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「月刊総務」編集長が語る
新時代の戦略総務 ~変わるモノ、継続するモノ~(第2回)

本格化した在宅勤務。この機会に不要業務を見極める

2020年11月

本格化した在宅勤務。この機会に不要業務を見極める

在宅勤務が本格化しました。ですが、在宅勤務をしようにも会社に書類があって出社しないと対応できない、そんなケースもあったと思います。一方で、すんなり在宅勤務に移行できた企業もあります。その差は一体何だったのでしょうか。在宅勤務の成否を決めたポイントを考えてみます。

在宅勤務によりあぶり出されたものとは

在宅勤務をする際、今の仕事が在宅でできるのかどうか、まずは見極めをしたのではないでしょうか。そのまま在宅でできるものはそのまま移行、在宅でできない仕事は出社して対応するか、当面対応せずにしておく。そんな判断もあったかと思います。

在宅でできずにそのまま対応しなかった仕事の中には、実はそもそも必要ではなかった仕事もあったのではないか、と私は考えています。オフィスにいることでなんとなくしていた仕事、でも本来は必要のない仕事。それが今回の在宅勤務であぶりだされた不要業務です。

この不要業務は出社が再開となったとしても、もうすることはないでしょう。むしろ廃止すべき業務で、不要業務があぶり出された結果なのです。一方で、在宅ではできないが、どうしても必要な業務については、テクノロジーを活用して対応したものもあると思います。

例えば押印業務。これはクラウドサービスを慌てて導入して対応した企業も多かったはず。さらに、電話対応。特に総務部だと代表電話の対応があります。転送サービス導入やIP電話への変更、などで対応したのではないでしょうか。

もう一つ、郵送物の対応。これはテクノロジーでの対応は難しく、多くの企業ではたまたまその日に出社している従業員に開封してもらい、中身を確認、しかるべき部署にメールやチャットで連絡して、必要があればスキャンして送信、そんな対応ではなかったでしょうか。

不要業務を見逃してないだろうか

在宅勤務で不要業務があぶり出された一方で、実は見逃されている不要業務も存在します。すんなり在宅での対応が可能となった業務の中で、実はそもそも必要のない業務がそのまま在宅で対応され続けているケースです。これは各社によって業務内容が違うでしょうから、今一度、在宅でできる仕事の中身を見直したいものです。

一方で、在宅でできた業務で続けていくものについても、さらなる効率化を目指したいものです。先に記した、在宅ではできないが必要とされる業務は、その必要性からなんとか対応しなくてはならず、結果、テクノロジーの活用という変化をもたらしました。同じように、必要であり在宅でできる業務については、この機会を使ってさらなる改善にチャレンジしたいものです。

新時代の戦略総務 ~変わるモノ、継続するモノ~

総務によるデジタルトランスフォーメーションとは

業務のさらなる改善と言えば、デジタルトランスフォーメーション(DX)を思い浮かべる方も多いと思います。テクノロジーの活用をDXというふうに理解されている方もいらっしゃるとは思いますが、本質的な意味としては、デジタルでの変態がまずありきなのです。

つまり、どのような状態を目指したいか、もしくは、ありたい姿を定めて、それをテクノロジーで実現するという意味が本質的な意味となります。ただ単にテクノロジーを活用すれば良い、という意味ではありません。もっと言えば、「How:どのようにテクノロジーを導入するか」を先に考えるのではなく、まずは、「Why:なぜDXしないといけないのか」、そして、「What:どのような世界を創りたいのか」、それを定めてから「How:それをどのように実現するか」、その順番で考えるのです。

「合成の誤謬(ごびゅう)」という言葉があります。各論では正解なのですが、それらを全て統合して考えると不整合が現出する、という意味です。Howだけを考え、そこから入り続けると、整理されずに複雑化して使われないシステムができあがる、という問題が発生してしまうのです。

業務の見直し、その王道は、「やめる、減らす、変える」です。小手先の方法を変えるのではなく、まずはやめられないかを考えることです。その業務が無くなれば、その分のリソースが確保できて大きな業務改善となります。

このような言葉があります。「もっとも非効率な仕事は、本来不要な仕事を効率化すること」、ピーター・ドラッカーの言葉です。ドラッカーはまた、生産性向上の6つのステップの中で、1番目のステップとして「不要な業務をやめること」、そして、2番目に「本来やるべき業務に集中すること」、そのように述べています。

このようにまず考えるべきは、やめられるかどうか、いわゆる必要性の有無です。考慮した結果、必要となった場合には、量を減らす、スピードを落とす、正確性を落とす、そんなことを考えるのです。例えば、精緻に見栄えがいい資料を作ったが、経営企画会議では数字しか見てくれなかった、そういう経験もあると思います。状況によっては、ある部分の仕事の質を落とすことも必要です。

それでも減らせない場合、次の手立てとしては、変えることです。方法を抜本的に見直す。あるいは、テクノロジーに置き換える、あるいは外部に任せる。そんなことを考えるのです。

BPOの上手な活用こそプロ総務への道

総務で今後多くなってくるのがBPOの活用です。BPOの活用が長けている総務が、私が考えるプロ総務と言えるでしょう。BPOとはビジネスプロセスアウトソーシングという意味で、外部に委託することです。私は仕事で多くのBPOベンダーと会いますが、サービスは日々進化しています。というのも、BPOを活用しようとする業務は、皆さんにとってはノンコア業務と言われるもので、あまり重要ではない業務が多いと思います。

一方で、BPOベンダーにとってはそのノンコア業務が彼らの生計の源であるコア業務となります。コア業務ですから、当然ながらそこに投資もするし、日々進化させようとします。言い方は悪いですが、彼らは一般の従業員より専門性が高く、高度なスキルを持っているため、合理的・効率的に業務を遂行することができる場合が多いのです。総務の仕事は社内のメンバーだけで行うには限界があります。むしろ外部を活用し、レバレッジを効かせて成果を上げることが重要です。

そこで、そのレバレッジとしてBPOの活用が重要になります。プロ総務は、BPOベンダーに対して業者扱いは決してしません。パートナーとしてリスペクトして対応します。BPOベンダー側も人間ですから、業者扱いされるより、パートナーとして対等に接してもらい、さらにリスペクトされれば、コスト以上の働きをしてしまうものです。

また、プロ総務は決して「こうしてください」と指示はしないものです。「こうしたいのだが、どうだろうか」、そのようにBPOベンダーに問いかけ、プロとしての知見を上手に引き出します。指示してしまったら、それ以上の知見は引き出せません。

在宅勤務の必要性に伴い、多くの業務が見直されたことでしょう。大事なのは、すんなり在宅勤務に移行された業務についても改めて見直す覚悟です。「やめる、減らす、変える」の順番で、かつ、テクノロジーとBPOを徹底的に活用して、さらなる効率化を目指したいものです。

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