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総務人事向け
「月刊総務」編集長が語る戦略総務(第2回)

経営の方向性に合わせ、全社目線で推進する

2017年10月

経営の方向性に合わせ、全社目線で推進する

戦略総務という言葉の「戦略」とは、言い換えると「選択」です。何を選び、何を捨てるか、限られたリソースを振り向ける先を確定しないと、実現するものも実現しません。その際の選択する判断軸がとかく大事です。経営が望むべき方向性に合わせないことには、そのアクションは無駄骨となるでしょう。今回は、経営の方向性に合わせる意味と方法を紹介します。

方向性を合わせるとは選択すること

まずは方向性を合わせる、このことから説明しましょう。方向性を合わせる、よくベクトルを合わせるともいわれます。向かうべき方向を定めるという意味で考えればよいでしょう。方向を定めるということは、その裏には「選択している」という事実が存在します。逆に言えば、選択しない活動や行動は存在しないと言ってもいいかもしれません。

例えば、あなたが日曜日にゴルフをするとしましょう。これは一体何を選択した結果なのでしょうか?ゴルフが趣味という人であれば、あなたの趣味を第一に選択したことになります。日曜日は、自分の時間でもありつつ、家族がいれば家族のための時間でもあるわけです。ですから、日曜日に自分の趣味であるゴルフをするということは、逆に言えば、家族との時間は選択していないということになります。このように全ての行動は、「何かを選ぶ」「選択する」ということなのです。

何を選ぶか、何を大事にすべきなのか

総務の現場で話してみましょう。例えば会議室の照明についてです。A部長が「会議室の照明が明るすぎる」と言ったとしましょう。一方、B部長は「いやいや、会議室の照明は暗すぎる、もっと明るくしてほしい」と言う。このようなケースで、総務部のあなたはどうするべきか。まずは、総務部としての方針を決めなくてはなりません。その方針はA部長、B部長のどちらの意思を選択すべきなのでしょうか?あるいは、業界標準や法律で定められている照度の基準などをベースに考えるべきなのでしょうか?

方向性を定めるとは、常に「何を選択するか」「何を第一に考えるか」という対象が存在します。そして、この「何」を明確に定める必要があります。そうでないと、先の照明の話では、A部長から言われて暗くして、B部長から言われて明るくしてと、総務部の行動がぶれてしまう結果となります。これでは成り行きで対応している状態です。しっかりと目的を定めて行動することにより、軸がぶれない活動となるのです。

経営に貢献するという選択、意思

別の例を挙げましょう。本社移転をする場合、場所の選定には、多数の選択肢があります。社員の通勤負担を軽減する、採用活動を有利に進める、取引先に近い場所を選ぶ、等々。社員のことを考えれば、社員へアンケートを取り、今の通勤経路を鑑みて判断することになるでしょう。しかし、人口減の今の時代、企業の将来を考えると採用に有利な立地の方が大事かもしれません。あるいは、商品サイクルが早くなっている今、取引先とのコミュニケーションを優先する方が得策かもしれません。

総務は常に現場の社員のために仕事をすることがベストというわけではありません。将来を考え、今の事業状況を考えると、それとは違う結論を選ぶことになることが多いものです。むしろ、総務が方向性を定めるとしたら、会社に貢献するという意識、経営の方向性と合わせるという意思を常に持っておくことが必要となるのです。

「けんかができる総務」になろう

経営の方向性と合わせることを総務の明確な意思とした場合、いい意味で現場と「けんかができる総務」となるわけです。仮に現場が第一、現場が最も大切であるとしている総務であると、現場の用足しだけの総務、なんでもかんでも現場の言われた通りに動く総務になってしまいます。先の郵便物のケースでは、なんで総務部が配達しないのだと、言われることになります。しかし、経営の方向性に合わせていれば、そしてそれをしっかりと説明ができれば、現場に理解してもらい、各部署で取りにくることに納得してもらえるはずです。

いま、現場に言われるままの立場の弱い総務が多いと思います。しかし、経営の方向性を総務の方向性に合致させていれば、現場にしっかりと説明ができるようになります。その結果、自分のアイデアが理解され、会社に自分の施策が採用されるという、私たちが目指すべき総務に近づくのです。

総務は全社目線で、経営に沿った施策を行なうべき

経営の方向性に合わせていけば、自分の行動に自信が持てますし、現場と対等に話ができます。あるいは、現場は自分の事業部しか見ていない一方、総務が全社のことを考えているのであれば、現場より広い視野から物事を話せるかもしれません。それが総務のプロなのです。

総務がプロとなり、全社に影響する施策を実行していけば、一営業部門が売上を伸ばすより、はるかに経営に貢献することができます。また、そのようにして企業を変えていくものなのです。

総務の目的は、企業の成功です。常に企業の成功を第一に考えることが重要です。総務は経営に代わって、総務の世界で仕事をしているので、経営の意向に沿うのは当たり前なのです。経営方針は各社各様。それに沿って行う戦略総務も各社各様です。どれが正しいかは、その企業の経営方針によるのです。

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