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特集

社員の紹介による人材採用のメリット・デメリットとは?

2018年11月

社員の紹介による人材採用のメリット・デメリットとは?~優秀な人材はリファラル採用で採る!~

「優秀な人材を採用したい」、これは企業が常に望んでいることだ。しかしながら、思うような人材が入社を希望してくれることは決して多くはなく、また実際に面接を経て入社してもらったはいいものの、適性が合わなかった……というのもよくあること。こうしたデメリットを可能な限り排除する採用方法が、社員に人材を紹介してもらう「リファラル採用」だ。リファラル採用にはどのようなメリットがあり、一方でどのような課題があるのか、ポイントを解説する。

なぜリファラル採用が重要視されるのか

「リファラル採用」という言葉を聞いたことがあるだろうか。「リファラル(referral)」は英語で“紹介”“推薦”といった意味の言葉。従来の採用は求人紹介サービスや求人媒体の活用、人材派遣会社による紹介などによって募集を行うのが一般的だった。それに対して今注目されているリファラル採用は、社員の紹介によって採用選考を行う方法である。

近年は売り手市場といわれ、各社が質の高い人材や自社にマッチする人材を集めることが難しくなっている。そもそも、応募者数自体を十分に集められていないのが実情だ。また、その限られた候補者の中から採用を決定したとしても、いざ入社すると思うような人材ではなかったり、適性が合わなかったりして、結果的に早期離職となってしまうケースが多い。これでは採用活動にかけた様々なコスト、人事部門をはじめとする社員の時間や人件費も無駄になってしまう。

そのような情勢の中で、リファラル採用への注目度が高まってきた。米国では採用全体の約3割をリファラル採用が占めており、中小企業においても新規採用の2割以上が社員の紹介だと言われている。企業規模にかかわらず、米国はリファラル採用が一般的になっている現状がうかがえる。

メリットは高いマッチング率、採用コスト削減、幅広いアプローチ

リファラル採用のメリットはどういった点にあるのだろうか。まず強調したいのが、マッチング率の高さだ。社員が友人・知人を紹介するということは、紹介者となる社員自身がすでに会社の事業コンセプトや企業文化、社風などを知っているわけで、それらに合った人材の確率が高くなる。そのため、企業が期待する活躍をしてくれる可能性、さらには定着率も高くなると考えられる。

2点目は採用コストの削減だ。リファラル採用なら募集のための会社説明会やセミナー、懇親会などを行う必要がなく、会場費、地方出張費、人件費といった採用にかかわる様々な間接コストを削減できる。求人紹介サービスや人材派遣会社の利用コストも減らせるだろう。もちろん採用試験や面接に関する直接コストも必要ないため、採用のコストは全体的に大きく圧縮することが可能になる。一定の能力やスキルを持っていることがわかっていれば、育成コストを低減できる点もメリットだ。このほか、転職活動を行っていない優秀な人材にアプローチできる点もメリットと考えられる。求人情報は通常、転職活動中の人にしか届かない。転職活動はしていないが転職に興味のある人が社員の友人・知人にいた場合、転職市場では確保できない人材の発掘につなげられるだろう。

もちろんリファラル採用にもデメリットといえる要素はある。例えば紹介者が何らかの事情で離職した場合、その紹介で入社した人材も離職してしまう可能性がある。また、紹介者と紹介された人材の関係が悪くなった場合も、一方もしくは両者を失うことがある点に留意したい。さらには、同じ年代・スキル・価値観の社員が増えすぎ、社内の均質化が進んでしまう危険性も指摘される。

コネ採用と思われないように注意しよう

リファラル採用の実施にあたって注意したい点も挙げておこう。まずは「縁故採用」との違いを認識しておくことだ。日本では以前から縁故採用が行われている。縁故採用は親族・血縁者・関係者などを採用するものだが、適性やスキルに関わらず採用されるケースが多い。こういった採用は「コネ採用」と同一視され、社内外ともにネガティブなイメージを生む可能性もあるので、注意したいところだ。また、縁故採用とイコールではないものの、リファラル採用でも経営層・管理者など立場が上の人による紹介は一般的に断りにくい。上司の“押し付け”とならないように公平な選考を行いたい。

公平という点でいえば、社員間の公平を図ることも重要。採用が決定すると紹介者に一定の報酬を支給する制度を持つ企業もあるが、紹介できる知人を持たない社員が不公平に感じ、不平不満に発展するケースがあるからだ。そのほか、紹介する人材のスキルや適性を紹介者が正しく把握しておらず、結果的にミスマッチとなるケースもあり得る。

紹介する社員側の注意点としては、他社で働く知人に自社の話をするとき、引き抜き行為と捉えられて印象が悪くなることがあるので、接触には慎重さが求められる。

リファラル採用はどうすれば成功させられるのか

リファラル採用で成功している企業ではどのような事例が見られるのだろうか。いくつか紹介する。

あるIT企業では、個人的なつながりを重視する採用方針のもと、紹介を社員に呼びかけ、リクルーティングのための会食費を補助するなどリファラル採用支援の取り組みを展開している。取り組みの結果、紹介者側は責任を持ってしっかりした人材を紹介するようになり、リファラル採用の価値を実感しているという。

ある医療系企業では、全社員にリファラル採用を積極的に行うよう認知させ、採用決定に至ると紹介者にインセンティブを支給する制度を導入。紹介者は対象の人材について人事に連絡するだけでよく、あとは人事側が声がけなどを行う仕組みも導入した。その結果、年間の紹介数は100人以上、そのうち1/3以上が採用決定になるという成果を上げた。また、ある人材関連企業でも、インセンティブを設けるなどの制度設計だけでなく、社員向けに説明会を開催してリファラル採用の意義を理解させた。その結果、多くの採用決定が出た上、従来採用にかかっていたコストを10分の1以下に圧縮できたという。

リファラル採用は、うまくいけば会社に多くのメリットがあるが、実施にあたってはここまで書いてきたような様々な配慮が求められる。また、会社自体に魅力がなければ、社員が自主的に優秀な人材を紹介してくれることもないだろう。まずは社員のロイヤリティやエンゲージメントを深め、友人・知人を紹介したくなるような会社にしておくことが、リファラル採用によって会社自体の価値を高めるための大きなポイントだ。

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