クイズ「情シス部門が知っておきたいテーマ」
設定してはいけないパスワードのタイプは?
2016年7月
悪意ある第三者による不正ログインの被害に遭わないためには、簡単に推測されてしまうような安易なパスワードの使用はNGです。では、どのようなパスワードなら推測されにくいのでしょうか。
クエスチョン
次のパスワードで最も推測されにくいものはどれでしょうか。
(1) september
(2) gl78wmx3z
(3) jHt5-Re@X
アンサー
(3)
解説
悪意ある第三者によるパスワードの推測方法
自分のパスワードが悪意ある第三者に知られてしまう原因の一つに、推測があります。安易なパスワードを用いると、簡単に推測できてしまい、不正にログインされる危険が高くなります。
推測の手法は基本的に、パスワードと予想される文字列を手当たり次第作成し、ログインできるまで何度も試していく、というものです。そのため、パスワードを推測されにくくするためには、「12345678」や「password」など単純すぎるもの、短すぎるものを避けるのは大原則です。
それとともに、意味のある文字列や数値を使わないことが基本です。自分の名前や誕生日の数値などはもちろん、一般的な単語も使用は避けるべきです。悪意ある第三者による不正ログイン用のパスワードの作成には、一般的な単語の組み合わせで行われるケースが多いからです。辞書に載っているような単語の組み合わせでパスワードを推測して不正ログインを試みる攻撃は、一般的に「辞書攻撃」と呼ばれます。
従って、パスワードは意味のないランダムな文字列が望まれます。ただし、用いる文字の種類によって推測されにくさが変わるので注意が必要です。悪意ある第三者は、辞書攻撃の次にパスワードとなる文字列を総当たりで組み立てます。例えば、アルファベットならAから、数値なら0から順番に一つずつ当てはめて予測していきます。
それゆえ、使われている文字の種類が多いほど、総当たり方式で推測されるリスクが減ります。アルファベットだけ、数字だけではなく、両者を組み合わせたり、記号も交えたりするとよいでしょう。さらにアルファベットも、小文字だけでなく大文字も交えると、より強固なパスワードになります。
推測されにくいパスワード
以上を踏まえ、今回のクイズの(1)~(3)のパスワードを改めて見てみましょう。
パスワードの長さはどれも同じですが、(1)は「september」という意味のある文字列が使われており、かつ、文字の種類がアルファベット小文字しか使われていないため、もっとも推測されやすいといえます。
(2)と(3)は意味のないランダムな文字列であり、大幅に推測されにくくなります。両者で使われている文字の種類に着目すると、(2)は小文字アルファベットと数値のみですが、(3)は小文字アルファベットに加え、大文字アルファベットと記号も使われているため、より推測されにくいといえます。
また、パスワードのセキュリティ全般としては、いくら推測されにくいものでも、複数の端末やサービスなどで同一のものを使い回すことは避けましょう。情報漏えいなどで、悪意ある第三者にひとたび知られてしまうと、すべての端末やサービスが不正ログインされてしまいます。他にも、一定回数以上ログインに失敗すると凍結するような端末やサービスを利用したり、パスワードに加えて生体認証やPINコードなどを組み合わせた2要素認証を使ったりすれば、対策として有効だといえるでしょう。
Tips
以下をチェックして、容易に破られないパスワードを作ろう!