クイズ「情シス部門が知っておきたいテーマ」
IoTと何が違う!? 次世代のトレンド「IoB」とは
2021年4月
クエスチョン
IoTの次のトレンド? IoBって何?
- Internet of Bodies
- Internet of Buildings
- Internet of Bankers
- Internet of Blocks
アンサー
1 Internet of Bodies(ヒトのインターネット)
解説
IoT(Internet of Things)はあらゆるモノがインターネットに接続されるという意味で、ご存じの通り「モノのインターネット」といわれています。すでに物流や製造業などで導入されており、現場に様々な効果をもたらしています。このIoTの次に期待されているといわれる「IoB」は「Internet of Bodies」、直訳すると「カラダのインターネット」となります。そう、文字通り人の体がインターネットにつながるという意味です。
IoBは3つの段階に分けられるとされています。第1フェーズは「ウエアラブル」で、時計や服といった体に触れるデバイスを身に付けて、インターネットに接続するという段階です。例えばスマートウォッチで自分の心拍数や運動量などを計測し、インターネット経由で分析・アドバイスを受けられるサービスなどがあります。
第2フェーズは「体内化」で、デバイスを体内に埋め込む段階です。こちらも、心臓ペースメーカーなどですでに具現化されています。
第3フェーズは「ウェットウエア」と呼ばれています。デバイスなどハードウエアは“乾いたもの”と捉えられますが、これに対して人間の頭脳といった“液体を持つもの”を意味する言葉になります。ウェットウエアがインターネットに接続する世界はまだまだ未来の話ですが、すでに研究開発が進められています。
IoBが期待されるのは、やはりヘルスケアの分野でしょう。例えば、疾患保有者の心拍数や血圧などのバイタルデータを監視し、悪化の兆しがあれば事前に対処できます。また、ビッグデータやAIを活用すれば、より効果的な対処が可能になります。生活習慣病予防サービスのビジネス化などにも活用できるでしょう。特に日本では世界有数の超高齢社会を迎え、医療費の増大はますます深刻化していますから、こうした社会課題の解決にIoBが期待されます。
IoBがウェットウエアのレベルまで進化すれば、ハードウエアのデバイスを身に付けたり埋め込んだりするストレスがなく、より精密な幅広いヘルスケア情報が得られるようになるでしょう。
一方、人の体を扱うため、セキュリティや故障などのリスクはIoTより大きいという課題があります。リスク最小化、責任の所在の明確化から法規制まで含めて、技術とともに制度面でも整備が必要になります。
IoBは、ヘルスケア以外の分野においても、様々なアイディアが登場してくるでしょう。今後の動向に注目が集まります。