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総務人事向け
弁護士が回答する! 総務人事が知っておくべき制度(第16回)

職場内でボイスレコーダーによる録音を行う者を処分できますか?

2019年9月

Q. 職場内でボイスレコーダーによる録音を行う者を処分できますか?

録音目的で常にボイスレコーダーを携行する社員がおり、他の社員たちは不気味に感じています。注意しても「いつハラスメントを受けるか分からないので身を守るためです」と聞く耳持ちません。どう対処すべきですか。

A. 職場環境への悪影響を理由とした録音禁止や懲戒処分は可能です

最近「パワハラ対策に録音が有効」といった報道や記事を目にします。確かにパワハラ被害に苦しむ社員が上司の罵詈雑言をやむなく無断録音し、その録音データや反訳書を民事裁判に提出した場合、裁判所は証拠採用する可能性が高いです。

裁判例には、無断録音した録音テープについて、著しく反社会的な手段を用いて、人の精神的肉体的自由を拘束する等の人格権侵害を伴う方法によって採集された場合は、例外的に証拠能力が否定されるとしたものがあります(東京高裁平52.7.15判決)。部外秘の会議にひそかにボイスレコーダーを置いて録音するようなケースは大いに問題がありますが、パワハラ上司との面談を無断録音しても「著しく反社会的な手段」とまではいえません。

しかし、そのことと、他の社員たちが仕事をしている中でボイスレコーダーを回すような行為は別問題です。

ある社員が無断で職場内の録音をするような状況では、他の社員たちは常にそのことが気に掛かり、職場環境を害することは明らかですし、営業上の秘密が漏洩する危険をも伴います。このような職場環境への悪影響を理由として、録音禁止命令を発したり、それに違反した場合に懲戒処分を科すことは法的にも問題ありません。

裁判例にも、録音禁止命令に従うことなく譴責の懲戒処分を受けても何ら反省の意思を示さなかったことを理由の一つとした普通解雇を有効と認めたものがあります(東京地裁立川支部平30.3.28判決)。

弁護士が回答する!総務人事が知っておくべき制度

筆者プロフィール

橘 大樹(たちばな ひろき)

橘 大樹(たちばな ひろき)

石嵜・山中総合法律事務所 弁護士
専門分野 労働法(経営側)

慶應義塾大学法学部法律学科、一橋大学法科大学院卒業。司法試験合格後、司法修習を経て弁護士登録、石嵜・山中総合法律事務所に入所。労働法を専門分野とし、訴訟、労働審判、団体交渉などの紛争対応、顧問企業からの法律相談のほか、執筆やセミナーに活躍中。

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