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<コラム内容>
- はじめに
- 製品のサプライチェーンの中で求められる『変化対応力』
- 開発設計部門vs品質保証部門から開発設計部門and品質保証部門へ
- 開発設計部門もエンジニアリングチェーンだけでは対応できなくなってきた
製造業は、予測できない環境変化に対応しながら、持続的なものづくりと企業成長を目指していかなければなりません。例えば、「世界的な感染症拡大」「デジタル革命による技術革新」「欧州を中心とした環境規制の強化」などの様々な事象が製造業に大きく影響をおよぼしています。
こうした激しい環境変化により世界の「不確実性」が高まっていることに対し、変化に気づき、迅速・柔軟に対策を打てるように、部門同士のシナジーを生み出す変革が必要です。このデータの連鎖・業務のつながりを支える基盤となるのが、PLM(Product Lifecycle Management)。
近年では、製品設計において環境規制や品質保証の観点も考慮する必要が高まっています。この背景もふまえ、PLMによる部品管理と含有化学物質管理で「“変化に対応できる設計・ものづくり・品質保証”を実現」と題して、なぜいまPLMによる情報管理が『変化対応力』につながるのか、中堅中小企業ではどのように検討を進めるべきかについて、前後編の全2回構成でお伝えします。
まず、世の中の不確実性に対する、製品への変化対応力の一例として、ヨーロッパにおけるヒートポンプ搭載暖房設備の需要増加があげられます。冬の暖房機器には、ヒートポンプ搭載暖房設備に限らず、ガスヒーターやエアコンなどいくつも選択肢があります。しかし、2022年の世界情勢の変動によりヨーロッパで天然ガスが高騰し、ガスヒーターの使用が経済的に厳しくなったことで、ヒートポンプ技術に注目が集まりました。日本のヒートポンプ暖房設備メーカーの中でも、特にヨーロッパの環境規制に適合するよう改良した製品を扱う企業に売上拡大のチャンスが訪れたのです。
環境規制への対応や含有化学物質管理などグリーン調達の管理に考慮する、つまり、自分たちのビジネスがどこにあるのか、市場はどう変化しているのか、といった情報を把握し、業務に活かす、という一連の取り組みを柔軟に行えることが『変化対応力』と言える時代になりました。
そして上記の例では、サプライヤとの接点をもつ購買部門だけでなく、その製品設計を担当する開発設計部門の協力なしでは技術的な対応に応えられません。
ところが、開発設計部門と品質保証部門は以下のように対立構造になっていることがあります。
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<コラム内容>
松田 健佑
NECネクサソリューションズ株式会社
営業戦略統括部 エキスパート
原 祐治
日本電気株式会社
製造システム統括部 プロフェッショナル