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総務人事向け
弁護士が回答する! 総務人事が知っておくべき制度(第18回)

パワハラに当たるかは「受け手」の感じ方で決まりますか?

2019年11月

Q. パワハラに当たるかは「受け手」の感じ方で決まりますか?

上司が若手の仕事ぶりに問題があるため指導したところ、若手が「パワハラ」であると相談窓口に申告してきました。本人が不快な思いをしてパワハラであると感じた以上、上司に注意すべきでしょうか。

A. パワハラかの判断は「客観性」が重要

よく「受け手がパワハラと思ったらパワハラ」という言い方がされますが、受け手の主観のみでパワハラかどうかが決まるというのは誤りです。

そのような基準では、若手は気に食わない上司がいたら「パワハラだ」と声を上げればよいことになってしまいます。上司は適切なマネジメントを行えず、組織の服務規律は成り立ちません。

2018年3月に出た「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会報告書」は、パワハラに当たるかの判断に当たっては一定の客観性が必要であると指摘し、「本人の意に沿わないことが全てハラスメントに当たるようなことになれば、上司は萎縮して通常の指導を躊躇することや無用の紛争が生じるおそれがあるという意見が示された」と述べています。

その上で、一定の客観性を確保するために「平均的な労働者の感じ方」を判断基準とすべきと提言しています。これは世の中の平均を基準としたときに就業環境が害されるかという基準ですから、まさに「客観性」を問題とするものといえます。パワハラはその言動を受けた個人がどう感じたかを基準とするのではなく、「平均」「客観」がポイントという考え方です。この考え方は今後出される予定の厚労省指針でも採用されることになっています。

設問のように「自分がパワハラと感じたのだからパワハラだ」という申告は通用しません。勿論、そこに「暴行」「暴言」「人格否定」「侮辱」「怒鳴りつける」などの客観的言動が伴い、それによって部下に不快感、嫌悪感を与えたのなら問題であり、就業環境を害するものとして上司への懲戒処分や厳重注意等の措置を検討しなければなりません。しかし、そのような客観的言動が認められないのであれば申告者に「パワハラに当たる言動は認められない」と説明すれば足ります。

企業のパワハラ防止策を進めるに当たっては、こうした組織の服務規律の観点に基づく周知・啓発も重要です。

弁護士が回答する!総務人事が知っておくべき制度

筆者プロフィール

橘 大樹(たちばな ひろき)

橘 大樹(たちばな ひろき)

石嵜・山中総合法律事務所 弁護士
専門分野 労働法(経営側)

慶應義塾大学法学部法律学科、一橋大学法科大学院卒業。司法試験合格後、司法修習を経て弁護士登録、石嵜・山中総合法律事務所に入所。労働法を専門分野とし、訴訟、労働審判、団体交渉などの紛争対応、顧問企業からの法律相談のほか、執筆やセミナーに活躍中。

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