クイズ「情シス部門が知っておきたいテーマ」
最先端技術を活用して未来都市を実現する日本政府の構想とは?
2023年4月
クエスチョン
日本政府が打ち出した、最先端技術を活用して住民が暮らしやすい未来都市を実現する構想とは?
- サイバーシティ
- セキュアシティ
- スーパーシティ
- エクストリームシティ
アンサー
3. スーパーシティ
解説
「スーパーシティ」とは、最新のICTを活かし、国・自治体や企業だけでなく住民も参加して実現する、持続可能で暮らしやすい未来社会のことです。似た言葉に「スマートシティ」がありますが、スマートシティは交通、エネルギーなど個別分野での取り組みや、個別技術の実証にとどまっていました。これに対してスーパーシティは、分野を超えてAIやビッグデータなどの最先端技術を活用し、しかも技術の実証ではなく2030年頃に実現可能な未来社会の暮らしを先行的に実現して、「まるごと未来都市」をつくることを目指した構想です。スマートシティの拡大版として、生活のあらゆる領域でDX(デジタルトランスフォーメーション)を起こす取り組みと言い換えることもできるでしょう。
ポイントとしては、生活全般にまたがる幅広い分野で先端的サービスを提供すること、そのためにデータ連携基盤を通じて多様なデータを共有すること、住民が参画し住民目線で住みやすいまちづくりを実現していくことなどが挙げられます。生活全般とは、従来のスマートシティのように分野を限定せず、行政手続、移動、医療、教育、物流、決済、エネルギー、防災といった暮らしに関わる多様な分野のうち、5分野以上をカバーするという目安を内閣府が発表しています。
2020年に「スーパーシティ型国家戦略特区」が創設され、つくば市と大阪市が最初のスーパーシティ特区に指定されました。続いて同年12月に公募が始まり、これまでに31の自治体からスーパーシティの提案が集まっています。
国はなぜ、いまスーパーシティ構想を進めるのでしょうか。そこにはやはり、日本において顕著に進む少子高齢化・人口減少や、都市部への人口集中、地方の過疎化といった課題があります。日本は課題先進国としてそれらの解決に一刻も早く取り組む必要があることに加え、最先端ICT活用による生活インフラ整備や各種サービス創出を実現することで先進的モデルを示し、今後の世界をリードしていく可能性も視野に入れています。
具体的に実現される未来社会の姿として、つくば市ではドローンやロボットを使った配送などを目指しています。また大阪市では自動運転による人の輸送だけでなく、空を飛ぶクルマの社会実装まで打ち出しています。まさにワクワクするような未来像ですが、こうした計画の実現には、最先端技術の実用化と分野をまたがるデータ連携基盤の構築、そして住民生活を豊かなものとする多彩なサービスが必須で、それらを生み出す企業の力も重要です。各企業が得意分野を活かし、協力し合うことで、「まるごと未来都市」の実現も近づいてくるのです。