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総務人事向け
弁護士が回答する! 総務人事が知っておくべき制度(第23回)

上司・同僚の「マタハラ」とはどのような言動を指しますか?

2020年4月

Q. 上司・同僚の「マタハラ」とはどのような言動を指しますか?

セクハラ、パワハラについては具体的な言動のイメージが湧きますが、上司・同僚によるマタニティ・ハラスメントとはどのような言動をいうのでしょうか?社内への周知・啓発に当たり知っておきたいと思います。

A. (1)不利益示唆、(2)制度利用阻害、(3)嫌がらせという3タイプ

企業は、職場で上司・同僚がマタハラ言動を行わないよう、マタハラ防止の「措置」を講じる義務を負っています(均等法11条の3、育児介護休業法25条)。具体的には、マタハラ言動をしないよう社内にきちんと周知・啓発し、相談窓口を設けて調査・処分等の対応をしなければなりません。

それでは、社内に周知・啓発すべき「マタハラ言動」とは、一体どのような言動をいうのでしょうか。

一言で言えば、上司・同僚のマタハラ言動とは、妊娠、出産、育児休業、時短等に対して否定的な言動を行うことを意味します。より具体的には、(1)不利益示唆、(2)制度利用阻害、(3)嫌がらせという3つのタイプがあります。

(1)不利益示唆

妊娠を報告したり、育児休業や時短を申請した社員に対し、「そんなやつは辞めていい」「今度の評価を見ておけ」などと、退職、雇止め、降格、減給等の不利益を示唆する言動。

(2)制度利用阻害

育児休業や時短を申請した社員に対し、「育休を取り下げてくれないか」「自分だったら時短を請求しない」などと、法律上認められた制度の利用を妨げようとする言動。

(3)嫌がらせ

妊娠した社員、育児休業や時短を申請した社員に対し、「大した仕事はさせられない」と嫌がらせ目的で雑務を押し付ける、「周りを考えていない行動だ」などと繰り返し嫌味を言うこと。

上では妊娠、育児に関する言動を挙げましたが、介護休業、介護時短など「介護」に関する言動も含まれるため、注意が必要です。

人はなぜ、こうしたマタハラ言動を行ってしまうのでしょうか。そこには「業務しわ寄せ」による怒りの感情が影響していると指摘されています。すなわち、厚労省指針は、妊娠や時短利用の影響で「周囲の労働者の業務負担」が増大してしまい、それが上のようなマタハラ言動につながってしまうと述べています。

したがって、企業は、上記(1)(2)(3)のようなマタハラ言動をしないよう社内に周知・啓発するのは勿論のこと、こうした言動を引き起こす「要因」への対処として、周囲への業務偏りの軽減、業務分担の見直し、業務点検・効率化といった措置を検討することも求められています(厚労省マタハラ指針)。

このほか、法律・指針が想定するマタハラ言動に該当するかはさておき、次のような言動は企業のマネジメントとして適切でないため、こうした言動も含めて社内に周知・啓発することが考えられます。

  • 嫌味を言ったり、明確な言動はないにせよ、暗に育児や介護に関する制度を利用しづらい雰囲気を作る
  • 結婚した後から妊娠について「この案件が一段落ついてからが有難いなあ」とプレッシャーをかけ、プライベートにも立ち入るような言動をする
  • 妊婦や時短勤務者に対して、嫌がらせ目的で雑務を押し付けたりはしないが、本人の意向確認や説明をきちんと経ずに、今までの仕事から別の仕事に担当変更してしまう

弁護士が回答する!総務人事が知っておくべき制度

筆者プロフィール

橘 大樹(たちばな ひろき)

橘 大樹(たちばな ひろき)

石嵜・山中総合法律事務所 弁護士
専門分野 労働法(経営側)

慶應義塾大学法学部法律学科、一橋大学法科大学院卒業。司法試験合格後、司法修習を経て弁護士登録、石嵜・山中総合法律事務所に入所。労働法を専門分野とし、訴訟、労働審判、団体交渉などの紛争対応、顧問企業からの法律相談のほか、執筆やセミナーに活躍中。

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