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総務人事向け
弁護士が回答する! 総務人事が知っておくべき制度(第19回)

セクハラ事案で「女性が拒否しなかった」という弁解をどう考えるべきですか?

2019年12月

Q. セクハラ事案で「女性が拒否しなかった」という弁解をどう考えるべきですか?

職場で男性上司がわいせつな言動を日常的に行い、女性社員に嫌悪感、不快感を与えていた事案があります。男性上司は「女性社員の方も話を合わせていたし、抗議を受けたこともなく、許されていると勘違いした」と弁解していますが、このような事案でも懲戒処分は可能でしょうか。

A. そのような弁解は通用しません。

セクハラとは、職場における性的言動により労働者の就業環境を害することを意味します。設問のような職場での卑わいな言動のほか、執拗に2人きりでの食事に誘う、不必要に身体や髪の毛に触れるような行為が典型的です。

このようなセクハラ言動は、特に女性社員の働く環境を阻害する点で許されない行為です。法律上も企業はセクハラ防止措置を講じる義務を負っています(均等法11条)。具体的には、セクハラ禁止の周知・啓発(研修、パンフレット配布など)や相談窓口の設置、行為者に対する懲戒処分といった措置を講じなければなりません。

セクハラの懲戒事案でよく見られる弁解として「女性側も拒否、抗議しなかった」「だから許されていると思った」というものがあります。これらが情状として行為者に有利な事情として働くかですが、最高裁は明快にこれを否定しています。

最判平27.2.26労経速2243号3頁は、被害者から明白な拒否の姿勢を示されておらず許されていると誤信していたとの事情について、「職場におけるセクハラ行為については、被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも、職場の人間関係の悪化等を懸念して、加害者に対する抗議や抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたりちゅうちょしたりすることが少なくない」と指摘した上で、行為者に有利な事情として評価するのは相当でないと判示しています。

最高裁の考え方からしても、設問のような事案について懲戒処分を科するのは当然可能ですし、かつ、処分を軽くする情状にもならないと考えるべきです。

弁護士が回答する!総務人事が知っておくべき制度

筆者プロフィール

橘 大樹(たちばな ひろき)

橘 大樹(たちばな ひろき)

石嵜・山中総合法律事務所 弁護士
専門分野 労働法(経営側)

慶應義塾大学法学部法律学科、一橋大学法科大学院卒業。司法試験合格後、司法修習を経て弁護士登録、石嵜・山中総合法律事務所に入所。労働法を専門分野とし、訴訟、労働審判、団体交渉などの紛争対応、顧問企業からの法律相談のほか、執筆やセミナーに活躍中。

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