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特集 1分で読める!総務人事の最新トレンド解説

ミドルマネジメント層の負荷軽減と次世代人材育成を図る
シェアード・リーダーシップとは

2022年5月

ミドルマネジメント層はいつだって忙しい。若手社員が育たなければ業務負荷の軽減も難しいが、昨今の若手は概して受動的な傾向が強く、人事部門や経営層の悩みの種だ。しかし受動的ではあるものの、成長の機会を待っていることは間違いなく、育て方によっては次世代のリーダーになり得る。ここは組織の在り方を変え、若手社員がリーダーシップを発揮できる場を与えてみるのも一つの手ではないだろうか。その手法として、シェアード・リーダーシップに注目してみよう。

ミドルマネジメント層は常に忙しい

リクルートマネジメントソリューションズの調査によると、会社の組織課題として、管理職層の68.7%、人事担当者の69.3%が「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」を選択している。管理職層の回答で1位、人事担当者では3位といずれも上位にきており、ミドルマネジメント層の忙しさが重要な課題として捉えられている現状が見えてくる。

ところが、同調査の別の設問で人事担当者の回答を見ると、管理職の負荷軽減は計画や方針に盛り込まれてはいるものの、高い優先度では考慮されていないのが現状のようだ。忙しさの原因はビジネス環境の変化や管理職にかけられる期待の大きさ、そして本人のマネジメントスキルの問題などさまざまだが、いずれにしてもミドルマネジメント層の過重な業務負荷を軽減するには、彼らのもとで働く若手人材の成長が必須条件といえそうだ。

出典:リクルートマネジメントソリューションズ「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査」

若手社員の自己評価と成長意欲との関係

では、肝心の若手社員のほうはどうか。ファーストキャリアの調査によれば、若手社員が「自分たちのマイナス面」に考える部分として「行動力に乏しい、率先して動くことができない」が1位、「基本的に周囲の動きを待つ、受け身・受動的」が2位という結果になっている。これは「自分たちのプラス面」の1位になった「協調性がある、チームワークを大切にしている」の裏返しと取れる面はあるものの、心もとないイメージは確かにあり、人事部門にとっても悩ましいだろう。

一方で、「プラス面」の3位には「成長力がある、成長に対して意欲的」が上がっており、若手社員には成長への意欲があることは読み取れる。ただ、「望む育てられ方」を見ると「成長の機会、実戦経験を与える」が1位だ。これらの点を総合すると、若手社員は成長の意欲や自信はありながらも、協調性を重んじ、周囲を伺いながら行動する傾向があるため、自発的な行動ができず、会社に自分の良さを引き出してほしいと考えている可能性がある。

このように「成長したい、機会を与えてほしい」という思考を持った若手の期待に沿うためには、これまでとは異なる取り組みを試みるのも一つの手だ。その手法として今注目されているのが「シェアード・リーダーシップ」である。

出典:ファーストキャリア「『新卒・若手層育成研究所』調査レポート」

シェアード・リーダーシップとは

シェアード・リーダーシップとは、一人の管理職が上にいてその下に複数のメンバーがいる従来の縦方向のリーダーシップではなく、複数のメンバーもしくはチームの全員がリーダーであり、対等な関係性の意識のもとお互いに横方向で影響を与え合うという考え方だ。

ある鉄道グループの清掃会社では、顧客のためのサービス改善提案などで現場メンバーが各自リーダーシップを発揮している。背景にはメンバーが自己効力感をもって臨み、かつ信頼関係が構築されていることがあるようだ。またある板金加工業者では、社員がアイデア提案や熟練技術の提供を率先して行っている。こちらは経営者が事業の方向性をわかりやすく明示していることから、社員がリーダーシップを発揮しやすい環境が整備されているといえる。

この考え方を取り入れると、社員各自にリーダーとして活躍できる機会をもたらすため、一人ひとりの自律性や責任感を高め、若手の成長を見込める。先ほどの調査結果になぞらえていえば、受動的で自ら率先して動けない若手社員に対し、成長の機会と実戦経験のチャンスを提供することになるわけだ。これによって“自分の良さ”を引き出された若手社員が自律的に行動するようになれば、そもそも一人では対応しきれないような忙しい業務をこなしながら、常にリーダーシップをとらざるを得ないミドルマネジメント層の負荷軽減にもつながるだろう。

受動的意識の強い若手社員を能動的に成長するよう仕向け、その結果としてミドルマネジメント層の過重な業務負荷軽減にもつなげられるシェアード・リーダーシップを、この機会に取り入れてみてはどうだろうか。

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