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特集 情シス事情を知る

二輪車・三輪車の事故削減のための安全運転を教育面からサポート
~道路交通法違反時の動画を素早く確認できる「2輪車安全教育支援サービス」~

2022年9月

二輪車や三輪車を業務用に利用している企業、団体は少なくない。そうした企業団体にとって、交通事故のリスクは切実な課題だ。事故を減らすためには、遠回りに見えても、ドライバー教育が最も重要であり効果的だろう。そこで、当社は「2輪車安全教育支援サービス」を2022年10月に開始する。常時通信型ドライブレコーダーとクラウドを組み合わせた新サービスだ。
違反時の動画をチェックすることにより、短時間で高い教育効果を期待できる。運転走行スコアによる運転特性の可視化機能も、安全管理者や拠点長などにとって有用だ。

道路交通法違反の前後の動画のみを抽出
ポイントを絞っての振り返り教育ができる

二輪車は便利な乗り物だが、四輪車のように身体を覆うものがないので事故のリスクは高い。交通事故の発生率、発生時の致死率ともに、二輪車は四輪車を大きく上回っている。

パンデミック以降は、飲食系をはじめとするデリバリーのニーズが急拡大した。配達用の二輪車を増やした企業も少なくないだろう。飲食系にとどまらず幅広い業種業態で、二輪車を業務用に利用している企業にとって安全運転は切実な課題である。

企業にとって、交通事故は大きなリスクだ。被害者に対する責任は重く、企業の信用やブランドにも大きなダメージを与える。事故処理の短期的な費用はもちろん、保険料率の上昇など中長期にわたってマイナスの影響が生じる。

こうした課題に対応し、ドライバーの安全運転意識向上や運転技能といった根本原因に働きかけることを目指して、当社は2022年10月、自動二輪及び三輪を業務利用する企業団体向けに「2輪車安全教育支援サービス」を開始する。

図は本サービスのイメージを示したものだ。

ドライブレコーダーが記録する道路交通法違反時の動画や位置情報を含めた走行データは、SIM通信によりクラウドにアップされ、店長・拠点長やドライバー、エリアマネージャー、本社の安全管理者など関係者の間で情報共有することができる。

本サービスでは、ジェネクスト株式会社(本社、横浜市)製の「AI-Contact」という道路交通法違反検出エンジンを利用している。AI-ContactはGPS情報をもとに、一時停止違反や速度超過などを検知。違反時の前後の動画はクラウドにアップロードされる。この動画は位置情報と紐づけられており、違反や危険運転のあった場所周辺の走行動画を抽出して確認することができる。

ドライブレコーダーを業務用車両に取り付けている企業は少なくないが、事故が発生したときだけ確認するといった運用がなされているケースがほとんどだろう。日常的に動画を活用していない理由は、動画全てを見るのに時間がかかるため。違反に該当する部分の動画だけ切り出して活用することには大きなメリットがある。

それぞれの店舗や拠点は、本サービスを振り返り教育に活用することができる。走行時の記憶が薄れないうちに、違反のあった場所での動画を見せることで、拠点長によるドライバーへの指導はより充実したものになるだろう。走行ルートと違反地点を地図上に再現し、該当する動画だけを抽出できるので、短時間での指導が可能だ。

地図上での走行ルートと違反地点表示

運転スコアにより改善状況を確認
多拠点を比較してノウハウを横展開する

二輪車・三輪車に関する教育としては、ベテランドライバーによる並走指導が行われるケースが多い。並走指導は効果的だが、忙しい現場の時間的な制約もあって、実際にはあまり行われていないケースもある。本サービスを活用することにより、並走指導を補完する効果的な指導が可能だ。それは拠点長や先輩社員による、新人ドライバーへの教育負荷低減につながる。

本サービスは、道路交通法の順守度を運転走行スコアという形で可視化する機能も備えている。例えば、ドライバーのAさんの運転スコアは100点、Bさんは20点だったとしよう。拠点長や安全管理者はBさんに対して集中的に指導を行うことができる。運転スコアが上昇したドライバーに対しては、拠点長のポジティブな声掛けにより、安全運転意識の向上を後押しできるはずだ。

本社の安全管理者が、全拠点の安全運転レベルアップを図る上でも有用だ。運転スコアの推移を数値でたどることで、改善状況が可視化される。拠点ごとの運転走行スコアを見れば、改善が進まない拠点を特定し何らかの打ち手につなげることもできる。著しい改善を見せた拠点のノウハウを、多拠点に横展開するというアプローチも考えられる。安全運転月間のような期間を設定して、拠点間が競い合う手法も有効かもしれない。

企業によってこうした施策が適している場合、そうでない場合があるだろう。ただ、そうしたアイデアが実現可能になったということが重要だ。運転走行スコアという可視化によって、安全運転への取り組み方に新しい選択肢が生まれる。

ドライブレコーダーとクラウドを組み合わせ
パートナーとの協業で新規サービスを開発

安全運転教育を支援するサービス開発のきっかけは、ある物流企業(A社)から受けた相談だった。A社はドライブレコーダーの動画を用いて、四輪車ドライバーの走行の様子をチェックしていたのだが、すべての動画をチェックすると、早送りにしても相当の時間がかかる。そこで、「一時停止場所を通過するときの動画だけ抜き出せないか」との問い合わせだった。

道路交通法には様々なルールがあるが、そのすべてを順守しているかどうかを確認するのは大変だ。そこで、最も基本的なルールの1つである一時停止の違反の有無を優先してチェックしようとA社は考えた。一時停止を守っているドライバーは、おそらく他のルールも守っているだろうとの仮説に基づく推論である。

ただ、すべての動画データから一時停止の部分のみを抜き出すことは難しい。当社は、ドライブレコーダーの動画データと位置情報(GPS情報)を組み合わせることで、この課題を解決した。そして、一時停止の動画を抽出するだけでなく、必要な諸機能を追加してサービスとしてまとめ上げたのである。

本サービスはドライブレコーダーとクラウドとの組み合わせによって生まれた。前述したジェネクストをはじめ、2輪車専用通信型ドライブレコーダーを提供するメーカーなどとのコラボレーションにより、早期にサービスを開発することができた。ある意味では、オープンイノベーションの成果である。これらのパートナーとも協力しつつ、当社はサービス開始後も着実に機能拡充などを進めていく考えだ。

NECグループにおいて、「安心・安全」は重要な注力分野の1つである。当社は二輪車・三輪車の安全運転を教育面からサポートすることにより、交通事故減少に貢献していきたいと考えている。

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