

夜間に同期させることを考えた場合、実効10Mbpsの帯域が確保できるとすれば、10GByteのデータ転送は3~4時間あれば十分可能となります。遠隔地サイト内でのバックアップは日昼帯に実行しても本番機に対する影響はありません。

4.まとめ

ファイルサーバには、組織にとって重要な情報が集積されています。しかし、その管理は、各利用部門まかせになっていたり、重要な管理策がなされていなかったりと大きな課題となっています。管理目的を明確にしたうえで、必要な対策を行なっていくことが求められています。特にバックアップは重要な管理項目の一つとなります。組織として、同一の基準に基づき、整合のとれた実行が求められます。

次回は、ファイルサーバのバックアップを行う上で大きな課題となっているデータの肥大化とファイルサーバの見える化について書いてみたいと思います。

執筆

NECネクサソリューションズ
コンサルタント 吉川 明人
[CISA公認情報システム監査人,CRISC 公認リスク情報システム管理者,情報セキュリティアドミニストレータ,ネットワークスペシャリスト,NPO事業継続推進機構会員]

この4月に組織変更があり、「コンサルティング部」から「RZソリューション事業推進部」という部署に異動になりました。相変わらず、「リスク管理の観点」からコラムを執筆していきたいと思います。

*本コラムは、筆者の個人的な見解に基づいて書かれています。

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