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モノづくりIoTソリューション(リードタイムの短縮) 第13回

モノづくりIoT 良い流れ創りのシナリオ(1)

2018年7月

モノづくりIoT 良い流れ創りのシナリオ(1)

モノの流れの見える化による効果、価値を認識した上で、良い流れ創りのアプローチシナリオを整理します。モノの流れの見える化による良い流れ創りのシナリオは以下の通りです。

[図]モノづくりIoT 良い流れ創りのシナリオ(1)

【STEP1】 見える化の土台作り

必要最低限の実績収集データを定義します。基本的なデータの定義は、「正味作業の着手/完了」「ロットを紐付ける識別子」になります。更に、必要に応じて、段取時間の着手/完了時刻や、手直し時の戻り先とその時の着手/完了時刻、正味作業時間のバラつきに影響する設備(治工具)や、作業者、各種属性情報(大きさ、材質、色、量 等)、外部環境(気温、湿度 等)などの定義を明確化します。その上で、実績収集手段を整理します。

収集対象データは、ミニマムスタートをお勧めします。投資回収バランスは勿論のこと、分析/改善を繰返し、積み上げながら進めていく上で、必要な事実データが明らかになっていきます。

もう一つ、非常に重要なポイントがあります。評価指標を「原価」ではなく、「付加価値(=キャッシュ)」に切り替えることです。原価を指標としている限り、大ロットによる仕入れ、作業指示から抜け出すことができず、最も大きなムダ、買いすぎのムダ、作りすぎのムダを排除することができません。単位時間当たりの付加価値(=「キャッシュ」×「時間」)で、現場力を評価します。

ものづくりIoTの導入による良い流れ創り(=リードタイム短縮)に取り組む際には、現場部門は勿論のこと、本社の経理スタッフもプロジェクトメンバーとして参加することをお勧めします。

例えば、計画生産を行っている場合、最終的な出荷要求と計画生産の完成実績のタイミングはずれます。この時、製品在庫の評価指標として、「スループット・ダラー・デイズ(TDD:Throughput Dollar Days)」 「在庫ダラー・デイズ(IDD:Inventory Dollar Days)」があります。

[図]モノづくりIoT 良い流れ創りのシナリオ(1)

スループット・ダラー・デイズは、指定された納期までにオーダーを出荷することに失敗した機会損失を測定する尺度です。納期に遅れた製品の価値に、遅れた日数をかけて得られる数値です。100万円の価値を持つ製品が、10日遅れれば、1000万円になります。理想的には、ゼロを目指します。この指標は、納期遵守だけでなく、手直しの削減や、品質を向上させるための動機づけにも有効です。

この時、納期の定義が重要です。客先指定納期に対して、調整した納期で出荷した場合や、出荷できなかった場合など、基準の明確化が必要です。

在庫ダラー・デイズは、在庫滞留の尺度です。例えば、出荷まで3日あった場合、製品価値が100万円であれば、300万円になります。この指標も、理想的にはゼロであるべきです。しかし、「十分な納期遵守を実現する最終製品在庫数」を設定することが難しいので、最終製品の価値に、滞留期間をかけた数値の和として考え、最小値を目指します。

【STEP2】 作業の標準化

まず取り組むべきことは、作業の標準化です。誰が作業しても同じように製品ができるようにしなければなりません。作業の標準化の度合いは、作業時間のバラつきで評価することができます。製品の属性(大きさ、材質、色、量 等)、設備・治工具、作業者、外部環境(取引先、気温・湿度 等)と作業時間との関係性を明確にし、バラつきを収束し、作業の標準化を進めます。

更に、工程間の作業時間のバランスがとれている必要があります。

ここでいう「作業時間」は、現時点での最適ロットサイズにおける「段取時間」+「正味作業時間」を指します。

例えば、工程1が終了する前に、次工程の工程2が開始するような場合があります。

[図]モノづくりIoT 良い流れ創りのシナリオ(1)

これは収集した実績データが誤っていて逆転する場合もありますが、一般にはロット化ができておらず、工程1が完了したモノから順次、工程2に運ばれていくような時です。このような時、ロットサイズの見直し(小ロット化)や、工程統合を考える必要があります。

ライン設計した通りに、現場の作業者が動いていないことは少なくありません。作業者は良かれと思い、できたものから次工程に運んだり、後工程が先食いをしたりしています。

今回は、【STEP1】【STEP2】を紹介しました。

次回は、【STEP3】【STEP4】と品質強化についてご紹介します。

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