クイズ「情シス部門が知っておきたいテーマ」
ブラウザに「これってサポート詐欺?」と思う警告画面が出てきたら?
2019年9月
クエスチョン
Webサイトを見ていたら、ブラウザに突然「サポート詐欺」と思われる警告画面が出てきた! どうすればいい?
- セキュリティ警告に表示されたサポート手順に従う
- PCの使用を中止し、表示されているサポートセンターに電話する
- 警告画面で指定されたウイルス駆除ソフトをインストールする
- ブラウザを終了させて警告文を無視する
アンサー
4.ブラウザを終了させて警告文を無視する
解説
サポート詐欺の危険は年々増加しており、マイクロソフトの調査によれば、2018年には63%のユーザーが何らかの形でサポート詐欺に遭遇した経験があります。
その手口とは、Webサイトを閲覧しているユーザーに対して、ウイルス感染やシステムトラブルといった偽の警告画面をブラウザ上に強制的に表示させるというものです。ブラウザに加え、ポップアップで表示するケースもあります。さらに画面とあわせて、ブザーのような音、感染の旨を読み上げる音声を流すなど、音でも警告するケースも少なくありません。
警告画面にはたいてい、偽のサポート窓口の電話番号やメールアドレスなどの連絡先が記載されています。あわてて連絡してきたユーザーに対して、有償の対策ソフトやサポートサービスの購入など、巧妙に誘導して金銭や個人情報をだまし取ります。電話の先には、オペレーターになりすました攻撃者が実際に口頭で対応する場合もあります。また、偽のウイルス対策ソフトのダウンロード先を表示し、ユーザーにインストールさせて、個人情報抜き取りや遠隔操作などを行う手口も多くあります。
近年はますます手口が巧妙化しています。警告画面にマイクロソフトやセキュリティベンダーなどのロゴを表示したりサポートページを偽装するなどして、正規の警告やウイルス対策ソフトであると信じ込ませます。さらに最近では、SNSの検索結果から詐欺ページに誘導する手口も登場しています。攻撃者は、SNSで対策方法を検索するユーザーをねらい、キーワードを巧妙に設定するなどして、偽の検索結果が優先的に表示されるように投稿しています。
サポート詐欺の被害を防ぐには、警告が表示されたら、まずは詐欺を疑う習慣を身に付けることが大切です。ブラウザに、わざわざ連絡先まで表示している警告はサポート詐欺の可能性が高いので、無視してブラウザを終了し画面を閉じましょう。ブラウザの終了は、画面右上にある[×]ボタン([終了]ボタン)をクリックすればOKです。ポップアップ画面が次々と表示されるなどしてうまく終了できなければ、強制終了させましょう。手順は下記のTipsの通りです。
ブラウザを終了させたら、すでに自分のパソコンにインストール済みの、信頼できるセキュリティソフトや診断ツールを使って、ウイルス感染やシステムトラブルがないか、改めて調べます。もしウイルス感染などのトラブルが見つかった場合は、サポート担当の助言を受けるなどしながら、然るべき対処をしましょう。
最後に、そもそもサポート詐欺のWebページが表示されないように、怪しげなWebサイトにアクセスしたり、SNSなどから送られてきたURLをむやみにクリックしたりしないことも対策になります。
Tips
ブラウザを強制終了させるには、「タスクマネージャー」というWindows標準ツールを利用する。Windows 10なら以下の手順になる。
- [Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押す。
- 全体が青い画面に切り替わるので、[タスクマネージャー]をクリック
- 元のデスクトップ画面に戻り、タスクマネージャーが起動して、そのウィンドウが表示される
- 現在起動中のアプリ(タスク)の一覧が表示されるので、ブラウザを選び[タスクの終了]をクリック
なお、タスクマネージャーの起動は他に、タスクバーを右クリック→[タスクマネージャー]でも可能だ。Windowsの種類によっては、操作画面やメニュー名などが少々異なるが、基本的には上記の流れで強制終了できる。